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SIRUP - Keep In Touch feat. SUMIN(音楽評論)

つい先日はショパンやバッハと言う王道クラシックの音楽評論を展開していたかと思えば、今日はアジアン・ヒップホップへとジャンルの裾野を移動して行く、それが Didier Merah の音楽評論の真骨頂である。

先日から気になっていたこの曲Keep In Touch(by SIRUP) には、二人のシンガーがラインナップされている。一人は SIRUP、もう一人はお隣韓国のミューズ SUMIN である。
楽曲Keep In Touch SIRUP SUMIN 、二人の共同名義になっている。


ヒップホップだなんだかんだと言うジャンルの説明はここでは省略。としてもこの作品はなかなか秀逸であり、どこかほんのりと昭和はシティ・ポップの匂いを残した作りになっている。

そんなほんわり感を2コーラス目からいきなりぶっ壊しにかかって来る隣国の女帝 SUMIN 。1コーラス目でじんわりと聴き手の心を緩め抜いた時間が嘘のように、 SIRUP が築いた下地をあっけなくSUMIN が破壊する。

恐らく隣国・韓国の表現の特徴として、エモーションと痛覚が直結しているからではないかと私は考える。日々真っ赤な唐辛子系を食す隣国の刺激的とも言える食生活が、それを表している。

一度痛覚の扉を開けられた後は、もうそれ以前には戻れない程の全ての快感が痛覚と共にあると言える程、人の感覚は激変する。
甘くも辛くもない和食・和ものを味覚や感性の主軸とする日本人にこれをヤラれたら身も蓋もないし、ひとたまりもないだろう。特に「音楽」と言う、ともすれば言語よりも速度の速いものが痛覚を直接刺して来るようなもので襲来されたら、抵抗する意欲も削がれる。

特にこの曲Keep In Touchの根幹に在る「ヒップホップ」と言う音楽の特徴を考えると、音のアタックで人の感覚を攻めて行くような表現手法と言う観点で「痛覚」を直接刺激する隣国の表現に於いて、日本人のある種の緩さ・緩慢さは仇になる。

SUMIN はその点を完全に知り尽くした上で、リスナーの痛覚だけを滾々と刺激し攻め落として来るのだから、これに勝る凶器はないだろう(笑)。
だからと言って彼女の声質はいわば「陽だまり系」であり、けっして凶暴な歌唱法を用いて音楽表現に至っていないわけだから、結論から言えばこの SIRUP & SUMIN 自体の組み合わせは日本人の私から言わせて貰えば「失敗に終わった」と言っても過言ではない。

SUMIN は多くのアーティストのプロデュースを手掛けているが、その中でも気になったのがこの作品Tightlyだ。

K-Pop特有の甘いメロディーにソフトリーに乗ったラップ。見事としか言いようのない、完成度の高いヒップホップに仕上がっている。

一方 SIRUP の緩~い最新作が此方、Changeである。⇩


煮魚とキムチの直接対決みたいな記事になってしまったが、勿論どちらにも良さはある‥が、絶対に同じ土俵で勝負をしてはならない。特に「アジアン・ヒップホップ」と言う点に於いて隣国はまさに勝ち目のない強敵であると言うことを、最後に付け加えておきたい。

以下の動画は韓国は Zion.T SUMINコラボ作品DIRTY LOVE。痛覚+痛覚が上手く折り重なると段々と痛みを感じなくなり、もはや「体と感覚を小気味よく貫く快感だけになる」と言う、この動画は良い手本と言えるだろう。


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