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コロナショックから回復への道!岡崎市の和食レストラン「魚信」経営奮闘物語〜その4(5月28日)


上記記事の続きとなります。

愛知県では、5月14日(木)に解除宣言がなされ、その週末から平常営業に戻った企業も少なくありませんでした。

おかげさまで、わが魚信さんでは週末の15日(金)から連日満席になったのか?

なんだ、単なる3ヶ月間の経済後退局面だっただけで、これまでの自粛から何事も無かったかのようにお客様も戻ってきて、、、先週から日々今後どの分野に注力すべきか、うーん、と悩んでいたんですが、もうこんなノート書いて新戦略など取る必要がない!終了。チャンチャン

、、、とは、残念ながらならず、、、

「にいちゃん、自粛終了したのに、なんでお客さん戻ってきーへんの?」

「節子、それはな、、、そんな簡単なもんやあらへんのや」と

と、「「火垂るの墓」ごっこ」などしつつ、今週も試行錯誤中でございます。

 なぜなら、この危機において、消費者のマインドも変わり、過去の知識が通用しなくなっているからです。そこで、企業が未来に向かうには、今一度「己を知る」ことから始めざるを得ません。「己を知る」ことこそマーケティングです。ドラッカー博士は言います。

 企業の目的は顧客の創造である。(中略)マーケティングの目的は、販売を無用にすることである。マーケティングの目的は、顧客を深く理解し、製品やサービスを顧客に適合して、勝手に売れるようにすることである。(「マネジメント」より)

 顧客の創造とは、顧客に迎合することではありません。


 「ターゲット層は30代のファミリー層で、、、」と言った調査や分析でもありません。「顧客を深く理解し、製品やサービスを顧客に適合する」ことで「勝手に売れる(Only Marketing and No Selling)」のであり、結果「己を知り、敵を知れば百戦危うからず」(孫子)なのです。


 だからこそ、まず問うべきは、顧客や市場ではなく、そもそもなぜ飲食レストランをやっているのか、何を目指していたのか、どんなビジョンを持って経営してきたのか、等、己の人生観や世界観、ビジョン。自らの本質的なところまでさかのぼって己と対話して「己を知る」。

 次に、顧客である岡崎市民とのコミュニケーションを介して、岡崎市民がこのコロナによって食に関して抱える課題を知る。

 その上で「私たちは何者か」という企業の目的に立ち戻ることによって、「どういう商品をどう適合すべきなのか」自社が何をすべきかが見えてきます。そうすれば、「no selling」(販売なし)でも飛ぶように売れるのです。

 「己を知り、顧客を知」らなければ、この危機は乗り越えられない、という自覚があるのでございます。

 「魚信は何者か」という企業の目的に対しては、西田さんに今、改めて考えてもらっています。では、岡崎の市況はどうなんでしょうか?そして、市民が今、食に関して抱えている課題はなんでしょうか。

 自粛解除になったばかりの16日・17日の週末、そして、23日・24日の週末はどうだったんでしょうか、西田さんに尋ねました。

「お疲れさんです、解除されて2週目ですが、今どんな気持ちで見ておられますか?」

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 まだ平日の夜営業は、テイクアウト中心です。やはり、まだ怖い、という声がありますから、皆さん慎重だと思います。しかし、色々とコロナから教わっていますよ。それまで自分は、売れて当たり前、売り上げさえ上がればそれでいい、という気持ちになってしまって、ありがたいと感じなくなってましたね。
お客様に喜んでいただくという気持が薄れて、無意識のうちにお客様を粗末にしてしまっていたのかもしれません。 それをコロナにガツーンと引っ叩かれた。 予約だけでやりたい、仕出し弁当のお店作りたい。って、 新年早々掲げてフリーのお客様蔑ろにしてました。今、魚信助けてくださってるお客様は全てフリーのお客様です。本当にありがたいです。

週末はどうでしたか?

解除後の週末(15・16日)からおかげさまでお問い合わせいただいております。平日も16、17とランチにお客さんが来てくださっててありがたいです。徐々に動いてきているかな、と。先週末(23・24日)はね、日曜日は寿司・海鮮丼のお持ち帰り多かったです。暑いからですかね。ご予約来店も4組20名様。フリー来店は40名様ほどとゆっくりですが、回復に向かいつつあるかなと。おかげさんで、予約も、先週「これからは無いな」と諦めてた法人客さんから来月の宴会予約も入ってびっくりしました。法事もそうですが、ポチポチ戻ってきそうな流れですね。

 というわけで、市民には、まだ外食に対して「怖い」という感情を持っていることが理解できました。また、事前予約よりも、フリーで気楽に立ち寄りたい、美味しい和食を食べたい、という感情を持っていることもわかりました。

新たな課題と価値

 最近実施されたあるアメリカの消費者調査によれば、レストランへの来店動機は、味と品質というこれまでも重視されてきた要素に加えて、現在は「衛生基準」と答える消費者が増えている、とのこと。

「消費者は自分の健康を懸念しており、安全を確保し、COVID-19への潜在的な曝露を制限することについて警戒し続けます。この価値の推進力は、少なくとも大量ワクチン接種が展開されるまで、ずっと続くと信じています。」


「これは、適切な衛生手順を整えるだけでは不十分であることを意味します。レストランは、安全基準を顧客に公然と伝え、安全な施設として認識されていることを確認する必要があります」とコンサルタントのダウス氏は語っています。

 衛生面では、世界的にも最先端を走っているわが国の市民も「コロナ怖い」という感情からイートインを避けています。

その対策をしっかりしていることも価値となります。以下は、北九州市の美容室「バグジー」さんの動画ですが、同社が強調しているポイントも、この衛生面です。


一足先に、解除となった魚信さんでも、衛生面の対策をしっかり取ることで、 「安全に食事できる環境を用意して、美味しい和食を楽しみたい方に美味しいと安心を届けたい」という目標が生まれました。

試行錯誤は続きます。

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