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7月2日 Reality Test of Business Assumptions 事業の定義と時代の変化

#ドラッカー #365の金言
#7月2日  のテーマは

#Reality_Test_of_Business_Assumptions

#事業の定義と時代の変化

今日の金言は・・・

#経営環境#使命#中核的能力のそれぞれが現実に適合しなければならない


 事業の定義においては、経営環境、使命、中核的能力のそれぞれが、現実に適合しなければならない。
 1920年代のはじめ、まさにイギリス社会の階級構造が揺さぶれつつあったとき、マンチェスター出身のサイモン・マークスと3人の義理の兄弟たちが、彼らの安売り店マークス・アンド・スペンサーを社会変革の担い手にすべく一歩を踏み出した。高品質でありながら高価でないランジェリー、ブラウス、ストッキングなどの商品を購入する新たな消費者が、当時、大量に生まれていた。
 続いて同社は、前例のない中核的能力を手に入れるべく、次の一歩を踏み出した。それまで小売業にとって、中核的能力とは買いつけ能力だった。しかし同社は、顧客を知っているのはメーカーではなく自分たち小売であるとした。自ら商品の設計と開発を行ない、設計、仕様、コストに合う商品がつくれるメーカーを探した。
 小売の下請けになることなど夢にも思っていなかったメーカーに対し、この新しい自分たちの事業の定義を受け入れてもらうには5年から8年を要した。

(『未来への決断』)


ACTION POINT

#マークス・アンド・スペンサーが事業の定義とした経営環境#使命#中核的能力がいかなるものかをもう一度考えてください

 今日のテキストは、昨日の続き。『未来への決断』(1995年)1章 事業の定義 4つの条件 35〜36ページより。

事業定義を定めるためには3つの前提がある、とドラッカー。
その3つとは
1、経営環境
2、組織の使命
3、2を達成するために必要な中核的な卓越性

マーク&スペンサー社は、

1、経営環境=1930年ごろ、ランジェリー、ブラウス、ストッキングのような、品質とセンスがよく、しかも安い商品を購入する新たな買い手(市場)が生み出されていると気づいた。

2、組織の使命=所得階層にとらわれない最初の小売業になることで、階級社会であるイギリス社会の変革を担うことが当社の使命である、と定めた。

3、2を達成するために必要な中核的な卓越性=それまでは小売業は、商品買付能力であると考えていたのに対して、同社は、顧客のこと、顧客ニーズの知識であると考え、商人である自分達が顧客が欲しくなる製品を特定し、設計開発する能力を自社の卓越した能力と定義した。

この3つの定義を組織全体に周知徹底させて、規律化にまで高める。さらに、これらの定義が、今日に合っているか常に検証して確認すること。定義は碑文ではなく、常に変化するものだから。

 現代に生きる我々も、つい先日、2020年、世界中を蔓延した疫病によって、ほとんどの企業がそれまでの「事業の定義」=「3つの定義」を変えなければならないか問い直すことが必要となりました。

1、経営環境=疫病の流行で、感染防止対策。来店がゼロ。
2、企業理念・使命は、たとえば、「楽しい酒・宴会の提供」は実現不可能となったため、変えなくちゃいけなくなった。
3、卓越性も、たとえば、これまでなら、「全国から地酒を調達できる能力」と「うまい酒のアテ料理」だったが、これも変えなくちゃ・・・

当時、岡崎の魚信さんは事業変革に取り組まれました。

 そして、この2022年7月の段階では、疫病が下火になったことで、また、「事業の定義」=「3つの定義」を考えなくちゃならなくなりました。

常に、変化する経営環境の中で、陳腐化を予防しなくてはなりません。今日も変えていきましょう。
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