「日本の論点2024-2025」を読んで①

以下の本を読みました。

様々な角度から日本の論点を説明しています。日本社会、経済の問題点について理解が深まりました。
本書を通して、学んだことは以下です。

少子高齢化が進み、新しい産業も育っていない日本は世界に取り残されつつある。経済成長をさせて、国際社会でプレゼンスを上げていかないと衰退の一途を辿ってしまう。一方で、過去の歴史の中で形作れた文化資産もある。他国にはないユニークさを活かして、観光産業を発展させることは生き残り戦略として非常に重要である。加えて、混迷を極める世界情勢で安全保障や外交戦略をどう舵取りしていくかも、最も重要な事項である。

総裁選が今まさに進んでいますが、リーダーシップを発揮して日本経済と外交をハンドリングできる人が求められているのだなと理解が深まりました。

voicyで以下を聞いたときに、衆議院議員の細野さんが「外交」を重視していると言っていました。その時はなぜ外交なのかがいまいちピンときていませんでした。

しかし、本書を読んで日本と世界の状況を並べてみたときに、経済政策と同様に外交も最重要であることが理解できました。

まずは国内の論点から、学んだことについて詳細を説明します。

「観光立国」について

ただ、それでも日本が持つ観光ポテンシャルをフル活用しているとは言い難い。コロナ禍前の2019年の訪日外国人旅行者数は3188万人だった。政府はこれを「2030年までに6000万人に引き上げる」としている。一方、世界の外国人旅行者数で1~2位のフランスやスペインは8000万~9000万人規模である。日本の観光資源は、それらの国々にけっして劣らない。外国人旅行者数で世界トップクラスに並ぶポテンシャルは十分にある。

大前 研一. 日本の論点2024-2025 (p.12). 株式会社プレジデント社. Kindle 版.

観光資源の活用について、どれくらいの規模感を目指すべきなのか、定量的に説明されるとイメージがつきやすいです。観光収入でGDPの10%程度を稼げるのではとのことです。
日本国内では、これから間違いなく伸びる産業ですね。

では、観光大国になるためには何が必要なのか。フランスやスペイン、イタリアといったヨーロッパの観光大国は、3つの条件を満たしている。それは「安全性」「交通の便」「食と宿」だ。

大前 研一. 日本の論点2024-2025 (p.12). 株式会社プレジデント社. Kindle 版.

安全性は抜群に良い一方で、交通の便、食と宿は改善の余地がありそうです。しかし、交通の便はライドシェアを解禁すれば解決する話かと思います。また、食と宿は日本が得意とする分野ではないでしょうか。富裕層向けの宿がないなど問題があるようですが、それを運営する人材は国内にいるのではないでしょうか。
一方で、いいサービスを作るにはその体験をする必要があります。サービス提供者側になる人は、デフレマインドを捨てて、良い食事と宿にお金をどんどん使った方が良いですね。

「大学10兆円」ファンドについて

日本も、ビジネスマッチングを促進し、起業を増やすためには「出会い」に注力すべきだ。偶然の出会いは、起業家や研究者が集う大学や研究所、彼らが暮らす住居、ぶらぶら歩くボードウオーク(板張りの遊歩道)で起こる。

大前 研一. 日本の論点2024-2025 (p.69). 株式会社プレジデント社. Kindle 版.

スタンフォード大学など起業家を多数輩出している企業では、偶然の出会いを大学で起こすように設計しているのが非常に興味深かったです。
一般的な日本の大学では、学内で何かをすることを奨励している「空気」があるように思います。
大学でサークルやゼミに入るのが当たり前で、そこにいないと「仲間はずれ」にされる「空気」があります。
でも、世間、人の目を気にせずに自分のやりたいことをやる方がより楽しいです。
また、何かやろうとする時に、誰かが起点になる必要があります。
起点になることについては、以下の記事が勉強になりました。

個人としては、「空気」は読み過ぎにず、ガンガン自分のやりたいことをやっていくと良いですね。その上で、ビジネスマッチングのような場も活用して行くのが大事かなと思います。

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