The Birth of Sake

netflixにあったThe Birth of Sakeというドキュメンタリーフィルムを観て色々と考えさせられてしまったのでnoteに書き残すことにしてみた。この映画は手取川( http://www.tedorigawa.com/ )という日本酒を醸している石川の蔵元さんに密着して、酒造りの現場を映し出した映画なんだけど、日本酒を造る現場がこんなに過酷なものだとは思わなかった。

蔵人は6ヶ月間24時間体制で共同生活を送って酒造りに励む。休みは月に2日のみ。朝は5時から、夕食をとったあとも仕事は続く。そしてやっとできたお酒が純米酒だと四合瓶で1250円って安すぎでしょう。もちろん純米吟醸、純米大吟醸とランクが上がるにつれて、四合瓶で2000円、3000円と値段は上がっていく。でも最高ランクである純米大吟醸でさえ3000円っていうのは、ワインなんかと比べても安すぎるよね。

貧乏人の自分にとっては安くて美味しいっていうのはとてもありがたいことだけど、これじゃあ、あんまり儲けって出てないんじゃないかな?って思ってしまった。しかもこれって小売価格なんだよね。卸値はいくらなんだって話。7掛けだと純米酒で875円。石高もそう多くもないわけで、儲けもたかが知れてる。本来であれば蔵で働く人は6ヶ月間で1年分の稼ぎを得ないとやっていけないと思うんだけど、そういう状態にはなっていない。

昔であれば、6ヶ月間は畑仕事で米を作って、残りの6ヶ月で酒を醸すという生活だったのかもしれない。でもいまは酒米を契約農家から買っている蔵がほとんどで、米から作っている蔵元っていうのはそんなに多くない。(最近はそういう蔵も増えている傾向にはあるみたい)だとするなら、やっぱりちゃんと稼げるように、値段はあげるべきなんじゃないかな?って思ったよ。

業界は違うけど、コムデギャルソンの川久保玲が「いい物には人の手も時間も努力も必要だからどうしても高くなる。いい物は高いという価値観も残って欲しい」と発言していた。自分はいまだ定職についていないし、たいしてお金も持っていないから、なんであれ安いに越したことはないって思っちゃうんだけど、やっぱりそういう価値観って大事だよね。

日本酒があんな過酷な条件で、手間隙かけて作られていると知ったので、少し高くても文句を言わないようにしようと思ったわ。ただし居酒屋で出しているものとか、割高なものが多いし、プレミア価格で売っているようなところに関しては話は別だけどね。笑

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