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オーバーツーリズム対策にワーケーションはいかがでしょうか

最近「オーバーツーリズム」というワードを聞くようになりましたが、オーバーツーリズムご存知でしょうか。

特定の観光地において、訪問客の著しい増加等が、地域住民の生活や自然環境、景観等に対して受忍限度を超える負の影響をもたらしたり、観光客の満足度を著しく低下させるような状況。

JTB総合研究所より

ざっくり言うと観光地混みすぎ問題

確かにこれ感じます。
昨年の9月に八戸にワーケーションに行った時にホテルやたら高くて、「何事?」と思って調べたら自衛隊基地のある三沢市で「三沢基地航空祭」をやっていました。全然知らなかったのですが、界隈では非常に人気で今年はなんと7万人もの人が訪れたそうです。自分が行ったのは昨年なんですが、それでも八戸でホテルは3倍ぐらいの金額になり、青森市でもかなり高騰していました。地方ではホテルの数や輸送機関のキャパも小さいためすぐにパンクします。

ホテルを転々とした青森でのワーケーション、、

特定のイベント時はある程度仕方ないと思いますが、これに近いことが発生するのが困るという話ですね。たしかにあのレベルとなると普通の出張はおろか、地元の人の移動もままならないのかもしれません。

個人的にはこの問題への解決方法の一つにはワーケーションを積極誘致するのがいいのではと思っています。そう思う理由をいくつか挙げたいと思います。


ワーケーションがオーバーツーリズム対策にいい理由

オーバーツーリズムの1番の問題は瞬間的な過剰状態にあると思います。ワーケーションは基本やや長期的に滞在することが多いので(自分に限った話かもしれないのですが、、)分散が効きやすいという特徴があります。

ここからはさらに踏み込んでポイントを絞って考えてみたいと思います。


その1 平日の稼働が増える

旅行の場合、多くの方のお休みは連休や週末なのでどうしても観光地は休みの日に集中してしまいます。その点、ワーケーションは働くことが前提なので、平日を積極的に利用できます。つまり集客が分散できます。

平日なので人が写り込まないモアイが撮れました (サンメッセ日南)

今までの平日にいろいろなところを行きましたが、どこもかなり快適に利用できました。予約も取りやすい。心なしか余裕があるため接客も丁寧な気がします。忙しい時というのはピリピリしますからね。相手に与える印象も違ってくる気がします。自分の場合、なんならワーケーション中はちょっと混んでたら明日にしようとかその中でもさらに分散させたりしています。


その2 新たな魅力を発見できる

旅行は限られた時間でたくさんの場所を回るためかなり綿密なプランを組み立てないとスムーズに周ることができません。何時にどこで何して、何を食べて、次にここに行って、、プランを組むのも大変だと思いますが、なにより窮屈じゃないですか?そして疲れませんか?

その点ワーケーションなら時間に余裕があるのでかなり行きあたりばったりで行けます。土地勘のない場所を調べるのはかなり難易度が高いです。その点ワーケーションでは行ってから調べたらいいやぐらいのふわっとした感じで行っても大丈夫。街を歩けば勝手に興味深いものが飛び込んできます。そしてみんな親切でワーケーションで来た(長期滞在)と言うとみんな親切に教えてくれます。観光案内所、コワーキングスペース、宿泊施設や飲食店の店員さん、雀荘で同卓したお客さん。その行為自体がコミュニケーションとしてそもそも楽しかったりするので苦でもなんでもありません。

宮崎のスナック街 ニシタチのスナックを案内してくれるスナックは
コワーキングスペースの方に教えてもらいました

そうして得た情報は観光雑誌などにはあまり載っていないような地元の人だけが通うマニアックな場所だったりします。つまりあんまり混雑していない。オーバーツーリズムもなんのその。自分だけのオリジナルプランで旅することができます。


その3 受け入れ施設が整う

喜多方の朝ラーの行列

平日の稼働が増えると需要全体が上がるので受け入れ施設が整います。施設とは例えば輸送機関やレンタカー、店舗数など。そうすることで分散が効き、過剰な混雑が減る可能性があります。

自分がイベント屋なので分かりますが、混雑している時だけの仮設のものを作るのはものすごくお金がかかります。コスパ激悪です。なので地方の施設は基本ピークタイムに合わせて作られていません。いいとこピークの5割程度のキャパでしょう。となると行列やキャパオーバーは必然でしょう。

ですが、ワーケーションする人が増えてアベレージが見込めれば施設を増設しようとか、新規で作ろうとかいう話もでるかもしれません。稼働が見込めるのであれば常設設備を作った方が割安と考えるようになります。

余談ですが、、
地方創生にイベントを企画しようという話はよく出ると思うのですが、正直いいとは思えません。実際自分も何回か地方の企画に関わったことがあるのですが、昔からオーバーツーリズムが気になって総合的にいいプランができた試しがありません。結局東京物が乗り込んできて東京の人間が儲けて帰るみたいな構図も嫌いです。インスタ映えするスポットを適当に作ったり、おしゃれな映像を作って多額の請求をするようなプランも嫌いです。こういう企画は面白い企画がいいのではなく、その地域の事情にマッチした企画が求められていることに東京の大多数の人たちは気づいていないような気がします。


その4 配慮の気持ちが芽生える

旅の恥はかき捨てという不名誉なことがあるように、単純な旅行と考えると二度とこの地に来ることはないから適当でいいやという気持ちになりがちです。そんな感覚から観光地はポイ捨てやマナ悪などが多発している気がします。これが来る人が多いとさらに加速します。赤信号みんなで渡れば怖くない理論ですね。これもオーバーツーリズムの問題の一つかと思います。

ワーケーションだと滞在期間が長いため感覚は日常に近い状態となります。旅感がちょっと薄くなる。その土地は自分が住んでいる場所のような感覚になります。

そして、衣食住+職が必要となるため沢山の人との接点が生まれます。宿泊施設の店員さん、お気に入りの飲食店、よく行く飲み屋、コワーキングスペースのスタッフさん、雀荘の店員さん等々。やっぱり繋がりができればできるほど周りの目も気になり、自然とマナーが良くなる気がします。

宮崎のコワーキングスペース KIW MIYAZAKI TRUNK00  

そして何よりこれなんですが、ワーケーションで滞在するとだいたいその土地のことが好きになるんですよね。

好きな場所は汚したくない、悪く思われたくない、役に立ちたい、そんな心理も働きます。そうすることで思いやり、配慮の気持ちが芽生えます。好きになりすぎて移住を検討する人も結構いるそうですね。移住は好きの延長線上にある気がします。

ちなみに自分は宮崎が気に入りすぎて、滞在中に即ふるさと納税しました笑 単純接触の効果は絶大です。ポイ捨てどころかゴミ拾いをしたいぐらいです。人間そんなもんですよ。

いくつか理由を挙げてみましたがいかがですか?
なんかワーケーション効果がありそうな気がしませんか?


一般の観光客より経済効果が高い

自分は旅行界隈の人間ではないので実際のところどうなのかは分かりませんが、素人目線ではオーバーツーリズムを回避して、さらに関係人口増加にもつながる素晴らしい施策なのではと思っています。

個人的には一般の観光客より経済効果が高いと思うのですが、その割にみんなあまり誘致に積極的じゃないなという気がしています。

・土日祝を外した平日に長期滞在
・食事、観光の利用回数が多い
・情報収集力が高く、その地域の魅力を能動的に発掘
・関係人口増加につながる(スキルを持つ人が多い)
・情報発信力が高い人が比較的多い(ITやPCスキルを持つ人が多い)

誘致の価値を考えるとこんなところでしょうか。

メリットだらけですね。こう考えるともっとワーケーション誘致を積極的にしてもいいと思うのですがどうなんでしょう。普通の観光客より単純に考えてもお金をたくさん落としてくれるだけでも効果が大きいと思います。ガラガラの平日の宿泊施設や観光地を利用するのもきっと嬉しいですよね。他にも副次的な効果も期待できそうな気がします。その割には実はどの地域もワーケーション誘致は案外消極的です。

オーバーツーリズムで悩まれている地方の方、対策とセットでワーケーション誘致も検討されてみてはいかがでしょうか?


まとめ

自分もワーケーションでたくさんの場所に行くことで地方の問題は気になっていました。オーバーツーリズムもその一つです。浅はかな考えではありますが、自分が楽しんでいるワーケーションという考え方がその対策につながるのではと常々考えていたので今回こんな記事を書いてみました。楽しみながら自分の好きな土地のお役に立てるなら最高だなと思っています。

実際平日にワーケーションしていると、地方の施設はガラガラすぎて心配になります。実際八戸で行った映画館は自分一人しかおらず、その翌月に閉館となってしまいました。

フォーラム八戸でさかなのこを見ました!

地方都市の人口減少も深刻な問題ですよね。せっかくその土地に興味を持ってくれた方には気持ちよく楽しんでもらいたいものです。個人的にはワーケーションはその起爆剤になるんじゃないかと期待しています。

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