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読書のススメ(22年上半期面白かった本の紹介)

6月になって雨が多くなり、休日に外に行く機会が少なくなったため、本を読む時間も増えてきました。今回は、読書が必要だと思う理由と上半期に読んで面白いと思った本を紹介したいと思います。

最近、本を読んでいますか?

文化庁の平成30年度の調査によると、およそ47%の人が、月に一冊も本を読んでいないそうです。参考:文化庁、平成30年度「国語に関する世論調査」の結果を公表:読書状況についても調査 | カレントアウェアネス・ポータル (ndl.go.jp)

読書しない(有益でない)と考える人の主張としては、以下の点が挙げられます。
・読書は時間を取られ、即行動したほうが得るものは大きい。
・「本を読んだ。」ということで満足してしまい行動に移さなくなる。
あとは、単純に「読む時間がない。」「お金がない。」「本屋に行かない。」ということもありそうです。

個人的には、即行動して成果を残せる人は、天才か、よほど運のいい人だと思います。天才でなければ、テストで高得点取るのに準備が必要なように、何か成果を残すためには、準備が必要です。

読書は準備となる知識の宝庫です。先人の貴重な経験や膨大な時間を費やして調査、何千年物時間をかけて蓄積された語彙など、読めば読むだけ知識が増えて成果を残すためのガソリンとなります。

加えて、読書は行動を起こすためのきっかけにもなるので、私は読書はしたほうが良いのではないかなと思います。

1 私の読書習慣

私は、平日は通勤時間の行きかえり合わせて1時間と、寝る前の30分を読書に充てています。休日は隙間隙間で1時間ほどかと思います。大体、1週間で9~10時間くらい読書しており、月に平均5冊のペースです。

読むジャンルも小説、ノンフィクション、新書、実用書と、好きな作家が書いている本、誰かに勧められた本、読んでいた本の中で推奨された本や、図書館または本屋をぶらついて面白そうだなと思った本を特にこだわりなく買ったり借りたりして読んでいます。

本棚にお気に入りの本を並べることが好きなので、紙の書籍も本屋で買って読みますし、通勤や移動の際に嵩張らないというメリットがあるので、電子書籍で購入して、携帯で読む場合もあります。

読書の目的も、以下のとおりです。
・新しい言葉や知識を得られる。
・登場人物に自分を重ね合わせて、仮想の世界を疑似体験できる。
・著名人や作者など、他人の考えを知ることができる。
ただ、一番の理由は単純に好きだからであり、リラックスしたり、ストレス解消のための手段といった面が大きいと感じます。

以上、読書って楽しいという前置きが長くなりましたが、今年の1月から6月の間で面白いと思った本を以下で紹介します。

2 上半期に面白いと思った本①(昭和史1926ー1945 半藤一利)

最近読みましたが、適度な距離感で昭和史を解説する本で大変面白かったです。

昭和史は、太平洋戦争の前後は、自分が受けてきた教育や思想信条から、戦前の日本に対して、過度に自虐的になったり、または必要以上に賛美したりと、極端に振れがちという印象があったのですが、この本は腹落ちするというか納得感がありました。

授業形式の語り口だからか、自然と頭に入ってくる感じがします。加えて、多数の意見に引かれがちになること、指導者・上層部も悪い方向に進んでいるのは分かっているけれども止められなかったこと、人の弱さが所々に垣間見えて、非常にリアルだなと感じました。

歴史は繰り返すと言われますが、今、連日ニュースで流れる日本の課題・日本人の特性に共通する事柄が所々で、この本に出てきます。

日本が再び、軍国主義化する、自由が制限される国になりそうと言いたいわけではありませんが、過去を知って、自分なりの歴史観をもっておくことは大事だなと思わせてくれる本です。

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3 上半期に面白いと思った本②(人生100年時代の年金・イデコ・NISA戦略 田村正之)

年金は、関係者(払う人ともらう人)が多い割には、仕組みも分かりづらいので、「年金破綻」など、キャッチーな言葉で踊らされ、不安になったりします。

そのため、煽る言葉に乗せられて「年金払うのを止めよう。」と思ったり、妙な金融商品に興味を持ったりといったことになる危険もあります。この本は、政府が公表している情報に基づいて、正確な情報をかみ砕いて、提示してくれます。

公的制度については、基礎年金・厚生年金などは保険である、長生きというリスクに対応するためのものであるということを明示して、将来どのくらいの年金額になるのか、破綻するリスクがないのかということを、最新の制度改正も踏まえてしっかりと説明されています。

私的保険についても、iDeCoやNISAのメリット・デメリットをしっかりと示して、余裕のある暮らしをするために、今できることは何か、行動を起こさせるようなお得な活用方法まで教示してくれます。

「年金が不安だ。」と思って、何かしようと思うのであれば、まずはこの本を読んでからでよいのではないかなと思います。
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4 上半期に面白いと思った本③(入門 考える技術・書く技術 山崎 康司)

新入社員には、特におすすめです。レポート、メール、報告書、議事録など、ビジネスや公務において書く機会は非常に多いです。

この本の基となったバーバラ・ミントの「考える技術・書く技術」もベストセラーとなったのですが、原書は当然ですが英文の考える技術・書く技術であり、そのまま日本文に当てはめると、齟齬が出てくる部分があります。

そのため、訳を担当した著者が、本のエッセンスを日本語の文章の書き方・考え方にアレンジしたものです。

「頭ではわかっていても文章に落とし込めない。」
「冒頭をどう書いたらスムーズに文章が出てくるのか。」
「そもそも、伝わりやすい構成っていったい何だろう。」など、
誰もが一度は文章を書くときに悩む事を基本から教えてくれます。

私の中でいくつかある、もう少し若いときに読んでおけば良かったと悔やむ本の一つです。原書も読むとさらに良いですが、まずは、こちらから入るとよいと思います。
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5 上半期に面白いと思った本④(ハケンアニメ! 辻村深月)

最後に小説も一つだけ紹介したいと思います。今ちょうど映画化されていたので、改めて読み返しましたが面白かった本です。

仕事をするようになって、小説の中で主人公が頑張って仕事をして奮闘する姿に、とても感情移入するようになりました。「そういうことあるよな。」とか「あーわかるわかる。」とか、自分を重ねたり寄り添って読む度合いが増えたように感じます。

そういった中でも、「好きなことを仕事にするって、どんな感じなのか?」ということは想像できませんでした。何となく、オンとオフが区別つかなくなるんじゃないか、好きだったものが嫌になるんじゃないか、など、ネガティブな印象があったのですが、この本を読むと、前向きに考えられるようになります。

誰に何を言われようとも、好きなんだし仕方がない。なんだかんだ好きなことを仕事に出来てすごい幸せと、本の登場人物、皆が皆、アニメへの愛にあふれて、まっすぐなのが少し惰性的になっている自分に刺さりました。

自分も背筋伸ばして生きようと感じる、子どもから大人まで、とらえ方は違うと思うけれども、楽しめる本だと思います。

ハケンアニメ! (マガジンハウス文庫) | 辻村 深月 |本 | 通販 - Amazon.co.jp

6 まとめ

これを書いている6月8日現在で、30冊くらい今年読んでいて、これは当たりだ面白いと思った本が、ここに載せられるだけでも4冊あり、他にもいくつかあります。

読んだ後、例えば「人生100年時代の年金・イデコ・NISA戦略」であれば、ねんきんネットに登録して自分の年金額を確認したり、国の「財政検証」を覗いて一次データにあたってみたりと、何かしらの行動につながっている本も多くあります。

小説のように、読んでストレスが減った、自然と語彙が増えていたなど、気づかないメリットも数多くあると思います。

強制されるものではありませんが、読書は良いなとつくづく感じます。

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