#21
正午過ぎ
真っ青な空
熱せられた世界の温度
蝉の鳴き声が聞こえる
はるか彼方の夏の日には、
青さも、高さも、熱も風も原風景も
全てこの体の中にあったし、そこから幾重にも夏を塗り重ねていた。
似たような日など1日もなく、
毎日なにかに心を奪われて、1日はとても長かった。
心の中は、いつまでも変われないのかもしれない。
純水の感性、夜を纏う好奇心、美しいものがただ好きだということも。
生きるためにバランスをとろうとすれば、
それらを切り捨てたり蓋をしたりしなくてはいけない時がある。
広義な意味で、自分を全うすることだけがすべて。
それなのに、大切なものから切り売りしてしまうんだから、本当に仕様もないよ。
ねぇ、聞いてるの?自分。
そちらも蝉が鳴いていますか?
夏だね。
また明日。
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