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香港の陳茂波財務長官、銀行に企業と住宅所有者への支援を要請

香港の英字新聞「SCMP(South China Morning Post/サウス・チャイナ・モーニング・ポスト/南华早报/南華早報)」のデニス・ツァン(Denise Tsang)とキャニックス・ヤウ(Cannix Yau)は2024年08月14日に、香港の陳茂波財務長官(Financial Secretary Paul Chan Mo-po/ポール・チャン・モポ)は主要銀行と会談し、中小企業が直面する流動性問題と住民の住宅ローン返済について協議していると報告した。

財政長官は香港の銀行に対し、中小企業が直面している流動性圧力を緩和し、住宅所有者の住宅ローン返済を支援するよう求め、困難なケースには当局が支援すると誓った。

陳茂波は2024年08月14日水曜日、午前中に主要銀行と会談し、中小企業が直面している流動性の問題と香港人の住宅ローン返済について話し合い、貸し手の代表者らは企業支援の重要性に同意したと述べた。

陳茂波は消費低迷と香港の株式・不動産市場の低迷という二重苦の中、中小企業と住宅ローン保有者を支援するよう銀行に説得しようと、2024年03月から圧力をかけている。

「銀行が中小企業支援の方針を最前線のサービスにも確実に導入できるようにしてほしい。」と陳茂波はソーシャルメディアのページで述べた。

「より複雑で困難な個別のケースについては、香港金融管理局(Hong Kong Monetary Authority)は銀行と連絡を取り、フォローアップと支援を行う。」

香港の住宅所有者は、ここ数カ月の市場での取引の減少に伴い、不動産資産の急激な価値下落に苦しんでいる。例えば、6月の公式統計では、住宅取引は前月比30.5%減少し、販売額は35%減少した。

香港政府のリーダー李家超(Chief Executive John Lee Ka-chiu/ジョン・リー・カチュウ)は今年第4四半期に予定されている政策演説に向けて意見を求めており、財政長官の電話会議は政策の布石となる可能性がある。

陳茂波は、2022月に年次予算演説を行った際に、香港金融管理局と銀行に対し、企業のキャッシュフローについて商業部門とコミュニケーションを維持するよう最初に指示したと述べた。

陳茂波は、その後、9つの措置が講じられたと述べた。その中には、銀行が期限通りに返済できる住宅ローンの顧客に、早期返済を要求できないことなどがある。担保の価値が下落しても銀行は信用限度額を調整できず、年次見直し中に信用限度額を調整する場合は、顧客に少なくとも6か月の猶予期間を与える必要がある。

当局の広報担当者は、銀行に対し、「慎重なリスク管理原則」に基づき、中小企業の事業拡大、アップグレード、変革を支援するよう指示したと述べた。

「[金融当局]はまた、銀行が顧客を公平に扱い、透明性、効率性、妥当性をもって顧客にサービスを提供することを要求している。」「銀行はまた、適切な商品やサービスを提供するために、顧客の最新の状況やニーズを把握するために緊密なコミュニケーションを維持すべきである。」と陳茂波は述べた。

陳茂波は絶えず、香港中を歩き回り、現実を把握しようと努力していることから、リアリティを持って対処しようとしている。

日本の政治家には、このような人がいない。

おかげで陳茂波には、あらゆるところに情報源がいる。

HSBCの広報担当者は、同行は短期的な流動性ニーズへの対応を支援する取り組みを強化し、金利の引き下げ、手数料の免除、サービスおよびデジタルサポート、セミナーの提供を通じて、成長の機会を追求するよう中小企業に奨励していると述べた。

「当行は、中小企業と住宅購入者の資金調達ニーズを評価するために、柔軟で融通の利くアプローチを実施してきました」と同氏は述べ、当局、商工会議所、業界関係者との対話を維持していると付け加えた。

市の重要な意思決定機関である行政評議会のメンバーであるジェフリー・ラム・キンフォン議員は、銀行に対し、資金調達に関して中小企業への支援を強化し、返済に困っている顧客に寛大な対応を提供するよう求めた。

「地政学的緊張と悪化するビジネス環境のため、どのセクターに属しているかに関係なく、あらゆる分野の中小企業が困難な状況にあります」と彼は述べた。

「中小企業にとって最大の問題はキャッシュフローの問題であるため、銀行はより多くの支援を提供し、救済策を展開する必要があります。銀行は、困っている企業に寛大な姿勢で接し、この危機を乗り切る手助けをすべきだ」

ラム氏は、当局が香港に外国資本、人材、投資家を誘致しようと懸命に努力しているにもかかわらず、企業が落ち着くには時間が必要だと述べた。

「特効薬はなく、苦境に立たされている企業が生き残るためには何らかの救済策を提供する必要がある」と同氏は述べた。

しかし、外国企業が香港に来ることを計画していたため、来年は良くなるだろうと楽観視している。

「投資家や人材が来るまでにはまだ時間がかかるため、今後数カ月は中小企業にとって厳しい状況になるだろう」と同氏は述べた。「その後は環境は良くなるだろう」

同日早朝、香港最大の商工会議所の1つである香港総商工会議所は、最近の調査で回答者の74.3%が今後12カ月間の最大の課題としてキャッシュフローを挙げたことを明らかにした。同会議所は専門サービス、貿易、製造、小売業に従事する740人の会員にアンケートを送付し、回答率は10%だった。

調査では、回答者の39.2%が今年は事業がさらに落ち込むと予想し、35.1%がまったく成長しないと予想していることもわかった。その他の課題としては、人件費や家賃の高騰などがある。

商工会議所によると、支援を提供するためのさまざまな制度や取り組みがすでに実施されているにもかかわらず、調査対象者のほぼ半数が資金調達が困難または非常に困難だと感じている。しかし、政府の40の資金提供制度のうち少なくとも1つに申請したのは54.1%にとどまった。

「これは、さまざまな制度の認知度を高め、申請手続きをナビゲートする支援を提供することで(約4分の3が処理時間が長すぎて官僚的だと述べたため)、より多くの中小企業が制度に申請できるようになることを示唆している」と商工会議所は述べた。

香港の経済は、第1四半期の修正後年間成長率2.8%に続き、第2四半期に前年比3.3%成長した。今年上半期の観光客数は2023年の同時期と比べて64%増加し、約2100万人となった。

しかし、観光客はパンデミック発生前ほど市内でお金を使っておらず、小売売上高は6月まで4カ月連続で減少している。

ポスト紙は中国銀行(Bank of China)、スタンダード・チャータード銀行(Standard Chartered Bank)、恒生銀行(Hang Seng Bank)などの主要銀行にコメントを求めた。

国民や企業が苦しんでいるのは、香港の陳茂波財務長官にとって許されないことである。

https://www.scmp.com/news/hong-kong/hong-kong-economy/article/3274488/hong-kongs-finance-chief-asks-banks-help-out-businesses-and-homeowners

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