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米国証券取引委員会が、ETCを「証券」と分類したらどうなるのか?!

CoinDeskJPは2024年04月01日に、SEC(Securities and Exchange Commission/証券取引委員会)が2024年03月20日に、ETH(Ethereum/イーサリアム)を証券として再び分類しようとしている可能性が高いことが明らかになった。

これだけBitCoinETFが話題になると当然な流れではあるが、誰もがこのような報道を信じているわけではなく、SECはこれまでのところ、Ethereumが証券かどうかについて、明確な判断を先延ばしにしてきたことと同じように、Ethereum財団(Ethereum Foundation)への調査が進行中かどうかについても明確な回答を先延ばしにしていると報告した。

多くの弁護士は、Ethereum財団がGithubリポジトリで認めた「任意の調査」は警戒すべきものではないと述べている。

暗号資産(仮想通貨)企業に対する召喚は、この業界では日常茶飯事で、Ethereum財団のカナリア(Canary/政府からの調査を受けていないことを示す「令状のカナリア」)も最終的に削除された。

*カナリア(Canary)とは、炭鉱で毒ガスを検知する「カナリア」に見立てて、新バージョンにアクセスさせる展開(デプロイ)手法の俗称。

Byrne &Storm,P.C.のマネージングパートナーであるプレストン・バーン(Preston Byrne)は、Ethereum財団が「調査対象である可能性は低い」と続けた。とはいえ、調査が進行中であることを前提にすると、いくつか疑問が残る。
例えば、SECはなぜ、Ethereumの創設者をスタートから10年近くが経過し、ネットワークに数千億ドルもの資金が投入された後に訴えようとするのか、その理由はまだ明らかではない。

調査はEthereumのICOとトークン配布、あるいはステーキングモデルへの切り替えに関係しているのだろうか? アメリカの証券規制当局がスイスのツークを拠点とする組織を管轄するのはなぜか? 急成長しているEthereum先物市場を監督するCFTC(Commodity Futures Trading Commission/米国商品先物取引委員会)は反発してくるだろうか?

バーンは2つのもっともらしい理由を提示した。

1つは、Ethereumを証券と分類することでアメリカの暗号資産取引所にEthereumの上場廃止を迫るため。
もう1つは、要望の高いEthereumETFを否定したい自らの主張を支えるためだと言う。

どちらの動機にしても、「必ずしもSECが財団に対して執行措置を起こす必要はない」とバーンは付け加えた。

しかし、Ethereumが証券だと仮定する場合、一体何が起こるのだろうか?

Ethereumは現在の価格で約US$4140億であり、暗号資産業界で時価総額が2番目に大きなブロックチェーンで最も使用されているツールの基盤である。証券に分類されれば、混乱が起こる可能性が高い。最終的にどうなるかはまったく予測できない。

より可能性の低い反応の1つは、ネットワークの安全を確保するためにトークンをロックアップしたユーザーにトークンを報酬として与える「PoS(Proof of Stake/プルーフ・オブ・ステーク)」アルゴリズムに移行したEthereumが、ビットコインが先駆けとなった「PoW(Proof of Work/プルーフ・オブ・ワーク)」に戻るというもので、Ethereum財団内外の開発者たちは、PoS移行に何年も費やしてきたため、再びPoWに戻るとしたら、同じくらいの時間がかかるだろう。その可能性はさらに低い。

Ethereumの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)がEthereumのアイデアを思いついたのは2013年。当時から彼は、Ethereum・ブロックチェーンは当時まだ生まれたばかりのコンセンサスモデルだったステーキング・モデルに切り替える必要がありそうだと考えていた。ステーキングに向けた最初の具体的な一歩が踏み出されたのは、ネットワークが実際にローンチしてから5年後の2020年だった。

一部で冗談のよう話題にしているように、Ethereumの変更前のEthereumクラシックを主流にすると言うことにもなりかねない。やはり、それは無理だ。それは単に、SEC委員長ゲイリー・ゲンスラー(SEC Chairman Gary Gensler)のステーキングに対する明らかな懸念に応えることができるだけだろう。

Ethereumの代替ネットワークであるEthereumPoW(ETHW)もあるが、SECの調査の可能性のニュースを受けてもあまり上昇しておらず、急速な普及は望めないことを示している。

SECの企業金融部門の元トップであるビル・ヒンマン(Bill Hinman)は、ETHは「十分に分散化されている」ため証券ではないと述べている。

XRPアーミーはこのような瞬間を何年も待っていた。Ethereum対ソラナ(Solana)やビットコイン対その他すべてのような明確な対立ではないが、多くのXRPアーミーはEthereumを絶対的に軽蔑している。

さらに、何年もの間、リップルラボ(Ripple Labs)CEOのブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)を含むXRPの支持者たちは、Ethereumは「中国にコントロールされている。」、ヴィタリック・ブテリンは中国共産党に取り込まれている可能性がある。そしてネットワーク自体が米国当局によって勝利するように「選り好み」されていると主張してきた。

このように、お笑いタレント大統領によって、とんでもない方向に向かう可能性まである。

クリーブランド州立大学のクリスタ・レーザー(Christa Laser)法学教授は、「どの暗号資産であるかということではなく、販売または販売オファーの特徴によって投資契約となる。Ethereumは、広告なしで公開の取引所で販売されている。SECはステーキングの報酬だけをターゲットにしているようだが、中心的なプロモーターがいることを示す必要があるだろう。」と述べている。

元CFTC(Commodity Futures Trading Commission/米国商品先物取引委員会)コミッショナーのブライアン・クインテンツ(Brian Quintenz)は、実際、SECがEthereumを追及することで起こりうる結果の1つは、法廷でSECが再び大きな損失を被ることだ。

さらに、数え切れないほどのアメリカの投資家、企業、個人がEthereumは証券ではないというSECの長年にわたるシグナルに基づいて行動してきた。

これに加え、ゲンスラー委員長率いるSECは暗号資産業界との法廷闘争において不公平だったという認識が広がっている。

SECはアメリカでのEthereum先物やEthereum先物ETFのローンチを許可し、すでに暗黙のうちに「Ethereumはコモディティ」と述べている。

これが一番容易で、安全なようだ。

この「法廷闘争」はゲンスラー委員長にとって必ずしもうまくいっているわけではない。

つい先日も、米国連邦判事は暗号資産企業DEBT BOXとの争いで「意図的に虚偽を流布」したとして、SECの「権力の著しい乱用」を指摘した。

今回は、CoinDesknにジェシー・ハミルトン(Jesse Hamilton)の記事を翻訳したCoinDeskJPの記事に、かなり私の意見を書き足した。

https://www.coindeskjapan.com/225084/
https://www.coindesk.com/consensus-magazine/2024/03/21/what-happens-if-the-sec-classifies-eth-a-security-wrong-answers-only/

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