カメラを「触る」

カメラの本来の役目である「写真撮影」が王道だけど、

邪道として「触る」という趣味も存在していると思う。

カメラを手にとって馴染み具合や重さを感じ、

シャッターを押して感触を楽しむ。

コレ自体、立派な趣味なのである。

どんなカメラでもその楽しみはあるけど、やはり一眼レフ、

それも手動巻き上げのフィルム機が至高のように思う。　

本体がプラスチックでなく、金属の真鍮やチタンならなお良し。

手に取った時のひんやりとした金属の質感、ずっしりとした手応え。

そして「手にどう馴染むか」。

馴染み具合はデザインによって大きく変わるので、

デザイナーの一番の腕の見せ所でもある。

各種設定ダイヤルを回し、操作感を楽しむ。

シャッターを押して音と手応え、ミラーアップの振動を愛でる。

巻き上げレバーを動かし、クランクの音を楽しむ。

フィルム機の一眼レフで写真を撮影する一連の動作だけど、

このように楽しむ点は山ほどある。

え？

「感触なんて同じだろ？同じフィルム使ってるのに」

それは甘い認識。

精密機器だからこそ、設計した人の個性が出る訳です。

色んなカメラを触ってきましたが、

一番好感触だったのはコンタックスRTSでしょうか。

ポルシェデザインでソフトレザーを貼ったボディは、

吸い付くように手に馴染みます。

故障が多いとかいろいろ悪評もありますが、

一度手に取る価値のあるカメラだと思います。