yoshitaka

筆者は、昨年まで私立の中高一貫校に、教諭としてフルタイムで働いていました。若い教師の皆…

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筆者は、昨年まで私立の中高一貫校に、教諭としてフルタイムで働いていました。若い教師の皆さんやこれから教師を目指そうとする方のために、自分の経験から教師の魅力を発信したいと思っています。

最近の記事

コロナ禍の受験に寄り添って。(2)

 昨年度の私の学校は、他校より一足遅れて6月から分散登校が始まりました。一週間の分散登校後、通常の学校生活が開始されましたが、私たちの役目は、当然ながら生徒の感染予防の徹底でした。学校が補助金を使い非接触式体温センサーを校門から入ったところに設置し、全校生徒がその前を通過し校舎に入ります。クラス担任は朝礼で生徒が記入した健康調査票を毎日回収します。トイレ付近や教室の入り口にはアルコール消毒液を設置しました。私のクラスは幸い人数が多くなかったので、教卓と生徒の机を2m程度離して

    • コロナ禍の受験に寄り添って。(1)

       ドラマ「息をひそめて」について書いていると、昨年度高校3年生の担任で、受験の指導をしたことを色々と思い出したので綴っていきます。  昨年度の春は全国の学校に休校措置がとられました。3月下旬から5月下旬が休校で、私の学校は6月より登校を開始し、徐々に授業が始まっていきました。しかしながら、私たちは4月中旬よりオンラインでの授業に取り組むことになり、その準備に取りかかりました。どんな方法で生徒たちに授業を届ければ効果的かICT担当教師が議論し、ZoomやMeetなどを使ったリ

      • オムニバスドラマ「息をひそめて」を見て。~コロナ禍の学校~

         この連休、当然のごとく遠出などできず、家で動画三昧の毎日でした。少々目が疲れ気味です。そんな日々の中、Huluで配信されている「息をひそめて」というオムニバスドラマを視聴しました。中川龍太郎さんの脚本・監督で全8話の作品です。  多摩川沿いの町を舞台に、コロナ禍で変化を余儀なくされた人々の暮らしをオムニバス形式で綴っています。食堂を営むも緊急事態宣言の影響で客が激減してしまった女性、マッチングアプリで出会った年の離れた男女、在宅勤務で24時間顔を合わせることになる夫婦、最

        • 学校で学ぶということ。(4)

          班活動で学級は変わります  班での活動の例を前回お話ししました。教師は活動に評価を与えます。評価によって、生徒達は自信をつけて色々な問題に挑んでいくのです。そしてリーダーが育ち、教室の中に「正義」が通るようになります。「正義」が通るようになると、おとなしい生徒でも生き生きしてきて、学級は活発になってくるのです。ところが、えてして子供の問題にすぐ口を出し、「解決」してしまうのは決まって担任なのです。何が「正義」かを決めるのも担任、  おとなしい生徒がいればすぐに手をさしのべる

        コロナ禍の受験に寄り添って。(2)

          学校で学ぶということ。(3)

          班活動の実際  日常の学校生活で班での活動を様々な場面で組み入れていきます。前回お話ししたクラスの整理当番は、班ごとに一週間単位で回していきます。また、プリント類を配布するときや、提出物を集めるときもできるだけ班単位で集めさせます。どの班が指定の日までに提出できたか、どの班が遅れたかをクラス全体に分かるように展開していくのです。遅くなった班は、次は1番になろうと班長が班員に声をかけるようになります。  また帰りのHRで、学校生活点検表を記入させました。班員各々が、例えば「

          学校で学ぶということ。(3)

          学校で学ぶということ。(2)

          班の編制にも工夫を  「学級開き」では最初の座席を元に班を編制します。このとき班活動の必要性を生徒にわかりやすい言葉で伝えます。多くの生徒は小学校でも経験しており、理解を示してくれます。まずはこの班の中で、話し合いをしてもらい班長を選出します。学園内の小学校からの生徒は互いを知っていますが、受験で入学した生徒はそうではありません。担任はそのことを生徒たちに伝え、お互いに自己紹介するなどのコミュニケーションをとらせる工夫を行います。巡回しながら各班の様子に目を配り、班長を押し

          学校で学ぶということ。(2)

          学校で学ぶということ。(1)

          グループ活動の意義  先日、6年くらい前のドラマを見ました。岩井俊二さんが製作した「なぞの転校生」という連続ドラマで、SF作家の眉村卓さんの原作です。一定年齢以上の方には懐かしいタイトルかもしれません。  このドラマの中で異世界からやってきた王女が転校生として現れ、主人公の女子高校生に「こんな誰でも知っていることを学ぶ(異世界では常識)のに、学校に行く必要はあるのか?」と問いかけます。すると女子高校生は、「学校は友達をつくるために行くのだ。」と答えるのです。  学校とい

          学校で学ぶということ。(1)