NETFLIX 『攻殻機動隊 SAC_2045』 〜3日目〜

 こんにちは.医学生タカと申します.毎日テーマを決めて,1200字以内の日記を書いております.本日3日目のテーマは,『攻殻機動隊 SAC_2045』です.

 攻殻機動隊 SAC_2045はNETFLIXにて2020年4月23日より公開されている同シリーズ初の3DCGアニメで,S.A.C.シリーズを手がけた神山健治と映画『APPLESEED』を手掛けた荒牧伸志のダブル監督で制作されています.SACシリーズとは,2002年から2006年に公開された攻殻機動隊 Stand Alone Complexシリーズのことで,今回のSAC_2045はその完全続編となっています.

 私は,攻殻機動隊の大ファンでして,ほぼ全ての作品に目を通しています.ですから,今回の当然楽しみだったわけですが,1つだけ懸念がありました.それは完全3DCGという点です.アニメの3DCGというと,動作が機械的でもっさりとした印象があり,違和感に気を取られてしまいあまり楽しめたことがありません.今回もそうなのではないかと恐る恐る再生してみたのですが,良い意味で期待を裏切られました.まるで,トイストーリーなどのディズニーアニメのようにヌルヌルと動き違和感のない作品に仕上げられており,またタチコマなどのロボットや戦闘シーンなどの表現もSF映画さながらのクオリティでした.それだけでも視聴する価値は高いと思います.

 さて,攻殻機動隊シリーズの舞台は21世紀の日本,技術の進歩により,中枢神経のニューロンにデバイスを接続し拡張機能を持たせる「電脳化」技術や様々なサイボーグ技術が確立された世界で,公安9課なる組織がテロや暗殺,汚職などの犯罪を解決していくというSFサスペンスとなっています.

 攻殻機動隊を語る上で外してはならない概念が「ゴースト」と呼ばれるものです.ゴーストとは、機械とサイボーグ(義体化し機械に近づいた人間)の差が縮まってきた社会において、人間と機械を分ける、人を人たらしめる魂のようなもので,アンドロイドとサイボーグ(義体化した人間)の違いはこのゴーストの有無だとされています.

 では、ゴーストを持っていると見えてしまったロボットはどうでしょうか.いわゆるチューリングテストですね.人間のような振る舞い、考え方をし、意識を持っているかのようなロボットが出てきてもおかしくありません.我々が他人のましてや自分の意識を証明できないように、そのロボットに意識の有無を証明することはできません.それを意識のあるもの、ゴーストを有するものとして認識するのなら、それとどう付き合うべきなのか.ありがちなテーマかもしれませんが,これも攻殻機動隊の根底に流れるテーマの一つです.

 同じようなテーマを取り扱う作品は多数ありますが,攻殻機動隊シリーズは特におすすめの作品です.ぜひお時間あるときに前作からご覧になることをおすすめします.

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