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「THE FIRST SLAM DUNK」 後にも先にももうないかもしれない! いろんな意味でミラクル映画過ぎて観ながら頭がクラクラしてた

先日、この映画を観てきました。

「THE FIRST SLAM DUNK」

あらすじ等はこちら


90sのいわゆる「少年ジャンプ黄金時代」を築いたうちの1作で、大人気だったバスケットボールを題材とした少年漫画作品の映画化です。

もちろん私も90sキッズとして中学・高校時代にどーっぷりハマったこの「SLAM DUNK」。だってあの頃ジャンプって学校に一人一冊ずつ持ってくるみたいな感じじゃなかったですか(笑)?

私も部活前とかに、先に買った子のやつを放課後に読ませてもらったりしてました!
家では私達姉妹はジャンプ、父がマガジン派で両方毎週買ってて。ヤバい、超懐かしいな(笑)。単行本ももちろん各個人買いで。私も妹と二人で買いあいながら全巻揃えましたよ!

恐らく読んだ人ほぼ全員がそれぞれ鬱陶しいぐらいに(笑)思い入れがある作品で、酒飲みながら友達と「SLAM DUNK」の話し始めるとめっちゃ長くなるのよ(笑)。


ただこの映画、当初私はあんまり観る気が無くて(理由はまた後ほど)。夫が正月に「SLAM DUNK」を観ている間、私は「アバター2」を観に行ったという(笑)。それはそれで貴重な映画体験だったので満足でしたが、その後に夫やら観た友人やらに「面白かった!映画館で観た方がいい!」と聞いて。で、あれよあれよと言う間に

日本だけじゃなく、いろんな国でもヒットになってて!


「日本のアニメや漫画が人気な国は今後もヒットしそうだな~」と。 「これは見逃せん!」と思ってきて、私も映画館に足を運ぶことにしました。

で、タイトルどおり本作を観ながら頭クラクラして、「こんな奇跡ある?」ってくらいいろいろ感じた映画だったので、普段あんまりアニメ映画に接していない私がちゃんと言葉にできるか分かりませんが、できるだけ頑張ってレビューを書いてみたいと思います!

※ここから先は思いっきりネタバレしてますので、結末を知りたくない方はご注意ください。

(体感で言えば、マーヴェリック
並みだったな〜)


この作品、映画として私には

凄く特殊な作品に見えました。


アニメ映画は数多く観てないし、最近の流行や技術的にも分からないところも多いのではっきりと言い切れないのですが。


まず絵について。凄く独特な色遣いや絵の調子で。もちろん、井上先生のカッコいい絵ではあるんですけど。なんていうか、余白とか白の部分もわざとあるような感じで。日本のアニメってもともと色がとても綺麗だと思うのですが、この「SLAM DUNK」も、とても色がきれいなんですけど、今まで観たことが無いような不思議な感じがして。色もただきれいなだけじゃなくて、ちょっと水彩画みたいな感じかな?もー最初から言葉が上手く使えなくてすみません(笑)。全く一緒ではないんですけど、似た感覚としては

この高畑勲のかぐや姫の映画に近いような感じでした。

でも、「SLAM DUNK」の絵って凄くカッコいいじゃないじゃないですか。特に単行本の漫画は中盤から後半ヤバい。だから、凄くスタイリッシュや流麗さに寄ってない漫画に近い絵の感じが本当にとても良かったと思います。

この作品、モーションピクチャーで作ったらしいのですが全然気づかなかったです。「ほんと?」って感じでした。動き方は漫画そのまま感で、私はあんまり人の動き感は感じなかったです。

絵についてはそれくらいしか分からないのですが。すみません。

でストーリー、というか構成の話になるのかな?これは漫画時代から思ってたことなんですけど、「SLAM DUNK」って登場人物のエピソードと試合の様子を凄く混ぜますよね。それがめっちゃ感動すると言えばするんですけど、それゆえにすごーく長いっちゃ長くて、なかなか試合が終わんないし、「え?ここで?」ってところでいきなりモノローグになっちゃったりが多くて。連載から単行本を時代に読んでる時はあんまり気にならなかったんですけど、大人になって読み返したり、今回映画を観てて特に

めっちゃ気になった!(笑)

逆から言うとそれくらい映画も構成というか表現が漫画作品に忠実に見えて、アニメにするからってあんまりその感覚を直してない、整理してないような気がして。だからこそ、映画なのに漫画を読んだ時と同じような感覚や感動につながるというのがあるんだと思うのですが。

ここは結構好き嫌い分かれるところかもしれないです。特に原作読んでない普通の映画好きは驚くかも。たぶん先に原作を読んでなかったら「なんじゃこりゃ」ってなるかもなんですけど。映画観てて、マンガ読んでる時に「あれ?」ってなった感覚まで思い出させてくれるとは(笑)。

だから、「全てにおいて完成度が高い」っていう感じの映画ではなくて、めちゃくちゃなところはめちゃくちゃなのかもと思うんですけど、もうそういうの気にせずに「ガー!!!」って自分の作りたいものを作ったって感じがなんとなくして。

そうなんです!この映画って「凄いな」と思ったの

良くも悪くもマンガのまま!


私はそう感じました。あ、主人公は変わってるけどね(笑)

映画を観ていて映画を観る前に予想していたよりも、子供の時にマンガを読んでいた感覚そのままが蘇る感じがあって。これは驚きました!!映画が「漫画を読んでる」感覚と近いんで。

恐らく映画の造りがそうさせてるんだと思います。井上先生の狙い通りかはちょっと分からないですけど。個人的にはこんな感覚は初めてです。

「SLAM DUNK」ってアニメもやってたので、漫画ほどではないですが軽く観てましたけど、今回の映画で感じた感覚は過去のアニメ作品と全然違いました。TVアニメの方は「漫画原作の普通のアニメ」ですけど、今回の映画は「映画観てるけど漫画読んでる感覚」っていうのかな。言葉が追い付かないのですが、分かってくださる方がもしいたら嬉しいです。

「こんな事可能なの⁈」ってレベルで凄かったです!!


あ、ギャグが全く無くなってなかったのも含めて。(それ嬉しかった〜!!)

恐らく、これは井上先生のこだわりなのかな、と観てるうちに勝手に思いました。


その感覚は話についても同じで、特に山王戦は「漫画読んで感動した感覚がそのまんま蘇ってるな〜」と観てて思いました。


一つ昔と違うところは、私は「できるなら山王戦だけで観たかったな」と鑑賞中に思ってしまったところ。
これは映画のせいじゃなくて、完全に自分側の変化です。私は大人になってから、テニス観戦にハマって「試合だけで感動できるようになった」って事だと思います。山王戦ってそれだけで一生感動できるじゃん(笑)

でもリョータの物語が横軸にあるのは、「やっぱりそのまま山王戦の話だけにできなかったのかな」という気がして。なんか私の視点も大人目線が入っちゃって、「あの頃には戻れないんだな~」と思っちゃってちょっと寂しい気持ちにもなりました(笑)。

今現在の井上先生の感覚をどこかに入れないと、映画化が気持ち的に無理だったんじゃないかと。

あの頃のままで完全再現するんじゃなくて、「数十年を経た井上先生の感覚を、絵だけじゃなくて話にも入れないと成立しなかったんじゃないかな」と思いました。だってその間に作家としても人間としても成長しているわけなので。

私は「リアル」も大好きで読んでたんですけど、当たり前ですけど井上先生自身が作家としてもう「SLAM DUNK」の時と全然違っています。もちろん核の部分は変わらないとしても、表現技法も話の手法も、こだわりも。

それを入れずに過去のまま映画化するのは、無理だったんじゃないかと思います。だからそうした気持ちも凄く分かります。

あと「そこ?」って思われちゃうかもですが、この映画ね〜、音楽作るの本当に大変だったと思います。漫画原作のアニメ映画って、音の印象が違うと(声優も含め)、本当にがっかりしちゃう時があるのですが。

「10-FEETはよく引き受けたな〜」って思いました(笑)。うちの夫はファンなので喜んでました。「いつもの10-FEETな感じじゃない」って言ってたけど、普段10-FEETをそんなに聴いてない私でも、もう音がなんか違う感じがしたから私でもそれはさすがに分かりました。めっちゃプレッシャーだったんじゃないかな〜。the birthdayは美味しいからいいとして(笑)

この作品は試合シーンの音楽は基本デジタル感のあるようなロックがベースなんですけど、私が漫画を読んでいた当時はまだ子供だったので、確かにリアルタイムで読んでた感覚ならこの試合シーンに音楽をイメージするならロックしかなかったと思います。
今の私ならたぶんヒップホップをイメージしてしまうと思うのですが、「これはこれでいいんだな」と。映画に説得されてしまった感じです。
でも基本的にこの映画、音楽や音自体はあんまり無い感じがしたので、そういう意味でも面白い表現だったと思います。
声優については、私は元のアニメに全然思い入れもないし、映画観ていて全く気になりませんでした。

作品としてはめちゃくちゃな所もあるのに、感動させられてしまうという。ほんとに観ながらクラクラして。「体感はマーヴェリックだ」とちょっとコメント入れたけど、あの映画が絶対にトム・クルーズじゃないと成立しない映画なのと同じように、この作品は絶対に井上先生が監督じゃないと成立しない作品なのを全シーンから感じる映画でした。私のクラクラポイントはそこです。

そんなわけは絶対にないけど、「井上先生、一人でこれ作ったんじゃないでしょーね」って一瞬思ったくらいです。

この作品、海外の反応がどんな感じなのか、作品を観てますます気になりました。特に原作を知らない人」が観たらどういう印象なのか。私はもうその視点は持てないので、そういう人がうらやましいです。

もちろん感動は伝わると思ってますが、こんな作家性の強い(っていうか井上先生の才能と技術と想いしかない)アニメ作品、たぶん他の国にはないと思うので。

普段はもうちょっと文章の流れとか構成を整理するのですが、今回は作品に影響されてあえて整理しないで自分が感じたことをそのまま書いてアップしてみました。(読みづらくてすみません)

あと、「なぜ今映画化したのか」とかも知らないで観て、これ書くにもインタビューとか読みませんでした。なんかそれが自分的にいい接し方な気がして。

「リアルタイムで漫画読んで感動した時とは違って、どこか40過ぎの子持ちの映画バカな視点で観ちゃうところもあるんだろうな~」とか思って二の足を踏んでましたけど、で、本当にそのとおりだったけど、でも今は「観てよかったな」と思います。

めちゃくちゃ好き勝手書いてますけど、すみません(笑)。

気になった方は、っていうかたぶんこれを読んでる人はもう映画観てると思うけど(笑)、まだ観てない人はぜひ観てみてください♪


おまけ

この作品、プロダクションの時点から徹底してたと思います。これだけでこだわりが凄い伝わるもんね〜。

おまけ2
私は陵南戦が一番好きなので、山王戦よりそっちが観たかったな(笑)。フクちゃんが好きだった。

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