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夫のいない夜、2歳の息子と近所の銭湯に行ってみた

最近なにかと大変なことが続いていて心身ともに疲労困憊だった。

「ひと休みしたい」
そう思ってもなかなか休めないのが子育て世代の辛いところである。

本当は温泉にでも行って、ご飯の用意もお風呂の用意もせず、ただひたすらのんびりしたいところだけれど、今月はもうディズニーランドに泊まりで遊びに行ってしまった。今月は無理だ。庶民の私は諦めるしかない。

そこで、近所の銭湯に思い切って行ってみることにした。銭湯ってあまり行ったことがないし、初めていく場所だしドキドキする。

いつもは仕事が終わったら息子を保育園に迎えに行く前に、食事や風呂の用意など夜の準備を一通り済ませている。

でも今日は家事を一切やりたくなかったので、スーパーで適当なお惣菜などを買って、すぐに息子を迎えに行った。

いつもより1時間早く迎えに行ったので、保育園にはまだ子供達がたくさんいた。私の顔を見ると息子が笑顔で飛びついてくる。とってもかわいい。

一旦家に帰って保育園の荷物を置き、代わりに着替えやタオルなどが入ったバッグを持って銭湯に向かう。

日常と違うことに、息子もなんだかわくわくそわそわしているのが伝わってきて、私も既に楽しくなっていた。

近所の銭湯は、非常に味わい深い建物だった。空間全体から昭和の香りが漂っている。きているお客さんはほとんどは70代以上の方のようだった。私の他に子連れの親子が1組いて、心強い。

初めての場所、普段あまり見ない内装に息子は緊張していたのか私の体にがっしり掴まっていた。

「裸のまま女湯の外に駆け出して行ったらどうしよう」と心配していたので私の傍から離れずにいてくれて非常に助かった。

銭湯のシャワーって独特だ。
鏡の上に固定されていて動かすことができない。

息子は水遊びが好きなので「この珍しいシャワーを見たら喜ぶかな?」と思ったけど、相変わらず緊張しているのか私に抱っこでしがみついたまま。

キョロキョロと天井や他のお客さんなどを見ていて、シャワーどころではなさそうだった。

緊張していても、泣いたり嫌がったりせず、とりあえず流れに身を任せてくれるしなやかさは息子の長所だと思う。

息子の頭と体をベビーソープで洗う。いつもはベビーシャンプーを使っているけど、荷物が増えるので今日は全てベビーソープで済まさせてもらった。

ケロポンとかかれたTHE 銭湯の洗面器にお湯を入れて、泡を流す。「テルマエ・ロマエで見たやつだ」と思った。

浴室内にはいくつか小さな浴槽があった。電気湯というのは息子には刺激が強そうだったので、低温の湯船と露天風呂を中心に入ることにした。

露天風呂はほぼ貸切で、のびのびと入ることができた。息子も体があたたまってリラックスできたのか、ようやく抱っこをせずとも過ごせるようになった。

先週大雪が降ったというのに、今日の気候はまるで春だ。陽が落ちていたので少し空気がひんやりとしているけど、全然寒くはなかった。

しばらくすると、1人のおばあちゃんが露天風呂にやってきて、息子を見て「かわいいね。何歳なの?」と話しかけてくれたので、たわいのないおしゃべりをした。

しばらくして風呂から上がり、脱衣所で身支度を整える。ここでも息子が走り回ったり、外に飛び出して行きはしないかと心配したけど、私の近くでご機嫌になにやらおしゃべりをしていた。

家のお風呂だと義務感を感じてしまうけど、外のお風呂はそれがない。日常ではなく非日常な感じがするので、気持ちがゆるんで、なんだか楽しい。

銭湯を出ると、やっぱり少し空気が冷たくて。でもほてった体には夜風が心地よかった。

自転車にまたがり家に向かう。後ろから息子のご機嫌な声が聞こえる。

なんだかとっても良い夜だなと思った。

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