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あの巨額の研究費はどこへ消えたのか?

NASAのカリフォルニア州パサディナにあるJPL研究所(Jet Propulsion Laboratory in Pasadena, Calif.)が公開している「NASA's Jet Propulsion Laboratory Day in Review」は2023年01月23日に、シエラからセントラルバレーに流れる地下水を測定。シエラからセントラルバレーに流れる地下水の水源は、川や雨など、この生産性の高い農地に流入する全水量の約10%を占めていることが分かった。

科学者たちは最近の研究で、これまで測定されていなかった水源、すなわちカリフォルニア州のシエラネバダ山脈 (California’s Sierra Nevada mountains)の地下の土壌や破砕した岩を浸透する水が、毎年平均400万エーカーフィート(5立方km)の水をカリフォルニア州のセントラルバレー(Central Valley)に供給していることを発見ました。

この地下水源は、この生産性の高い農地に毎年、河川からの流入や降雨を含むあらゆる水源から流入する水の約10%を占めている。

セントラルバレーは米国の農地の1%に過ぎないが、食卓に上る果物、野菜、ナッツ類の年間生産量の40%を占めている。

これは、灌漑のために地下水を集中的に汲み上げ、川や小川の流量を貯水池に取り込んでいるからこそ可能なことなのである。

少なくとも60年以上にわたって、生産者は帯水層から自然の水源で賄える以上の水を汲み上げてきたため、地盤沈下が起こり、井戸を深く深く掘らなければならなくなった。

気候変動と人間の利用によってセントラルバレーの水不足が深刻化する中、地下水の自然な動きをより詳細に理解することは、残された資源をよりよく保護するためのチャンスとなる。

南カリフォルニアにあるNASAジェット推進研究所のドナルド・アーガス研究員(scientist Donald Argus of NASA’s Jet Propulsion Laboratory in Southern California)が主導して最近発表された研究では、地下水量はこれまで理解されていたよりも乾季と雨季でより大きく変動することが判明した。

特に、乾季には、これまでの研究で推定されていたよりも多くの地下水が失われることが確認された。
アーガス教授らは、2006年から2021年の間にセントラルバレーで年間約180万エーカーフィート(2.2立方km)の地下水が失われると推定している。

アメリカは、科学の国として、膨大な予算を研究費に費やしてきたが、あの有名なカリフォルニア・オレンジやフロリダ・オレンジは、ほとんど取れなくなり、水のように飲んできたオレンジジュースが飲めなくなっている。

セントラルバレーの上や下にある水の総量を直接測定する方法はまだないが、GRACE(Gravity Recovery and Climate Experiment重力回復・気候実験)およびGRACE FO(GRACE Follow-On/GRACEフォローオン)ミッションの衛星は、その量が月ごとにどのくらい変化するかを正確に測定することができるようになった。ドナルド・アーガス研究員たちは、このようなGRACEのデータと、地表の隆起・沈下を測定するGPS研究ネットワークの観測データを組み合わせる作業を数年にわたり行ってきた。

カリフォルニア州中央部では、これらの運動は主に地下水の増減によって引き起こされる。

ドナルド・アーガス研究員は以前にもGPSを利用して、シエラの奥深くで変化する水量を定量化したことがある。今回の研究では、GPSとGRACEの両方の測定値を用いて、山の地下水の変化を山と谷の両方の地下水の変化から差し引き、谷だけの変化をより正確に推定したと言う。

そして、その数値と、スタンフォード大学の博士研究員である共著者のサルファラズ・アラム(Sarfaraz Alam)がウォーターバランスモデルを用いて算出した推定値を比較した。

水収支モデルは、河川の流量、降水量、蒸発量、井戸からのくみ上げ量など、あらゆるプロセスでその地域に流入・流出するすべての水を考慮しようとするものである。

しかし、このモデルでは、山から谷に流れ込む地下水が含まれていなかったため、このような結果になったと考えられる。

研究者たちは、セントラルバレーに流入・流出する水の量についてすでに十分理解していると思っていたので、この流入量は驚きだったと、ドナルド・アーガス研究員は言う。

つまり、これまでの研究は、科学とは呼べないものであった。

「1年の各季節、干ばつ時、多量の降水時に、帯水層に流入・流出する地下水の量を知ることができた。この新たな知見は、例えば、乾季と雨季の水遣り制限を変更し、利用可能な地下水資源と使用量をより一致させるために利用することができます。」と言っている。

つまり、これも、今やっと追い付きつつあると言うことで、これまでの巨額の研究費は、どこへ消えたのか?

日本でも、リモートセンシング研究所に、文部省の天下りが流れ込んで、最も大切な研究をして、NASAも驚かせた田中總太郎を追い出してしまった。

世界の科学が、政治家や官僚のおもちゃにしてしまった。

そして、巨額を使って、何もできていなかった。

2023-01-18---アメリカで、オレンジジュースが高価な理由。

https://www.jpl.nasa.gov/news/nasa-measures-underground-water-flowing-from-sierra-to-central-valley

https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1029/2022GL099583



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