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第23回デジタル進化生物セミナー

第23回デジタル進化生物セミナーを開催します。

5月26日(木)13:00-
竹内信人博士(オークランド大学)
「生殖的分業の進化を統一的に理解する試み」

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###以下詳細####################################
生殖的分業は、生物のほぼ全ての階層で見られる一般的現象である。例えば、多くの多細胞生物を構成する細胞は、生殖細胞と体細胞に分化している。同様に、真社会性動物のコロニーを構成する個体は、女王とワーカーに分化している。また、生殖的分業は細胞の中でも起きていると考えられる。なぜなら、細胞を構成する分子はゲノムと触媒に分かれ、遺伝情報の伝達と発現を分業しているからである。なぜ生殖的分業は、生物の異なる階層で繰り返し進化するのだろうか。これまでの考え方では、生殖的分業は生物の増殖効率を上昇させるから進化するとされてきた。しかし、なぜ分業が増殖効率を上げるのかについては、分子・細胞・個体の各階層において異なる理由づけがされてきた。これに対し本発表では、生殖的分業をより統一的に説明できる可能性を持つ「対立的多階層選択」というプロセスを紹介する。対立的多階層選択とは、階層構造を持つ増殖システムにおいて、自然選択が複数の階層で対立する方向に働く事をいう。例えば多細胞生物において、自然選択が細胞と個体の2つの階層で対立する方向に働く事をいう。これまでの理論的研究により、対立的多階層選択はある種の正のフィードバックを必然的に伴うので、個体を構成する要素の間で対称性の破れを進化させ、その結果として生殖的分業を進化させ得る事が分かってきた。この結果には2つの重要な側面がある。1つは、対立的多階層選択が働く為には、分子・細胞・個体等の特定の階層に特異的な仮定は必要無いので、生殖的分業の進化をより一般的に説明できる可能性がある点である。もう1つの側面は、対立的多階層選択によって引き起こされる生殖的分業の進化は、血縁度が十分低い条件においてのみ可能である事が見出されており、これは一見すると血縁選択理論の予測と真逆である点である。
参考文献
N. Takeuchi and K Kaneko (2019) The origin of the central dogma through conflicting multilevel selection.Proc. R. Soc. B 286: 20191359.

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