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将来を見据えて行っていること

最近、気の重くなるニュースが続きます。
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少子化は進んで、働き手が少なくなる一方で、医療介護費は増加するため、税金や社会保険料は増加するようです。将来に希望が持てず、悲観したことによるものなのか、自殺者の数も2年ぶりに増加しています。

私は、今後、以下のようになるのではと想定しています。
・少子化は止まらず、高齢化は進む。
・物価や税金・社会保険料などは上がる。
・個人の負担割合は大きくなり、昇格しても所得は変わらない。
・自助努力を求められる動きが高まる。

当たらなければいいなと思いますが、昨年、「私にとっての新しい資本主義」で、これからどうやって生きていくかをまとめて、1年が経過したので、更新の意味で、今思うことをまとめてみようと思います。

1 今後の想定の背景

(1)少子高齢化は止まるのか

日本は、出生に占める嫡出でない子の割合の割合が2.3%と、諸外国に比べて極めて少なく、結婚が少なければ必然的に子どもの数も少なくなる傾向があります。
参考:R3出生に関する統計の概要

婚姻数は、内閣府が公表しているR4少子化対策白書に記載の通り、1972年に最高となった約110万組と比べて、2020年現在で約53万組と、半分以下の水準となっています。

婚姻が、これだけ減っている以上、父や母になる人が少ないため、子どもが生まれる数も少なることになります。

さらに、2021年の出生動向調査でも、「いずれ結婚するつもり」と考えている割合は減少傾向(2005年:87%→2021年:81%)にあり、「一生結婚するつもりはない」と考えている割合は増加傾向(2005年:7.1%→2021年:17.3%)にあることから、今後も婚姻数の大きな上昇は見込めません。

今後の婚姻数も上がる見込みが薄いため、急激な出生数の上昇も期待できません。このことに加えて、同じ出生動向調査に、夫婦の理想の子ども数、平均予定子ども数も漸減と記載されています。結婚した人が、ちょっと前に比べて沢山子供を持とうとすることにも期待できません。

冒頭にも上げましたが、これを裏付けるように、昨年2022年の人口動態統計(速報)によると、去年(2022年)の出生数が、速報値で統計以来初めて80万人を割りました。

政府も「危機的状況であると認識している」とコメントしていますが、1989年の合計特殊出生率(女性が一生涯に子どもを産む数)が、1.57になった「1.57ショック」から20年以上が経過しています。

それにもかかわらず、妙手がいまだにない状況を見ても、そもそもの婚姻数が20年前から減っている状況を見ても、今後も少子化は止まらないでしょう。

高齢化の傾向も変わらないでしょう。R4高齢社会白書によると、R2の実績値で65歳以上の人口は約3600万人で、15歳未満の倍以上です。人口に対する割合、高齢化率でいうと28.6%ですが、これが、2040年になると、35.3%になります。3人に一人が65歳以上です。
参考:R4高齢社会白書 https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/gaiyou/pdf/1s1s.pdf

高齢化が進むと、社会保障給付費が上がります。社会保障給付費の中で、6割以上を占める高齢者関係給付費(年金、高齢者医療、老人福祉サービス給付費)は、およそ50年前から右肩上がりで、R1の時点で、年間80兆円を超えています。これは、今、話題になっているこども家庭庁の当初予算(4.8兆円)の16倍以上、防衛関係費(6.6兆円)の12倍です

今年度中に人口問題研究所が、日本の将来推計人口を6年ぶりに更新する予定です。平成29年に公表した数値よりも、現時点で判明しているものは、さらに低位で推移していることから、喜べる結果とはならないでしょう。
参考:将来推計人口・世帯数 | 国立社会保障・人口問題研究所 (ipss.go.jp)

(2)税金や社会保険料が上がって所得は増えない

高齢化が右肩上がりである以上、社会保障給付費用も右肩上がりです。少し古い資料ですが、国が2018年に出している「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」では、2018年度の社会保障給付費が121兆円であるのに対して、2040年は188兆円と5割増しになることが想定されています。

社会保障給付費の財源は、国民の所得です。財務省が国民負担率の割合を先日公表しました。個人や企業の所得などを合わせた国民全体の所得に占める税金や社会保険料の負担の割合を国民負担率といい、2022年度は47.5%になる見込みだそうです。
参考:https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/futanritsu/20230221.html

20年前の2003年は34%であったため、20年ほどで1割以上増加しています。単純化すると、所得から引かれる割合が1割増えたということになります。例えば、月に50万円稼いでいる人は、20年前は17.5万円を税金や社会保障費で引かれて32.5万円が可処分所得だったけれども、今は、およそ半分が引かれてしまい、26万円ちょっとしか残らないことになります。

国民負担率が低減する望みも薄いです。国民負担率を低減させる方法は2つだと思います。
・国民全体の所得を上げる、または、
・社会補償給付費を減らしていく です。

所得が急に場増することはありません。少子化によって、働き手は減っていきます。前述の高齢社会白書では、働き手である15~64歳の生産年齢人口は2020年の7509万人から、2040年には5978万人に減少すると言われています。

働き手が少なくなれば、所得は減り、一人一人が負担する割合は大きくなるでしょう。

さらに、高齢化が進めば、年金、高齢者医療、老人福祉サービスを必要とする人は増えます。額の削減をするにも前途は多難です。

社会保障の削減は、政治家もなかなかタッチができません。選挙において、高齢者は全体数も投票率も高く、年金の減額を掲げては、投票を忌避されて、そもそも議員になることができないと考える人も多いでしょう。

社会保障にかかわる抜本的な改革が望めない以上、これまでと同じく、増大する社会保障費を工面するために、サラリーマンを中心に、国民負担率は徐々に上がっていくことと思われます。

追い打ちをかけるように、長らくデフレ下にいた日本が、久々のインフレに直面しています。

「実質賃金の算出に用いられる持ち家の帰属家賃を除く消費者物価指数(CPI)は1月に同5.1%上昇と、1981年5月以来の高い伸び」があったにもかかわらず、「名目賃金にあたる1人当たりの現金給与総額は同0.8%増」と、歴史的ともいえる物価の伸びに賃金上昇が追い付いていません。
参考:1月の実質賃金4.1%減、8年8カ月ぶり下落率-歴史的物価高響く (msn.com)

給料から引かれる税金や社会保険料も増え、日々の日用品にかかる費用も増大していきます。

2 なんでこうなったかを考えてみる

ある一つの属性が加害者・被害者ということはなく、それぞれに、落ち度も汲むべき点もあると思います。

国にとっても、長年の懸念であった少子化対策や社会保障給付の増加に、対応できていないという点はあります。一方で、消費税を数%上げようとしただけで、政権が倒れることがままある中で、国民の生活に大きくかかわる社会保障給付費の減額に手を付けるのは困難なのだろうとも思います。

若年層にとっても、働き手の中心として、社会保険料の増加など、大きな負担を背負って、苦しい思いをしています。しかし、20代や30代の投票率は多と比べても低く、現在も年代別の投票率は、20代は4割を切る状況であり、自分たちの意見を国に訴えてこなかった結果とも言えます。

高齢者にとっても、生産年齢人口が減少していく中で、医療費の自己負担の増加など、働き手の減少に伴う社会保障給付負担を受け入れる余地はあるのではないかと思う一方で、これまで長年働いてきた中で、急に生活の基盤が揺らがされるのは納得できないという意見にも頷くところがあります。

いずれにしても、犯人を探しても得るものはありません。今起きていることに対して、どうしていくかを考える方が重要です。

3 これからを想像して何をしているか

最初に書いた通り、私は、少子高齢化は進み続け、税金や社会保険料などの個人の負担率は大きくなると予想しています。そのために、自分が今、何をすべきかを考えたとき、自助努力を続けなければいけないと考えます。

私は、社会保険料等を納める生産年齢人口に属しますが、政治家への文句を言ったところで、事態は変わりませんし、高齢者の給付について世代間で不公平があると文句を言っても、何も得るものはありません。加えて、同世代や若年層に対して、投票へ行けと言っても煙たがられるだけでしょう。

他人の行動や国の政策は、自分がコントロールできるものではないので、そ個にエネルギーを注いでも、意味はないと考えます。自分や自分の家族を守るために、今できることをやるべきでしょう。

例えば、NISAは抜本的に改良されました。

今までは、一般NISAであれば5年、積み立てNISAであれば20年は非課税機関であったのが、無期限に延長されました。最大でも積み立てNISAの800万円(年間40万円×20年)が最高であった限度額も、年間360万円、生涯1800万円と大幅にアップされる見込みです。

少し前に、老後2000万円問題と言われていましたが、来年からは夫婦であれば合計3600万円を非課税で運用できることになります。iDeCoと合わせて制度をうまく活用していけば、将来のお金の懸念を大きく低減することができます。
参考:どこよりも早い「新NISA」の賢い使い方を教えよう | 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)

また、公務員も含め、副業についても緩和傾向にです。農業をはじめとした公共性の高いものが解禁となっており、今後も、本業に影響しなければ、この傾向が続くことが見込めます。
参考:https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/475571.html
 
加えて、民間企業に勤めている人が、逆に副業として公務員を選ぶ選択肢も出てきます。
参考:「副業に公務員どうですか」 和歌山県が兼業人材を大規模募集 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

新たな収入源としても、セカンドキャリアや新たな生きがいとしても、副業という選択肢は見過ごせないと思っています。

本業に力を入れて、給料を伸ばしていくことに加えて、これからは、NISAやiDeCoといった資産形成、副業といった複数の収入口の確保が必要になってくるのではないかと思います。

決して順風満帆ではない将来を見据え、将来の不安に対応するために、今できることは、今ある制度をよく知って、未来のために生かすすべを考えることだと思います。

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