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第53回定例会 「日本ゲームセンター史」を開催しました。

10月12日(火)に、第53回定例会「日本ゲームセンター史」を開催しました。講師は立命館大学ゲーム研究センター客員協力研究員の川﨑寧生さん。講義の内容をダイジェストでお伝えします。

1930年代の屋上遊園地にルーツを持つ日本のゲームセンター。川﨑さんは、ゲームセンターを
 ①独立店舗(1970年代~現在)
 ②併設型店舗(1930年代~現在)
 ③大人向けゲームコーナー(1970年代後半~2000年代)
 ④子供向けゲームコーナー(1960年代~2000年代)
の4つに分類し、中でも、「大人向けゲームコーナー」と「子供向けゲームコーナー」に注目します。

おもにテーブルゲーム機が置かれた喫茶店である「大人向けゲームコーナー」は『ブロック崩し』を火付け役に導入店を増やし、インベーダーブームを経て勢いが落ちたものの『ジャンピューター』が大ヒット。脱衣麻雀を含む麻雀ゲーム、クイズゲーム、『アルカノイド』、『テトリス』などを中心に、短時間で気軽に遊べる場所として生き残ります。
「子供用ゲームコーナー」は駄菓子屋などの一角にメダルゲームやビデオゲームを備えた空間で、低価格のプレイ料金を特徴として子供たちの交流の場となっていきます。

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80年代前半にはゲームセンターは賭博犯罪・青少年保護の問題に巻き込まれて風営法の規制を受けることになるものの、業界の自浄努力によって徐々にクリーンなイメージを獲得。ゲームメーカーなどの資本による大型独立店舗も増えてきました。

90年代、中小ゲームメーカーの撤退・廃業やコスト増などの理由により大人向けゲームコーナー・子供向けゲームコーナーは衰退していきましたが、独立店舗のゲームセンターは体感型ゲーム機、対戦格闘ゲーム機、プライズゲーム機(UFOキャッチャーなど)、プリントシール機、音楽ゲーム機などの大型ゲーム機を揃え、多様な発展を遂げていきます。

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営業形態の変遷はあれどもゲームセンターの多様なありようは維持され、「気軽に、かつ定期的に遊べる『家の外の娯楽文化』」として、新たな可能性を模索しているところだと川﨑さんはまとめます。

ゲーム研究・ゲームセンター研究の中でも、場所と形態に着目した分類は新しい視点。川﨑さんの今後の研究の進展が期待されます。

※デジタル・エンターティメント研究会では、こうした勉強会を1〜2か月に一度オンラインで開催しています。ご参加希望の方はFacebookのグループに登録していただくと、開催情報をお知らせします。


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