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デジタル田園タウン研究会_第8回(20230427)

デジタル田園タウン研究会(第8回)を開催しました。
当日の研究会の概要をご紹介いたします。

概要

日付: 2023年4月27日
参加者: デジタル田園タウン研究会メンバー
テーマ: 官民連携・スタートアップ支援・デジタル活用の現状と課題
講師:C-table株式会社/一般社団法人まちのtoolbox 田邉 耕平氏

各地の課題感

  • 矢吹町

    • 民間と行政の文化の違い(契約方法、意思決定スピード、利益追求など)が連携の障壁になり得ると思料。

  • 狛江市

    • 民間活用で何をするか、未だ方向性を見い出せていない。

  • 塩尻等各地の視点(金子氏)

    • 事例としてはMaaSで官民連携を進めている。

    • 文化の違いはある。双方の歩み寄りが重要になる。

  • 民間企業視点

    • 行政課題が多様化する中で、運用の変更や自治体の特定のお得意事業社とのやり取りだけでは解決できなくなってくると思料。また、夫々の町の特色を出す為にも、事業社の介入が求められるはず。

    • パーソナル化を進めていく中で高度なIT技術が必要になってくる。

    • スピード感、意思決定の考え方の違い(大企業とスタートアップの連携の時にもあるかと)はどうしてもあり、それがずれると対応が遅延したり、ストレスに繋がる。一方で、お互いが歩み寄りすぎると、民間のとがった発想がなくなり、アイディアの収縮等に発展してしまう危険性はある。

講演内容

  •  テーマ:「官民連携・スタートアップ支援・デジタル活用の現状と課題(山梨県・都留市のスタートアップの事例)」

  •  講師:田邉耕平様(C-table株式会社/一般社団法人まちのtoolbox)

  •  事業紹介

    • 山梨県都留市(人口約3万人)に2017年創業、従業員11名

    • 田邊CEOは都内企業勤務だったが、子育てを機に地元にUターン

  • ➀官民連携、スタートアップ支援

    • 一般社団法人「まちのtoolbox」(非営利)、2020年設立

    • 都留市の「生涯活躍のまち構想」を民間で実現していく為に設立

    • 移住促進、生涯学習、健康増進、仕事創出を事業の柱としている

    • 仕事創出に力を入れ、IT講師養成講座、ビジコンの企画・運営、支援金事業の事務局委託などを行っている

    • 市への依存が強い為、自立できるようにサポートする事が課題

  • ②DX/スタートアップでの取り組み

    • 民間事業者として収益成長を考えていく中で、自治体とのかかわり方を考えている

    • 市役所LINE

    • 来庁や電話が必要な手続きをLINEから手続き、決済迄可能とするサービス。市の7割の手続きがこのLINEから行われている。

  • 現状と課題

    • 市や県はスタートップの誕生を望んでいるが、実態としては障壁が多い。

    • そもそも民間事業者が取り組まない範囲に取り組んでいるので、自立する為の出口が限られている。利益重視にしすぎるとやっかみを受ける事もある。

    • 行政は単年予算での取得になる為、長期的な絵を描きにくい。

    • 担当者の移動が頻繁にある為、キャッチアップ、関係の再構築に時間がかかる。

    • 地域で成長したいというよりも、地域に営業を仕掛ける目的の企業が多い

  • 民間事業者の目的は利益増大と成長

  • →地域は市場が小さく、顧客も人材も少ない為、成長したい企業とのミスマッチが生じている

  • スタートアップから見た自治体協業の課題

    • 儲ける再現性が低い

    • 単年で大きな予算をつけてもらっても、自分達の成長曲線とマッチしない

    • プロダクトの自治体毎のカスタマイズは横展開できない為難しい。細かく稼ぐことを考えると横展できない事はかなり痛い

    • 単年で忙しくなって人を雇っても、来年以降同じ仕事があるわけではない為、最適な人員配置がされていない

  • 地域自治体にスタートアップが関わるには何が必要か

    • 各地域に受け皿となるDX人材、基盤を構築

    • API連携で余計なカスタマイズを減らす。スタートアップのサービスの良いところをAPIで引っ張ってくる

  • ③デジタル活用

    • 要件定義された表層システムだけを納品しても、一時的、あるいは局所的な解決にしかならない。変化する課題に対応する為には、変化に応じた追加の改修が必要になってしまう。エコシステムがあれば必要に応じた改良で、課題に対して柔軟かつ長く対応できる

    • エコシステムにはそれを整備する人材が必要な為、育成を行う

    • 求めるのは、単にプログラミングが得意な人ではなく、主体的に課題の本質を捉えて、解決に向けて思案できる人材。コーディング自体は他に任せても良い。

    •  地域DXスクールを構想(都留市の取り組み例)

      • ・   20~50代を想定

      • 試験的に1週間だけプログラミングスクールを開校した際に、再就職を目指す主婦の参加が多かった

      • ・   参加募集するにあたっては、そこでの学びが自分のキャリアに生きる事を伝えるようにしている

  •  質疑応答

  • Toolboxに官側を入れて、行政との調整をするのが良い。

    • 代表理事は多摩市役所の職員が独立して自分で会社を運用。行政と事業社の両方の観点を持っている。

    • インセンティブはないが、取り組みの面白さは提供できる。

  • 行政側の単年度予算主義を取っているが、債務負担行為として多年度に渡っての予算を取る事が出来る。そういうものを利用する手もあるのでは。

以上

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