見出し画像

岡崎市和食レストラン魚信さん、コロナ後の経営奮闘物語〜その8(6月19日)


前回の続きでございます。

会社も53年、自分も53歳でしょ。色々やってきたところに、この緊急事態でしょ。コロナが良い転機をくれたのかな、とも思います。

 50代が人生の転機、という先人は少なくありません。

 孔子は「五十而知天命」と言いました。

 この「知命」とは「天命を知る」の意ですが、それは「おれの天命はどこにある」と未知の分野や未来の方向にキョロキョロ探すものではなくて、おのが来し方に蓄えてきた知的財産の中にすでに存在しているもの、と歴史小説家の童門冬二さんは「50歳からの勉強法」の中でおっしゃっています。

 会社で言えば、自社がこれまでに実施し、蓄えてきた技術・能力など実践の中にある「智慧」、そして、その智慧のもとにある企業の「価値観」「世界観」「ビジョン」の中にすでに存在しています。いきなり、商品を「花形」「金のなる木」を見つけにくいと感じたら、世界観から「やりたい分野」を考えてみてはどうでしょうか。

前に言ってたよね。「そもそも魚信では、どんな世界を実現しようと思ってたの?」って質問。あれを考え始めて、そもそもどういう世界を作っていきたいか、と考えたわけ。西田個人ではなくて「魚信」の世界観。魚信がこれまでやってきたことで表現してきた世界観、ビジョンってなんなのか、を考えていたら、「幸せな家族の笑顔」「皆家族」というイメージが出てきました。

 岡崎市に住む38万の市民全員を仲間、家族と考える。「皆家族」。「幸せな家族の笑顔」いいですね。笑顔溢れる会席での姿。家族全員で喜び合う席を魚信が演出する。演出家は表に出ないでこっそり舞台袖から演者と客席の反響を感じる、と言います。西田さんご自身も息子の京介さん、女将さんのけい子さんを前面に押し立てて、自分は舞台袖であるキッチンからお店全体を俯瞰されている。社長とは、演出家のような存在なのかもしれませんね。

 そんな世界観が西田社長の心の奥底で願っていた、本当に実現したい世界観なのかもしれません。

 さあ、その世界観を実現するにあたり、やらないこと、やるべきことを方向付けして、具体的に事業やメニューに展開していく、としたら、どう考えていくのでしょうか。

(続く)

サポートもお願いします。取材費やテストマーケなどに活用させていただき、より良い内容にしていきます。ご協力感謝!