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はぐれ刑事剛腕派『犯罪都市 NO WAY OUT』

あの『はぐれ刑事剛腕派』が帰ってきた!
マドソンクによるゲンコツ捜査数え歌の第三弾『犯罪都市NO WAY OUT』が遂に公開された!
(拳を)打ちも打ったりシリーズ第三弾なわけだが、サブタイトルから『逃げ場なし!』的な意味が伺える。
まあ、マ・ドンソクが追ってきたら逃げ場がなしと感じるのは

当然だな!


尻に火がついた連中が修羅場に全力で突入するのが韓国映画のお家芸。
もしも、このシチュエーションにマ・ドンソクを投入したら…

こうなりました!

を描き続けてきたのが『犯罪都市』シリーズだ。


思い返すと、第一作は『哀しき獣』、第二作は『ただ悪より救いたまえ』なシチュエーションに、もしもマ・ドソンクがいたら…を地で行くシリーズであった。
結果、漏れなく悪党全員お釣りが出るほど殴られるのが実に痛快だったわけだが、今回は『アシュラ』的な展開にマ・ドンソクを投入!!
えげつない悪徳刑事、元気はハツラツなヤクザ、そしてパワーこそ正義なマ・ドンソクバトルロワイアルが本作では描かれている。
もう向かう所敵なしなマ・ドンソクだ
だったら敵の数を増やせばいいじゃない!という足し算理論が実践されているわけだが、続編として正しい姿勢だ。

闇金でなく刑事です。

とはいえ、相手が何人いようとも関係ない。
マ・ドンソク演じるソクト刑事による拳のジャイアニズム宣言は本作でも健在!

鬼に金棒、デカにドンソク。

出勤途中トラブルに巻き込まれがちという『犯罪都市あるある』をのっけから披露したかと思えば、ダメ押しのように拳のアッチ向いてホイ、力任せの金庫破り、重機いらずのオフィス破壊…と超法規的措置爆肉剛体で実行していく。
例え相手する悪党が二人になろうが、マ・ドンソクには関係なし。
セコい手段を選ばず、基本タイマンで各個撃破していくのが実に気持ちいい。
マルチタスクの重要性が叫ばれる昨今だが、ソロプレイ…ていうかタイマンでこそ人間の価値は決まる!というメッセージをビシバシ感じさせてくれるだろう。
個人的な名作基準だが、『最終的にステゴロで決着をつける映画に駄作はない』という例に本作も漏れていない。

日本刀、ストライプ、ヒゲという理想的なヤクザスタイル。

今回は日本側から青木宗高、國村隼がタッグで参戦!
ゴジラの次はマ・ドソンク!と言わんばかりに日本刀片手にアグレッシブなファイトを披露!
かつて朝ドラ『ちりとてちん』でマッドドッグ渡瀬恒彦による闘魂ビンタを経験済みな青木宗高だ。
彼の海を渡っての狂乱ヤクザぶりは目を見張るものがあるだろう。

一流ヤクザはホテルでモーニングを欠かさない。

國村隼は日本から電話で至って落ち着いて圧を掛けるヤクザを演じているのだが、出番は少ないながらも、フィジカルとは違う静かなパワハラの恐ろしさを感じさせる。

韓国の山田孝之ことイ・ジュニョク

そんな國村隼に圧を掛けられつつも、まさかの逆ギレをかますのがイ・ジュニョク演じるソンチョルさん。
韓国の麻薬取締捜査官ながらも、薬物横流しで私腹を肥やしていたわけだが、ソクト刑事が介入してからは一転!
最初はスマートで余裕シャクシャクなものの、尻に火がついてから逆ギレを連発していくのも本作の見どころの一つだ。
まあ取引相手の香港マフィア、日本ヤクザ、そしてマ・ドンソク相手だから無理のない話だ。
なんなら本作で一番『NO WAY OUT』な人かもしれん。
なんとかサバイブすべく権謀術数を弄するものの、(主に)マ・ドンソクにことごとく突破されていく。
思わず「無茶だよ!早く逃げなさいな!」と言いたくなるものの、なんとか食い下がろうとする彼の頑張りにも是非注目して頂きたい。

第三弾ということで、ますます『犯罪のワンダーランド』となりつつある犯罪都市シリーズ。
既に『犯罪都市4』も製作済みだという。
気が付いたら拳の大河ドラマになりつつあるわけだが、今後もブレーキ知らず作られて行って欲しいシリーズですよ。

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