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運動しても痩せないのはなぜか

皆さんは自分のバイブルをお持ちだろうか?私はこの本を読んで大学院に行くことに決めた。人生を変える一冊というものが、少なくとも私には現実にあったのだ。
この本には初学者にもわかりやすく、「代謝」とは何かが書かれている。
本のタイトルにもある「運動しても痩せない」のはなぜだろう?


脂肪のエネルギーはニトログリセリンの5倍以上!?

ダイエットの宿敵である脂肪。その正体は超高密度エネルギー体なのだ。約30gに255キロカロリーを詰め込んでいる。つまりジェット燃料と同程度だ。いつ爆発してもおかしくない。しかし安心してほしい。脂肪は人体では「ゆっくり」としか分解されない。しかしダイエットにおいてこの「ゆっくり」が最大の問題となる。


苦しい運動だと、脂肪は使えない

「もうすでに薄着の季節だ。Tシャツを着るとお腹が目立つ。さぁ痩せよう。」

この一連の思考パターンを何回も繰り返してきた中年層にぜひ伝えたいことがある。

【骨格筋の脂肪酸酸化速度は運動強度の増加とともに亢進するが、最大酸素摂取量の65%を超える強度だと漸減する。】(論文参照)

どういうことかと言うと、運動により脂肪は消費される。これは間違いない事実だ。しかし運動が激しいと脂肪より使いやすい糖質を使ってしまうという特性が我々にはある。なぜなら脂肪は「ゆっくり」としか分解されないからだ。


体は慣れていく。

こんな経験をしたことはないだろうか?筋トレでもジョギングでもいい。最初の数ヶ月は大きな成果を得るが、だんだんとその恩恵を受けなくなるという苦い経験。
これはあなたの体がその「運動する状況」に慣れてしまったからだ。
日本には継続は力なりという素晴らしい諺がある。私も好きな言葉だ。しかしその継続があなたの代謝を低下させていると聞いたら、あなたはどう思うだろうか?


この本では先住民族であるハッザ族について書かれている。詳細はぜひ本書を読んでもらいたい。ここでは結論だけ簡潔に説明すると、先住民のような過酷な生活(車もなければスーパーマケットもない)をしている人たちと、先進国で生活している我々の間に1日のカロリー消費量に大きな差が認められなかったのだ。その原因は体の慣れである。過酷な環境に体が適応し、エネルギーの消費量を抑える仕組みが我々に備わっているのだ。


それでも運動は大事。

「じゃあ運動しなくていいのか!?」という声が聞こえてくるが、結論からいうと運動はしたほうがいい。というかするべきだ。筋トレやジョギングにはここでは書ききれないくらいのメリットがある。私たちは痩せるために生きているのではない。(ダイエッターには怒られそうだが…)ただ、運動で痩せようとするのはやめたほうがいいかもしれない。まずは食生活を見直す。睡眠をしっかりとる。ほどほど動く。これに尽きるのだ。

内容が面白いと思った方は、ぜひこの本を手に取って読んでほしい。きっと代謝の面白さがもっともっとわかるはずだ。




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