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森と話す..

修羅場と修羅場の狭間の癒しを求める数日間‥。世間では色々な事が起きているけれど、出来れば私はそれとは無縁な時を送りたかった。

週明けの月曜日は木々との会話でスタートした。咄嗟に森へ行きたくなったのだ。
森とは言えないまでも巨木が並ぶ場所が街の数か所にあるので、その根っこに腰掛けて水を飲みながら彼らの声を聴く。そう言えばアルバムSacred Forestに着手した時も、巨木たちには本当に助けられた。

生命は全て一つに繋がっていることを、あの時教えられた。だから人であれ犬や猫であれ樹であれ、心を敏感に開け放つとそこに彼等の思いが溶け込んで、気付くと私は多くの動植物を会話が出来るようになっていた。


ねぇ‥ 今年の夏はどうしてこう、雨が降らないんだろうね‥。
すると木々は応える。
── 彼らの根っこは地中深くに伸びており、そこから僅かずつの水分を吸い上げているのだと‥。

そして私がペットボトルの水を飲み干す姿を上から見下ろしながら、「人間は自由そうで居て、本当は不自由なのですね。」と声を細めながら巨木たちが枝葉を揺らした。

私は今とても疲れているのだけど、少ししたら又気力を取り戻す。そしたらもっともっと美しい音楽を生み出さなければ‥。そんなことを思い、木々たちに伝えて行く。


想いのリレーが十数分続いた後に、「暑いからもうそろそろ行きなさい。」と巨木の一人が私にそよ風を送ってくれた。
── じゃぁ、帰るからね。

優しい優しい時間だった。




2017年6月20日 3:42 JST
by Didi. 🌲



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