#393 バナナのたたき売りの聖地
桃鉄をやっている人ならこれがどこなのかわかると思います。
福岡県門司港。
桃鉄は「門司港駅」に怪獣タタッキーが現れ、カードがたたき売りされてしまう駅です。
では、なぜ門司港とバナナのたたき売りが関係あるのでしょうか。
台湾との関係
バナナが日本に輸入されたのは明治36年(1903)頃。
台湾の基隆(キールン)の商人が神戸に持ち込んだのがバナナ輸入の始まりです。
バナナが大量に輸入されるようになった明治41年(1908)頃の台湾は日本の統治下にあり、門司港や下関市が台湾と地理的に近く、大量に荷揚げされました。
バナナは黄色になる前の青いまま入荷され、競り売りされていました。
売買された青いバナナは、しばらく室で蒸され、黄色に熟してから市場で売り出されますが、輸送中に熟成が進みすぎたバナナや、加工中に生じた不良品(いわゆるB級品)は市場に出しても商品価値がありません。
でも、B級品をずっと持っててもしょうがないので、B級バナナはできるだけ早く換金する必要があります。
露天商などの口上で客を集めて、そこで売りさばかれたのが「バナナの叩き売り」の始まりなのです。
一度は途絶えたたたき売り
その後、戦争が激化し、バナナの輸入が途絶えたことで、叩き売りも徐々に姿を消しました。
しかし終戦後、1970年代以降に門司港の地元住民が地域おこしのひとつとしてたたき売り復活に取り組み、昭和51年(1976)に再開。
さらに、映画『男はつらいよ』にて渥美清演じる寅さんがバナナの叩き売りを習う場面があるようで、これをきっかけに全国的にバナナのたたき売りが有名になったんだそうな。
「伝統芸能」を守るべく「門司港バナナの叩き売り連合会」が叩き売りを継承しています。
今度話せる豆知識としてぜひ引き出しにしまっておいてください。
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