見出し画像

豹柄とマリーアントワネットの羽飾り

8年くらい前、関西方面のお取引先主催の宝石展に出展しした際に、上下違うパターンで、しかしながらどちらも豹柄というこだわりの全身豹柄コーデのマダムがいらしていました。細身ですらっとされていて、髪の毛は細かいパーマのかかったゴールドブラウン。色付きのメガネをされていて、サファリにいらしたのかなと思わせる野生的な全身豹柄がとてもお似合いでした。(本当です)

担当の男性がついてまわり、ジュエリーをオススメしているのが見えましたが、オススメしているジュエリーは、だいぶパンチが効いた…ボリュームのある、クールなデザインのものばかり。実際身につけてらしたジュエリーもその系統だったものの、わたしはお似合いにならないような気がしていました。でもきっと担当の方はマダムのご趣味をよく理解しているはずだわ!と思っていると、ジェスチャーからいずれのデザインもお気に召さない様子が伺えます。

私の視線が熱かったのか、私のジュエリーの展示コーナーにいらっしゃり、担当の男性がこちらの方にお似合いになりそうなジュエリーはありますか?と仰ったので

マリーアントワネットの羽飾り(Egret)をデザインしたフェミニンなリングを差し出しました。それはメガネの奥に輝く可愛らしい瞳が見えたからです。
「お客様はマリーアントワネットの羽飾りをイメージしたリングがお似合いになると思います✨」とお伝えすると、担当の男性がえ、えー!(なぜにフェミニン系?)という表情をされているのを感じましたが、
マダムはパッとサングラスを外し

「わたし、マリーアントワネット好きやねん。なんで、わかったん⁈」

と仰ったのです♡切り返しにビックリして、思わず「瞳を拝見して乙女を感じました♡」と本心をお伝えしたところ、「この人、ゴツいジュエリーしか紹介してけーへんねん。わたし乙女やのに。格好で勝手に決めんで欲しいいうてんのに…」

(試着…鏡をご覧になる)

「わぁ、いいやん、わたしこれにするわ、マリーアントワネットの羽飾り、可愛いやん。」と何度も仰ってくださりお選びくださいました。
一緒にいらしていた可愛いお孫さんが、ばあば似合ってる✨と伝えていて私も幸せを感じました。

ジュエリー業界は(アクセサリー業界と違って)男性が多い世界なのですが、乙女心がわかる男性が増えればいいのになあと思わされた一コマでした。

女性は可愛い小さきものが大好きなんです。それは年齢が重なっても変わることはありません。外見が変化しても、ファッションがクールでも、心の真ん中にはいつも乙女でありたいと思う気持ちがあるのだと思います♡

そんな心の内側やその方の本質を表現するのがジュエリーの役割なのだと思います。

画像1

追記)関西弁に誤りがありましたらお許しください

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?