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南風からのメッセージ|ヤンバルの玄関に腰掛けて


先日、大好きな沖縄の祖父の家へ帰った。
前回の帰省は5年ほど前になるだろうか。

祖父の家は、昔ながらの沖縄の古民家。
そこに祖父自身が手を加えて改造されているけれど部屋の真ん中にある大きな仏壇は所謂、the沖縄のお家だった。


90代の人暮らしではどうしても部屋の掃除などは大変になる。
加えてやんばるの大自然に囲まれた家には外からの来客も多かった。

室内で聞こえるヤモリの声。
けっけっけっけ

気温がまだ低かったから、黒い素早い虫に出会うことは幸いなかったが、虫には苦手意識しかないというかほぼ恐怖症状態の私にとって
当初はソワソワが止まらなかった。


滞在初日は虫への不安から1、2時間おきに目が覚める。
2日目の夜は睡眠不足と疲労からしっかり眠れた。
そして3日目。


母親と室内の雑巾がけ終わらせて、おやつの時間
軒先に腰を下ろし海を眺めながらさんぴん茶を啜った。
その時沸き起こって気持ちは


「こんな所で生活したいな」


やんばるでの暮らしは普段の生活よりも外側だけ見ると整った環境では決してない。

交通の便だってバスは1時間に1本だし、基本的に車が主。都会のように少し歩けばなんでも揃う環境では無いけれど

そこには生活のスケールの大きさを感じた


言うなれば、ベットの周りに何もかも用意して一日動かないで済む状況が都会だとしたら
ー都会には都会の良さはもちろん理解していますー
やんばるでの暮らしは手足を使い、時間を使って生活をしているような。
ほぼ脱デジタルで現実的な時間の流れ方は


普段の日常にはない"大きさ・豊かさ"を感じた。


満たされていた時間


そこには確実に
生きてる実感と生きてる言葉が広がるように思えた。


私はこの感じを忘れずに居たい。
たった5日の滞在だったけれど、その非日常がもたらしてくれたメッセージを心に刻んで。


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この記事、実は3月ごろに書いて下書きで残っていたもの。
梅雨疲れで腐した心にあの時の気持ちが癒しをもたらしてくれた。
先週から、思考に頭が占領されて嫌なことばかりが頭を巡る。

そんな休日の今日は、何もしないことに徹する日にした。
食事以外は布団の上で大好きなドラァグクイーンさんのYouTubeを観て
楽しさと笑いとそして自己表現の素晴らしさに思いを馳せる。

ふと割り込んでくる”せねばならぬ”の思考はことごとく受け流して
ポジティブな感情で満たされた私はふとnoteを開いていた。

そしてたまたま見た過去の記事に
沖縄で抱いた泰然とした気持ちを思い出す。
つらつらと動かしてしまう指。
腐した心は時間をかけて腐葉土になればいい。

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