見出し画像

#114

数日前、帰宅時の電車の中でのこと。

いつもほとんど座らない電車移動だけど、
その日はたまたま車内が空いていたので
扉のすぐ横の席に座った。

基本的にいつもイヤフォンで音楽を聴いている。
その日はたまたま何か考え事をしていたのか、
イヤフォンをつけたまま再生ボタンを押していなかった。

ぼんやりしている間に次の駅に着く。


なんとなく向かいの乗降者に目を向けていた。
降りる人は少ないけど、
乗ってくる人は多くて席はあっという間に埋まった。

発車ベルが鳴り、電車が動き出そうとする。
外の音がやんわりと遮断されると、
すぐ隣から小さな赤ちゃんの声が聞こえた。


反射的に目を向けると、
私のすぐ隣の扉横に、ベビーカーを立てかけて
赤ちゃんを抱きかかえている若いお母さんがいた。

周辺の席に視線をやると、中途半端な場所しか空いていなかった。

とっさに〝座りますか?〟と声をかけたとき、
あまりに自分の声が聞き取りにくくて、
若いお母さんも自分も ??? な顔。

ここでやっとイヤフォンの再生ボタンを押していなかったことに気がついた。

慌ててイヤフォンを外して、
もう一度〝座りますか?〟ときくと、
彼女はとても、とてもナチュラルな明るい笑顔で、

〝大丈夫です、次でおりますから〟
〝ありがとうございます〟

と言った。

その自然な明るさに、なんだかハッとしたような気持ちになって、少しだけその表情に見惚れてしまった。

あまり座らない事もあって、席を譲る機会がそもそもそんなに無い。
それに、今まで席を譲ろうとすると
次で降りる人や、立っている方が楽な人ばかりで割と断られることが多かった。


でも今回の若いお母さんの笑顔をみて、
断られるときに迷惑そうな顔をされたことはないなって気づいた。

優しい笑顔で、みんなありがとうと言ってくれた。

癖の強いお客さんや、朝のラッシュ時に混雑する駅で他人に疲弊する事だらけだったけど、
こんな風に笑顔を見せてくれる心の余裕がある人間に自分もなりたいなと感じた。

そして、結果はどうでもよくて
断られようがそうじゃなかろうが、気付いたときに親切に出来る優しさのある人間でいたい。
なるべく気づける人間にもね。


人に傷つけられても、また人に救われる。
そんな言葉があるけれど、
結果好きな人の方が多ければいいのかなと思う。

考え方も何もかもが違うから、いいことばかりじゃ無いけれど。
他人を恐れずに生きていきたいなといつも願っている。


どこに目を向けるか。
それを選ぶだけで、世界の見え方は容易く変わっていきそうだ。


今日はどんな日でしたか?
また、明日!

#25時ごろ待ちあわせ #日記 #電車 #車内 #他人 #人間




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?