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Webカメラの必要性と顔見せの効果

先週の木曜日、2020年4月16日に慣れないながらオンラインセミナーに登壇してきました。

集客を開始したのは4月2日、緊急事態宣言発令への緊張が高まる中でした。お客様への案内した直後から申し込みが集中し、テレワークへの注目度の高さをあらためて認識したものです。
最終的に200人以上の申し込みがあり、当日の参加率も60%を超えて、QAも盛り上がりを見せていました。

私のセッションでは、テレワーク未実施の方に向けて最小限の機材・環境を経験からお伝えして、実施に向けた一歩を踏み出してもらうことを第一の目的としていました。第二の目的は、テレワーク率98%を超す弊社の環境で使用しているツール、サービス群を伝えること。

それというのも、4月4日に発表されたLINEによる全国調査の結果では、テレワーク実施率はわずか5.6%であると報じられていたからです。意外なほどに少ない数字を受けて、テレワーク未実施が多いことを想定したセミナーの構成としていました。

ところが、当日のセッション中のアンケートでは、セミナーへの自宅からの参加が8割超という結果に。
4月7日の緊急事態宣言発令と、その後に出勤7割削減の要請を受けて、各社のテレワークの取り組みは思ったよりも早く進んでいたようです。
もっとも、申込者がもともとテレワークに関心が高い人たちであったというセレクションバイアスの結果だったかもしれません。

いずれにせよ、私のセッションは特にターゲットを少し外したものとなったようです。

社内会議ではWebカメラより高品質マイクが欲しい

セッションは弊社のシステム紹介が中心だったのですが、リモートワークでのWebカメラ、ヘッドセットの必要性については私見をご紹介しました。

200416-実録テレワーク

AmazonではWebカメラの品薄が顕著になり、価格も相当に上がっています。

それでも、私がこのセッションでWebカメラの優先度をディスプレイよりも低くしたのは、実際のオンライン会議での使用頻度からです。

社内とのオンライン会議では、互いに顔を知っていて、声で誰が喋っているかも見当がつくこともあり、カメラをオフにしていたり、自分はオンにしていても他の人の顔をわざわざディスプレイで見ていないという人が大半だったりします。

実務効率的な面では、資料の閲覧や、議事メモの作成、Slackでのやりとりにディスプレイ面積を優先させたいというニーズがあります。誰が発言しているか、旧知の間であれば声で判断できるので、わざわざ発言者のディスプレイを見る必要はないのです。

現実的な課題だと、WiFi帯域が十分でない場合にはカメラをオフにしてしまった方が通信が安定するという事情があります。オフにしないまでも、オンライン会議システムによって映像が圧縮されることもあるため、カメラの性能が相手にダイレクトに届くことは少ないように思います。

個人ごとの事情に配慮するのであれば、例えば心理的・防犯的に自室を映したくないということもあるかもしれません。

もちろん、私の友人のように、聴覚障害を持っているために読唇術がコミュニケーションに欠かせず、発言中の相手の顔を見ておく必要があり、カメラは必須というケースもあります。
ただ、こうしたケースを除き会議としての成立を優先させるならば、カメラはマストではないのです。

信頼感のために「顔を見せる」

ただ、私自身はオンライン会議ではカメラオンで参加するようにしています。
それは会議への参加姿勢を示しておいた方が、意見も述べやすくなると考えているため。

ここでふと思い出すのは、しばらく前に流行った「人は見た目が9割」という本。
ヒトが相手の発言を情報として処理するとき、発言内容そのものよりも非言語情報(表情、視線の動き、しぐさなど)から、いかに多くの情報を読み取っているかという内容でした。

そして、ヒトは「知らない」と感じるものは信用しないにも関わらず、目にする機会が多い商品については、なんとなく信用してしまうもの(単純接触効果)。

こうして考えると、顔を見せるというのは、相手との関係性構築のために必要なことなのだろうと思います。

従来の営業活動では、訪問時の服装や振る舞いなどのマナーや気配りに重点をおいて第一印象を高め、その後のメールフォローなどで接触回数を増やすことが信頼獲得の基本戦略だったと思います。
信頼感は単なる情報量にしたがって醸成されるものではなく、情緒的な要素が多分に含まれるものです。そのため、情報の発信者自身を知ってもらい、親近感を持ってもらう重要性は高いと思うのです。

営業の場がオンラインに移ったときに、視覚情報の比重がより高まるのか、それとも他の要素から情報を得ようという動きが強まるのかはマーケティングに関わる立場の人間として要注意で見ていきたいと考えています。
もしかしたら、ブログやSNSを通じた継続的な情報発信が、この「他の要素」にあたるかもしれません。

速やかに業務の場をオンラインに移さなければならない、現時点においてはカメラの優先度は落としても良いというのが私の意見ですが、将来的に、商談や面接など、相手への信頼を得ることが重要なシーンがオンラインに移ってきたときには、高性能なWebカメラと、カメラ写りを良くする技術は重要なものになりそうです。

ガジェット沼にハマり出している同僚や友人を横目で見ながら、そんなことを考えてみたりしたのでした。

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