#305 トレードオフ
最近会社でふと話した中で印象に残っていることがあります。
不動産の査定において、一括査定サイトは「人」を送客して、その対価をもらっていること。つまり、「人」を観点においていること。
一方、弊社のように売買契約に至ったら手数料が発生する成功報酬型では、「物件」に観点を置いているということです。
改めて、送客課金型と成功報酬型の違いについて整理を。
◆送客課金型
サイトから査定依頼が届いたら、それに対して1件1万円のように、物件情報が届いたら課金される仕組みです。
◆成功報酬型
サイトから査定依頼が届き、売買契約に至ったら手数料が発生するというモデルです。
つまり、利用している不動産会社からすれば、課金のタイミングが異なるわけです。
売るかどうかわからない売主さんの情報に対して課金をするのと、売るかどうか分からない売主さんの情報に対して課金がされないのだと、どちらの方を選びますか?
売却物件の情報が全て
不動産会社は、不動産の売却を検討している人の情報をいつでも求めています。
その売主さんと媒介契約を結んで、売買契約が成立すれば、仲介手数料を得ることができるからです。
例えば、一括査定サイトで情報を得るために、1件1万円の対価を支払った場合、そこから売買契約に至り、仲介手数料を90万円得ることができれば、89万円の利益を生むことができます。
しかし、1件だけの情報が実を結ぶ確率は低いので、大体10~20件を査定して1件実を結ぶかどうかという確率です。
実際に使っていた当時は、25件査定をしても1件も繋がらなかったこともあります。
繋がらなかった要因としては、
・他社に依頼をすることになったから
・金額を知りたいだけだから売る気はない
・ひやかし
があげられます。
売主さんが査定依頼をする背景にもよりますが、売り物件の情報を得ることはシビアであり、ライバルが多いと言うことです。
その物件情報に対して毎回課金をして、査定をしていくのが合理的なのか、弊社のように、売買契約に至った際にのみ手数料が発生する方が合理的なのか。
また、どちらの方が、登場人物全員がWINになれるサービス形態なのか。
業界を変えるということ
長らく、反響課金型のサービスが根付いたこともあり、それが慣習になっています。
つまり、成果報酬型のサービスはまだまだ目新しく、定着していくには少し時間がかかると思っています。
しかし、利用いただいている不動産会社から聞く声は「こういうサービスを待っていた」がほとんどでした。
その言葉から我々が描くものは、売主さんに対しても、利用する不動産会社に対しても最高のUXを提供できる自信につながっています。
人間は、新しい変化を嫌います。
今まで通りのやり方、サービスがコンフォートゾーンに定着しているから、その領域に踏み入られるのが嫌だからです。
特に不動産業界では昔の慣習が根強く残っており、新しい風を吹かせることが困難な業界だとも言われています。
参入障壁が高い業界において、その壁をクリアするこができれば、他社にも真似をできない領域までたどり着いているということです。
しかし、悩みの種は尽きません。
明日はその悩みについてすこし吐き出す感じでまとめてみたいと思います。
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