見出し画像

四つの基本

こんにちは。
この記事では、DiaCircleが四円流としてまとめている催眠、誘導の技術・技法に関係した、その中心となる4つの基本的な概念を紹介し、これらについて簡単にお話したいと思います。

この記事の内容は、すぐに催眠誘導の技術や催眠のかけ方の改良などには結び付かないかもしれません。
しかし、僕が経験と勉強を通して重要だと思っているものをまとめています。
どこかできっとお役に立つと思いますので、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

四つの基本

四円流は、DiaCircleの言語・非言語催眠、気功などを用いた総合的アプローチの催眠技術を体系的にまとめたものです。
その中で、基本となる4つの概念は次です:

  1. 呼吸

  2. 弛緩

  3. 想像

  4. 相互作用

ここで、1, 2は術者側が主に自身に対して行うこと、3は被験者に対して術者が行うこと、そして4は術者と被験者の間で行われるもの、となっています。

それでは、以下でそれぞれについてみていきましょう。

1. 呼吸

まず最初は呼吸です。
これは、2の弛緩にもつながりますが、呼吸によって緊張を取ったりすると同時に、被験者の観察やアプローチに集中できる精神状態を作ることが目的です。
また、呼吸を通して自身を催眠に適した状態へ誘導することで、誘導を効果的に行うこともできるようになります。

呼吸としては、例えば以下のような調息法の呼吸などを僕はよく用います。

調息法
口を開いて、体の空気を出し切るように大きく息を吐き出します。
そして、鼻から静かに息を吸い、吸いきったら、息を飲むように一瞬息を止めます。(息を飲みこんで、身体中に回すイメージ。)
そして、吸った息を口を開いて吐き出し、この呼吸を3回行います。

2. 弛緩

呼吸を整えた後に、次は身体の弛緩を行います。
催眠は術者の言葉の世界を被験者に楽しんでもらうという側面があります。
このような目の前の物理的な世界ではない世界に臨場感を感じてもらうには、物理的なフィードバックである緊張を取り、身体を弛緩させることが重要です。

例えば、本を読んだり、映画を見て楽しむ際には、なるべくリラックスした状態で作品世界へ没入しようとすると思います。
まさしくこれと同じことを狙っているのです。

弛緩(あるいは要らない緊張を取ること)は被験者にしっかりとしてもらう必要もありますが、術者も行うことが有効です。
これは4の相互作用にも関係しますが、基本的に術者の状態・雰囲気は被験者へ伝わります。
なので、相手にリラックスしてもらいたいならば、まずはあなた自身がしっかりとリラックスする、というのが重要です。

3. 想像

次に、実際に術をかけたり、現象を起こす際に特に重要になる想像です。
これは、いろいろな意味が含まれているので、全てをここで語ることは避けますが、例えば次のようなものが想像として重要であると僕は考えています。

  • 被験者が何を感じているのか

  • 術を行う際、被験者が何を考えるか、感じるか

もちろん、最初のうちはこれらに意識をはらうのは難しいかもしれません。
しかし、アプローチに慣れてきて、余裕ができた際に、これらに意識を向けて想像をはたらかせることで、例えば被験者にとってひっかかりのない自然な誘導文や暗示文を言うことができるようになってくると思います。

4. 相互作用

相互作用、interaction、とは「互いに働きかけ、影響を及ぼすこと」を言います。
例えば、自分の弛緩や緊張が相手に伝わることは、まさしくこの相互作用です。
あるいは、かける言葉やアプローチを、被験者の反応や雰囲気から得られる情報から適宜変えていくことも相互作用です。

催眠のセッションは術者から被験者へ一方的に行うものではありません。
常に、互いに働きかけあいを行い、反応を観察し、次の手を打っていきます。
この点をしっかり意識することで、振舞いやアプローチはさらに洗練され、1~3までの基本がより効果を発揮するようになってくると思います。

最後に

この記事では、僕が重要で基本的だと思っている四つの概念について述べてきました。
実際、僕が術をかけるときにこれらのことはしっかりと意識していますし、今でもこれらの基本から学びや新たな発見があります。

催眠のアプローチには色々なものがありますし、技法や術、技については人それぞれですが、この記事の内容が少しでもお役にたてばとても嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?