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一時的な広報ネタ?それとも戦略に進化するか?

覚えておられますか?ほんの10年くらい前のお話です。

タニタの社員食堂

これは、マスコミの取材が契機となり有名になりました。

体脂肪計・デジタル体重計を販売していたタニタは、おりしも健康ブーム、「働き方改革」「健康経営」で社員の健康管理を企業が行なう、という社会的な潮流がありました。そこに「社員を肥満にしない社員食堂がある」と話題に。レシピ本もシリーズ化するほど大ヒット。映画まで公開されブームを作りました。

2012年には、丸の内に「タニタ食堂」の1号店を開店。「肥満にならないメニュー」を提供するほか、カウンセリングにも進出。これまでの体重計・体脂肪計の製造販売領域にとどまらず、企業や病院、自治体などでの食堂運営受託事業、食品メーカーや旅行代理店との健康ツアーなどタイアップ事業を展開。事業領域を製造業から大きくビジネスモデルが変革。今タニタは「健康をはかる、から、健康をつくる企業へ」を標榜、

事業領域を「ヘルスケア事業」へと広げることに成功。さらに、新しい事業創造に挑んでいます。

タニタにとって、「社員食堂」なんて、はじめは「おもろい広報ネタの1つ」だったのかも知れません。

しかし、社内で見えていた「見え方」と、世間が受け取る「見え方」が「他とは異なる」と認知され、大きな人気を得た時、その広報PRが、単なるネタの1つなのか?それとも、これまで社内では気づかなかったけれど、もしかしたら「これこそうちの競争優位性」と戦略的な意味を持つものかも?

と組織にとって、分岐点にきたことを知らせるシグナルの可能性があります。

さて、ここから具体的な話に入ります。


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