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「誠意は言葉より金額」(by 福留孝介) 9月30日 Compensation Structure 報酬システム

おはようございます。このNOTEは、読むだけで世の中の課題を #ドラッカー #365の金言  を使って、解決できる、そんな知力を鍛える教育エンタメNOTEです。

今日で9月も終わりです。明日から10月ですね。残り3ヶ月、2022年の締めくくりに向けてやっていきましょう。ということで、本日、 #9月30日  の #ドラッカー365 は、 
#Compensation_Structure
#報酬システム

今日のテキストも #マネジメント -課題・責任・実践 34章 #目標と自己規制による管理 #報酬制度による誤った方向づけ  1974年版では下巻 92〜96ページより

冒頭の言葉は、今年引退した福留選手が2006年オフに発した言葉です。(詳細はリンクをクリック)

 当時、リーグMVPを獲得しながらも、チーム1位の報酬が得られなかったことから「銭闘選手」とヤジられた福留選手ですが、社内の報酬制度の「壁」(チーム内ではリーグMVPの福留選手よりもクローザーの岩瀬投手を最大評価していた)を跳ね返すことはできなかったわけです(不服に思った彼は翌2007年ポスティング制度を使ってMLBシカゴ・カブスへ移籍)。

 同じことがあなたにも起こり得ます。あなたが社内で最も貢献した社内MVP社員として評価されても、いくら上司が「君のことを評価している」と熱く語ろうと、報酬制度によって、あなたが最高報酬が得られない、ということはよくあることです。

「報酬には、当人の業績に対する評価と並んで、当人の価値に対する評価も伴っている。さらに報酬には、正義や、公正や、公平に対する我々のあらゆる観念が情緒的に結びついている。しかし、いかなる報酬制度においても金銭は、価値観とか質といった、最も無形なものだけでなく、最も微妙なものも表している。この理由から、本当に“簡明な“ないしは本当に“合理的な“報酬制度というものはあり得なくなる」

同書、93ページより

 報酬制度を組む会社側としたら、どんな制度を作ったとしても、誰にとっても公平で公正な制度にはならないことを理解した上で、企業のビジョンにどれだけ近づく貢献をしたのか、を定量的に判定し、上位からランキングして、報酬制度を組んでいる会社もあると聞きます。定性的な評価を織り込むと、ブレるため、あくまで数字だけで評価して報酬に換算する、というわけです。つまりは、それが最も公平だ、というわけです。

 ところで我が国には、鎌倉時代から、「御恩と奉公」という報酬システムがありました。将軍と御家人との間では、

中世の武士間の主従関係は、決して片務的なものではなく、主人・従者が相互に利益を与え合う互恵的な関係で成り立っていた。ここで、主人が従者へ与えた利益(領地)を御恩といい、従者が主人へ与えた利益(主人のために戦う)を奉公といった。平安時代中期~後期から武士層に「御恩と奉公」の関係が徐々に形成されていたが、本格的に「御恩と奉公」が成立したのは、源頼朝が関東武士の盟主=鎌倉殿となってからである。以降、御恩と奉公の関係性は、鎌倉幕府の成立基盤として機能し続け、その後の室町幕府江戸幕府にも引き継がれた。

「御恩と奉公」wiki より

我が国では、このシステムを基本に、人事制度は成立しているため、主人の「御恩」=報酬が見合わない、と判断した御家人は、さっさと元の主人と見限って、新しい主人へと「寝返り」が激しかったといいます。実は、戦前は、包丁1本、腕1本で渡世を渡り歩く熟練職人や板前さんが主流で、昨日まで成立していた企業が職人が大量退職した結果、事業が成り立たなくなってしまうことを恐れた戦前の内務省が終身雇用制を取り入れた、と聞きます。

そして、現在になって、再びの雇用の流動化こそ日本経済の発展の源だ、という経済界の声が政策を動かしたのですが、ビルゲイツ?も言ってたように「1人の天才エンジニアがいる組織は、1000人の凡人エンジニアが束になってかかっても追いつかない」のが事実であれば、流動化しても、その争奪戦に多くの企業が負けることになることになるでしょう。果たしてどうなることやら。。。

というわけで、今日もやってきましょう。

こちらも充実しています。来月もよろしくです。↓


#個としての仕事ぶりと全体への貢献の双方を評価する報酬システムが必要である




 誰でも報酬は必要である。だが、いかなる報酬システムにも人を間違って方向づけする恐れがある。
 報酬は、企業や社会における位置づけを表す。仕事に対する評価と並んで、人の価値に対する評価をともなう。しかも報酬には、正義、公正、平等についての観念が情緒的に結びつく。金銭は定量的である。だが報酬システムにおける金銭は、価値や質という無形の微妙なものを表す。したがって、報酬システムにおいては科学的な公式はありえない。
 たとえ最善を称したとしても、報酬システムなるものは、必然的に、報酬がもつさまざまな機能と意味合いの妥協の産物たらざるをえない。最善の報酬システムにしても、組織を強化する半面で弱体化し、正しい方向づけをする半面で間違った方向づけをし、正しい行動を奨励する半面、間違った行動を奨励する。
 したがって、報酬システムは単純にしなければならない。公式を押しつけるものよりも、判断を働かす余地のあるもの、個々の職務に応じられるものにしなければならない。われわれにできることは、報酬システムが間違った行動を報奨し、間違った成果を重視し、共通の利益から離れることのないようにすることだけである。

(『マネジメント-課題・責任・実践』)



ACTION POINT
個としての仕事ぶりに報いるとともに、
全体への貢献に報いる報酬システムを設計してください。

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