見出し画像

1000円と受験料でFP2級を取った記録

3月2日に、今年の1月に行われた2級FP技能検定の合格発表がありました。最近の資格は、郵送で送られてくる結果を待たなくても、協会のHPで合否を即日に開示してくれます。

結果は、学科試験・実技試験ともに合格でした。9月に3級も合格しているため、最短で2級取得となりました。

最近、周りでもFPを取得しようとする人が多いため、今回は、2級を取得するまでの記録について書きたいと思います。

1 FP(ファイナンシャルプランナー)

FPは、ファイナンシャル・プランナーの接頭語を取ったものです。何をする人かというと、日本FP協会には、次のように書いてあります。

人生の夢や目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法を「ファイナンシャル・プランニング」といいます。ファイナンシャル・プランニングには、家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識が必要になります。これらの知識を備え、相談者の夢や目標がかなうように一緒に考え、サポートする専門家が、FPです。

なお、私は、誰かの今後の人生における資金計画のサポートをする人物をFPと、理解しています。

検定はありますが、もともと、誰かの資金計画として、家計や教育費用の工面、住宅ローンや税制、相続など、お金に関わる相談について、FPが独占業務としているわけではありません。

その人が信頼している人であれば、誰に相談しても良いのですが、いざお金のこととなると、家族でも話すことにためらいのある人は多いのではないかと思います。

「くらしとお金」に関する幅広い相談したいとき、国家検定であるFPを持つ人であれば、多少は信頼ができるのではないかと感じます。

2 FPを取ろうと思ったきっかけ

ユーキャンで「武器になる資格」として話題になっていたからではなく、そもそもの発端は、妻と私のお互いの実家のお金に関する懸念でした。

私の方は、親が65歳となり、年金を受給する年齢を迎えることになるため、今後を見据えて、どのように年金を取得すればよいかと、去年の夏に相談されました。

また、妻の両親からも、祖父母から引き継いだ土地について、20年後の自分たちの相続が発生したときのことを考えて、どのように兄弟で区分すべきか意見が欲しいと持ち掛けられました。

その時は、私なりに色々と調べて、妻とも話し合い、相談に乗ったり意見を述べたりしたのですが、調べるにあたって、色々と本を読んだり、法務局をはじめとした関係各所のHPを見に行ったりもして、こうした学びを忘れてしまうのは惜しい、何か形に残せないかと行きついたのがFPでした。

心情的にも、たまたまであったとしても、同じ時期に「お金と暮らし」に関わることで相談を立て続けに受けたのは、何かの縁だと思ったということもあります。

3 思い立ったが吉日

そこで、FPを取得するにあたって、何を、いつまでに取得するのか、合格したとして何をしたいかを考えました。

FPと言っても、皆に受験資格のある3級技能士から、世界にも通用するCFP(サーティファイド ファイナンシャル プランナー)まで、活躍のフィールドは様々です。

金融業界で業務をしている人などは、実務経験があるとみなされて、2級からの受験を認められているのですが、地方公務員である私は専門知識などありませんので、地道に3級から受けていくしか道はありません。

そのため、悩む必要もなく、まずは3級から受けてみることにしました。とりあえず勉強を始めてみて、面白そうだったら、上級資格も目指してみようという腹積もりでした。

3級FP技能検定について調べてみると、合格のために必要な勉強時間は80~150時間とありました。その大体の中央値である120時間を目安として、次の受験日までおよそ3カ月ありましたので、平日は一日1時間半、休日は1時間勉強をすれば、目安に届くことになります。

その日のうちに、近所の古本屋に行き、FPのテキストと2冊の問題集(2021年度と2020年度)を500円で購入して、勉強をスタートしました。

4 FP3級の勉強法

FP3級は入門編であり、誰もが取っつきにくいやすい生活に身近な内容となっています。ライフプランニングであれば、年金を受けとるタイミングはいつか?金融資産の運用であれば、債券の運用はどのような特徴があるか?タックスプランニングであれば、年収が600万円の方の配偶者控除はいくらかなど、耳にしたことがあるような内容も、テキストに多く書かれています。

勉強法に正解はないので、どのスタイルが個人に合っているかになると思います。私の場合は、テキストをサラッと読んで、概要をつかんだら、後はひたすら問題を解くやり方が性に合っており、過去の公務員試験もTOEICもすべて、テキストで学ぶスタイルよりも、ひたすら過去問を解く作業を繰り返してきました。

7月の初めから1つ目の問題集を開始しました。

平日は、通勤の1時間を使って、会社への行きと帰りで20問を解き、携帯のメモに〇×を記録しました。そして帰宅してから寝るまでに30分時間をとって、通勤時間中に間違えたところをノートに転記します。休日は、子どもが寝てから1時間、ノートに問題の回答を書いて、不正解だったところの解説を書き写しました。

休日と平日でこれを繰り返し、3週間ほどで、問題集の1冊目が終わったので、2周目に入ります。2周目に入ると、答えを覚えている個所もあるので、1日に解く問題数を増やし、2週間ほどで2周目も終えることができました。

3周目まで行くと、答えを覚えているところの方が多くなってしまい、学習の効果が薄れるので、新しい問題集に手を出します。これも1冊目の問題集と同様に、最初は20問を目安に通勤時間を主に使って勉強し、1週目が終わったら、2周目は解く問題数を増やすというスタイルは変わらずです。

2冊目の問題集の2周目を終えるころには9月になっており、試験日までおよそ3週間です。ここで、古い問題集を使っていて得た知識を最新の問題に挑戦することで、アップデートする作業に入ります。

FP技能検定1級から3級は、試験問題と回答が日本FP協会のホームページで掲載されています。この試験問題を過去3回分を1回分1週間で繰り返し解いて、今までの知識では解けなかった所を中心に学びなおします。

試験日前日は、体調を整えるために早めに就寝して、当日は、早めに試験会場について、1問1答のスマホのアプリで最後のあがきを行います。

FPの試験は、終了後に、学科・実技ともに問題を持って帰ることができるため、帰りの電車の中でツイッターの解答速報と照らし合わせて自己採点を行います。

8割以上はとれていたため、合格だろうと見越して、古本屋に寄り、2級のテキストと問題集2冊を買って帰ることにしました。

5 FP2級の勉強法

勉強したことの定着具合が良かったので、この資格と自分は合うようだと思い、上級の2級にもチャレンジすることとしました。9月の下旬から、次の試験日までは、およそ4カ月です。

2級FP技能検定は、合格のために必要な勉強時間は150~300時間と、3級の倍となります。真ん中の値をとっても220時間以上で、1カ月で55時間、1日2時間ほどの勉強が必要です。

平日はどうにかなるにしても、子ども二人を抱える身でありながら、休日2時間の勉強を4カ月続けるのは、至難の業です。少し自信を失いかけましたが、2級の問題は、難易度は高いものの内容は3級と変わりはありません。

3級と2級で大きく変わるところは、学科の回答方式が4択になること、そして、実際の相続税額の算出など、実技で計算が入り、数字で回答することです。

知識自体は3級の知識で回答が可能な部分が多いことから、必要勉強時間から、3級で勉強した分を引くことができます。新しく必要な勉強時間は、およそ150時間で、1日に直せば、3級とほぼ同じです。

そのため、1月の試験に向けた2級の勉強方法もほとんど、3級と変わりませんでした。
・最初の1週間で、テキストを通読(9月下旬)
・続く1か月半で、最初の問題集を2周する。(10月上旬~11月中旬)
・1か月半で、2冊目の問題集を2周する。(11月上旬~12月下旬)
・協会で公開している過去問を3回分繰り返しテストする。(1月上旬~)

試験の前日も当日も、3級から特に変わることなく試験を受講しました。(難易度が高かったため、見直しをする回数は減りました。)3級と同様に、回答速報を帰りの電車で確認し、学科も実技もおよそ8割ほど取れていたため、安心して家路につきました。

6 とってみて思うこと

結果として、最短で、受験料以外はほぼお金をかけずにFP2級まで取得することができました。取得できた理由を考えると、自分の得意な勉強法に合っていたように思います。

ひらめきやセンスというよりは、知識のつみ重ねによって、成果がしっかりと反映するものであるため、毎日少しずつでも勉強する自分の生活リズムにはまりました。

ただし、効率としては良くないと思います。最初に買った問題集2冊に大きく依存するため、試験に良く出るような重要なポイントが分からず、すべての項目を等しくさらって、まんべんなく知識をつけるため、それなりの時間を有します。

始めた時期が早かったことが幸いして、1日の負担が大きくならずに済みましたが、より効率的に、短い時間で勉強しなくてはならなかったのであれば、このスタイルには向かなかったと思います。

また、2級を取ったので、すぐに手に職がついた、独立しても大丈夫とも思えません。あくまで知識がついただけであり、これで稼ぐことができるかは別問題です。(2級の資格だけでは無理でしょう。)

一方で、広くお金と暮らしにかかわる勉強が、FPの検定を通して得られたのは、非常によかったと思います。今後、さらなる上級取得(1級かAFP)を目指すかは、まだ思案中です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?