「日本の論点2023-2024」を読んで④

以下の記事の続きです。

新・世界一の富豪ベルナールアルノーとイーロンマスクの違い

マスク氏は過激な言動で、すぐに敵をつくってしまう。端的に表れたのは、ツイッター(2023年4月からXに改称)の買収だ。2022年4月に筆頭株主になり、いったん当時の経営陣と買収の合意に達したが、7月に撤回した。その後、すったもんだの末に10月に買収が完了した。同時に経営陣をクビにして、従業員も次々に解雇した。

大前 研一. 日本の論点2024-2025 (p.189). 株式会社プレジデント社. Kindle 版.

イーロンマスクの発言や考え方について支持はできませんが、奇人、変人が少ない日本でも、こういう人が出てくると社会にダイナミクスが生まれてより面白くなりそうです。
イーロンマスクが、新しい事業をいくつも作っているのは本当にすごいです。
会社に寝泊まりして凄まじい時間を働いて、それについて来れない従業員を解雇するということを聞いたことがあります。ワークライフバランスとは逆行することをしていいます。

人材の流動性という意味では日本と比べて米国ではダイナミクスがあるのが興味深いです。GAFAも一時期大量に解雇をしていました。それによって、新しい産業ができている側面があるのは間違いないでしょう。
必死で働いて大きく稼ぎたい人と、そうでない人でアメリカの場合は大きな差が出ます。一方で、日本では目に見えた給料の差は出ません。しかし、10年も経つとそうも言ってられなくなるはずです。外資系企業も増えたり、採用難でリーダー人材が雇用できなかったり、人材の流動性が上がったりという状況が出てきそうです。日本企業も内部留保を吐き出さざるおえない状態
になるでしょう。

代わってトップに立ったベルナール・アルノー氏は、イーロン・マスク氏と対照的な思慮深い経営者だ。

アルノー氏は、私たちに買収戦略の要諦を教えてくれた。 「私たちにできるのは経営であり、クリエイティブではありません。逆に優れたクリエイティブを有するブランドは、経営を苦手としている会社が多い。そうした会社を買収して、その日のうちに財務・経理を送り込んでお金の流れを押さえます。しかし、クリエイティブにはタッチしません」

大前 研一. 日本の論点2024-2025 (p.191). 株式会社プレジデント社. Kindle 版.

考え方が非常に興味深いです。お金の流れを押さえることが、逆にクリエイティブな人材が自由に働けるような環境を作ることになるのかもしれません。ビジネスに繋がるクリエイティブを作る、あるいは作られたクリエイティブをお金に効率よく変えていく、無駄をなくすといったことをしているのでしょうか。この辺りは、日本企業も参考にできることがありそうです。

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