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ネガティブワードを文字にして人に送りつける

ある女性が、メールでくれた一言に、衝撃を受けた。

ネガティブなことを文字にするのは好きじゃないんです・・・


どういう文脈か、説明しよう。

その女性は、数年前に私が課長だった課のメンバーの一人。私の右腕として、いろんな場面でとにかく助けてくれた。社内で誰もがやりたがらない、難しくてデリケートな仕事。でも、人を守る/社員を守るために、必要不可欠な仕事。それを彼女は7年以上続けている。嫌な顔ひとつ見せずに。

妻でもあり、母親でもあり、そして、人柄がとにかく素敵な人物。上司だった私よりも、肝が座っててブレない、強い人である。ちなみに私より先輩でもある。

しばらくぶりに連絡することがあり「あなたを取り巻く状況が過酷さを増しているので心配している」旨を伝え「返事はいらないが、愚痴は受け付ける」と、元上司っぽいメールを送った。カッコつけた。

そしたら、帰って来た答えは「状況は改善して、心配には及ばないこと」。加えて

「それに、そもそもネガティブなことを文字にするのは好きじゃないんです・・・らしいでしょ?」

胸を撃ち抜かれた。「(ワタシ)らしいでしょ?」のセリフは、本当に惚れる。

ちょうど、こういうご時世。直近では悲しい事件もあった。

そうだ!SNSをはじめ、デジタルの世界では「ネガティブなことを文字にしない」のがいい。それだ!と思った。

では、彼女は愚痴やストレスをどうしてるかというと「お酒」。実は彼女、無類の大酒飲み。飲んで愚痴やストレスを発散している。文字にしないで口で言う。そりゃあもう、見てるこっちも気持ちいいぐらいにベロベロになる。そして、みんなの前で上司である僕の悪口を思いっきり言う。もう一度言う。「僕の悪口を思いっきり言う」。一緒にいた人たちがドン引きするぐらい辛辣な悪口。

ストレス解消法としては、この上なくいい方法だ。ただ、上司も傷ついていることは分かってほしい(笑)。


さて、大門先生だったら、きっとこう言うだろう。

「ワタシ、ネガティブなことは文字にしないので」


デジタルコミュニケーションで、最も大切なひとこと、だと思う。

肝に銘じ、できるだけ見習うことにしよう。




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