Fediverseと自鯖の方針がなんとなくわかるかもしれない記事

こんにちは。炭素です。
この記事は題の通りぼんやりゆるゆるとした内容です。初心者向けというか、自分の捉え方や考え方のお話です。
既にお詳しい方の為になるような内容ではないと思います。もし明らかな間違いなどがあったらご連絡お願いします。

自鯖こと運営中のサーバー(モンハン二次創作テーマ)の詳細は、前回の記事で紹介している通りです。今回は最後にちょっとだけ近況の話と宣伝があります。
お時間のある方はどうぞお付き合いくださいませ。

そもそもFediverseとは

Fediverseという言葉の意味するところについては、結構概念的でわかりづらいものなんじゃないかなと思います。今回はそのFediverseについて、なんとなくわかった気になっている自分にとっての見え方を紹介します。

わたしは技術に明るくないので、そちら方面の解説は全くと言っていいほどありません。わたし自身の感覚に基づく適当な例え話しかしません。
なので間違いもあると思いますが、あくまでも「なんとなくわかるかもしれない」なのでご容赦ください。

分散型SNSとの関わり

(ロゴは筆者の手書き模写)

Fediverseを語る上でまず欠かせないのが、Mastodon(マストドン)やMisskey(ミスキー)といった分散型SNSソフトウェア群の存在です。
この記事を読んでいる方は、既にMastodonやMisskeyのアカウントを持っていたり、始めてみようか検討しているという方が多いかと思います。既にアカウントを持っている方、あなたはもうFediverseに参加しています

MastodonやMisskeyがイコールでFediverseなのかと言われればたぶん違うのですが、ActivityPubによるFediverseの構成の中では重要な役割を果たします。今出てきてる横文字の中でよくわからない単語があったら、とりあえず無視して読み進めてください。
Fediverseと分散型SNSソフトウェアの関係は、例えてみると「広大な街」「街の一部となる建物の設計図」のようなものです。

「Mastodon」「Misskey」という単語で自分がアカウントを作ったサーバーを連想する人は多いと思いますが、ここを一度切り離してみようと思います。
MastodonやMisskeyは、建物の設計図。mstdn.jpやmisskey.ioはその設計図を用いて作られた建物であるといえます。
紙に書かれた図面とコンクリートの建造物は、物体として全然違うものですよね。同じように、Mastodonとmstdn.jpは分類上別の物として考えたほうが良いことになります。
そして、同じ設計図をもとに作られた建物は他にもたくさんあります。Mastodonはjp鯖だけじゃない、Misskeyはio鯖だけじゃないという話はそういうことです。

それらの無数の建物が寄り集まり、やがて繋がり合い、連合して宇宙のように広大な街が生まれました。どんな姿かたちの建物でも、この街の中にある限りは繋がることができます。
これこそがFediverse(フェディバース)、連合(Federation)する宇宙(Universe)です。
今回はそういう体でこの先も話を進めていきます。

なぜ連合できているのか

このFediverseの“繋がり”を実現しているものについてのお話です。
名前をActivityPub(アクティビティパブ)といいます。彼はFediverseの代表的な通信プロトコルです。
なぜ擬人法なのかというと、彼はこの街の通信網を支える郵便屋さんであるからです。この例えにおいてはそういうことにします。

Fediverseにはたくさんの建物(サーバー)が参加しています。建物たちは全く別の場所に建てられていて、一見して繋がりはありません。しかし先述の通り相互に繋がり合い、やり取りをすることができます。
それはどの建物にも郵便受けがあり、ActivityPubという超働き者の郵便屋さんがリアルタイムでメッセージを届けてくれるからです。
別の建物から届いたメッセージは、受け取った建物側でうまいこと処理して必要とする住人へ届けられます。
これで別のサーバーにいる人の投稿が見えるようになるわけです。フォローすれば定期購読もできちゃいます。

いろいろと怪しい例え方になってしまっていますが、わかりやすそうなのでこうしておきます。
なんかそういうスゴイ技術で連合が成り立っているんですね。わたしも技術的なところは全くわかっていません。そのくらいふわふわしていても、Fediverse暮らしを楽しむことはできます。

余談ですが、Fediverseを支える通信プロトコルはActivityPubだけではありません。Mastodonもかつては、ActivityPubとはまた別のプロトコルで通信していました。
郵便屋さんが違えば、メッセージが届く範囲も変わってくるわけですね。

多様そして混沌の宇宙

Fediverseには大小様々なサーバーがあります。しかしその多様性は、単純な大小やそこに住まう人々だけでは語れません。

「Mastodon」や「Misskey」のことを設計図と例えましたが、この設計図についてもう少し掘り下げていきます。
冒頭の方でもチラッとお話しましたが、Mastodonはソフトウェアの名称です。誰でも無料で使えて、その全貌が世界中に大公開されているオープンソースソフトウェアです。

これがどういう意味かと言えば、「誰でも自由に手に入れて、改造ができる」ということです。設計図を勝手に書き換えて使っても誰にも怒られません。もちろん書き換える技術は必要ですし、ライセンスに則る必要があります。

書き換えられた設計図をもとに建てられた特殊なサーバーはたくさんあります。有名どころではFedibird.com、Pawoo.netなどです。
改造されたサーバーには大抵、本来のMastodonにはなかった独自の機能があります。中には一見してMastodonだとわからないほどに改造が進んでいるサーバーもあったりします。

既に手に負えない感じがしてきましたが、まだまだ掘り下げます。
ここ数ヶ月で一気に有名になったのはMastodonやMisskeyですが、Fediverseを構成する分散型SNSソフトウェアの種類はそれだけではありません。
短文投稿に特化した有名な分散SNSには他に「Pleroma」があります。フォーク(派生版)を含めれば「Akkoma」、「Calckey」などもあります。
画像に特化したSNS「PixelFed」や、動画に特化したSNS「PeerTube」。実はブログソフトウェアとして有名な「WordPress」も、プラグインによってFediverseに参加できます。
もっとたくさんあります。わたしが知らない設計図もきっといっぱいあります。その分、建物の様式は多様になります。
そして同じプロトコルを採用してさえいれば、全く違うSNS同士でもやり取りができるのです。

どれも人が作る場です。そこには人が居ます。
人々の交流があり、独自の文化があります。テーマもあったりするでしょう。こうなればもはや混沌です。
それでもFediverseはゆるやかに繋がり合い、コミュニケーションをとっています。この全てを統べることができる神の存在はありません

カオスな宇宙の街は、街を構成する建物たちそれぞれの自治により、それぞれの自由を手に入れました。
これこそが分散型SNSの醍醐味だとわたしは思います。自分が自由でいられる場所を選べるのです。
なければ自分で作ることだってできます。設計図自体は誰でも手に入れられるのですから。
ユーザーが選択する権利を取り戻すことは、“選択する”という面倒な手間を生みますが、そのリターンとして大きな安心感をもたらします。

Fediverseのデメリット

今まで分散型SNS、Fediverseのことをポジティブに語ってきましたが、当然ながらいいことばかりではありません。

まず、先述の通りFediverseのサーバー群は果てしなく多様です。
それはつまり、誰かの好まないものやよろしくないとされる思想も、この宇宙のどこかでは認められている可能性があるということです。
広い連合に目を向ければ、たくさんのNot For Meを目にすることになるかもしれません。それらを視界から除外することはできますが、全てをこの世から削除することは無理だと思います。国が違えば法も違いますし。

そういったことが要因となり、特定のサーバーと交流しないことを選んだサーバーもあります。思想が受け入れられないとか、そもそもコンテンツが自国では違法になってしまうとか、そういう理由で。
窓を完全に締め切って郵便受けも撤去して、外部とのやり取りを完全に遮断したサーバーももちろんあります。
サーバー側でそういう対処がされている場合、住人であるユーザーがどうにかして繋がりを取り戻すことはできません。繋がりを保てる別のサーバーに引っ越すしかありません。

そしてこれらの方針の最終決定権は、全てサーバーの管理者にあります。
管理者は殆どの場合、一般の個人です。企業が運営していることもありますが特殊例だと考えていいでしょう。
管理者も人間なので、感情で動くこともあります。国の法律だけではなく、個人の考えがルールとなることも大いにあります。
管理者がダメと言うものはダメ。それが嫌なら別の場所を選ぶ、または作る。そうやって人々が分散していきます。

ある意味ではとってもめんどくさい仕組みです。
Fediverseの仕組みは、大きく見れば中央集権を脱していますが、それぞれのサーバーに絞って考えるとどうあがいても極端に中央集権的になってしまいます。

しかしながら、権利を持つ人間がユーザーの視点に近いところにいて、話が通じる可能性はある。これはかなり大きなメリットだと思います。
サーバーを選ぶとき、どういった人間が管理しているのかという点にも少しだけ目を向けてみると、住みよいサーバーを探すときに役立つのではないでしょうか。

運営中のサーバーの話

ここからはわたしが運営しているテーマサーバー、hunterlife.netの話です。
今回の例え話をベースに、どういうスタンスで運営していくつもりなのかをハッキリさせたいと思います。

例え話的なサーバー概要

hunterlife.netは、Fediverseという街の片隅に最近建ったばかりの小さな建物です。
Mastodonという設計図を使い、Hostdonというサービスが土地の確保から施工を行い、その後の維持管理まで担ってくれています。Hostdonすごい。Hostdonありがとう。
そしてその建物の中に、わたしが小さな酒場をオープンしオーナーとなっている、という感じです。

この酒場の方針はオーナーであるわたしが殆どを決めることになり、わたし個人の感情で様々な決定が行われています。
例えば、この酒場に入れるのはテーマに理解があるとわかる人だけです。オーナーのわたしが承認しなければ、外から覗き見はできても酒場の中までは入れません。
既に酒場にいる人が友達を連れてくる場合には、招待することでオーナーの承認を得る必要がなくなります。

とはいえ厳しくユーザーを選別したい訳ではなく、昨今のSNS事情を考慮して、オーナーの手に負えない状態になってしまうことを避けるために自衛として入り口を狭めている状態です。
テーマとしている界隈やFediverseを取り巻く環境の変化次第では、今後公開サーバーになる可能性もあります。

オーナーとしてのスタンス

管理者なのでオーナーとしても振る舞っていますが、実際のところわたしはこの場を管理する者になりたくてサーバーを立ち上げたわけではなかったりします。
なのでコミュニティを管理することへの興味は特にないです。適性もないと思っています。
それでも管理者をやっているのは、他でもないわたし自身が「この酒場で好き放題に飲んだくれていたいから」です。

似たような考えの管理者さんは結構いるんじゃないでしょうか。自分の居場所を作り、それが誰かの居場所にもなるなら公開してみよう、という。
今の分散型SNSの構造はビジネスにあまり向いていないので、殆どの人が趣味でやっていると思います。もしくはFediverseのネットワークに可能性を感じているとか。どちらにせよ、主となる動力源は個人の情熱なのではとわたしは考えます。

わたしはhunterlife.netの運営をファン活動の一環だと捉えていますし、その中で個人としても活動を楽しみ、愛好するテーマに浸りたいと思っています。
そういう考え方の人間が運営しているということが、このサーバーに興味を持っている人や、今このサーバーを楽しんでくれている人に伝わっていたら嬉しいです。

おわりに

今回の記事はあくまでもわたし個人の目線で見たFediverseの話なので、人によってまた違った見え方があると思います。
そういった部分も含めて楽しい世界だと実感する日々です。ほんと面白くてやめられないしいつの間にか自鯖ふたつある。なんでだろう。
すべてはホスティングのお陰というのは否定しませんが、ホスティングがなかったとしても自力で鯖建て頑張ってたかもしれないなあと思えるくらいには、わたしはこの世界が好きです。

Fediverseは、これまで劇的に発展し続けてきた中央集権的SNSの完全な代用にはなりません。
しかし新しい楽しみをくれるかもしれません。個人的には、そんな距離感が丁度いいのかなと思ったりもします。

以上、長々だらだらとした文章になりましたが、お読みいただきありがとうございました。


最後に少しだけ自鯖の宣伝をします。
モンスターハンターの二次創作をテーマとしているMastodonサーバー「hunterlife.net」では、最近絵文字の募集を始めたりしています。
早速タイムライン上でうさ団子が作れるようになりました。わたしが作りました。

サイミント食い過ぎ説ある

他にもマスコット的botが動き出したりしています。アプデもあったしこれはもう今激アツなサーバーと言ってもいいのではないでしょうか(?)。
わたしの中では常に激アツです。いつでもハンターさんの登録をお待ちしておりますので、興味のある方は是非覗いてみてください。

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