桃源郷
深夜に涼しい部屋で、遠いようで近くにいる誰かの声を聴いている。
言葉が好き。
好きな言葉や歌詞は声にして、
その語感や意味を反芻してしまう。
産まれてから死ぬまでに
一体どのくらいの言葉を口にするだろう。
あと何回自分の名前を声に出して告げるのか。
あと何回思いを伝えるため言葉を選ぶだろう。
I love youの綴りを、
愛している、の熱が上がりそうな言葉を
あとどれくらい口にできるだろうか。
大切な人には大切だと伝えたい。
あなたの創り出す世界が好きなのだって、惜しまずに言葉にしたい。
言葉を浪費していると、
これで良いのだろうかと俗っぽい感覚に不安になる時がある。
意味のある言葉ばかりに囲まれていたら、そのどれもがガラクタみたいに感じる日もある。
心が動いた時にこそ、
本当の言葉で素直な気持ちを表していたい。
もったいぶったりしないように、
いつだって心と繋がった確かな言葉が使えるように。
奥行きのある言葉。
流れるようなその連なりは、
現実をすり抜けてすぐ隣りにある理想郷へ連れて行ってくれる。
必要な時には必ず開く、
桃源郷の鍵になる。
そんな言葉を綴りたい。
必要な場所へ届くように、もっと洗練していきたい。
素敵な世界に触れるたび、
足元がぐらつくような感覚に支配される。
必要な時にリンクする、不思議な出会いの連なり。
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