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〜ワインテイスティングノートP29 〜DUJAC Fils et Pere 2012
産地 Bourgogne MOREY-SAINT-DENIS/France
品種 Pinot noir
容量 750ml
アルコール度数 12.5%
参考小売価格 10000円(税抜)
今やモレ・サン・ドゥニを代表する大ドメーヌとして勇名を馳せるドメーヌ・デュジャック。しかし、その歴史はわずか45年に過ぎない。
創設者のジャック・セイスはベルギー出身で、ドメーヌ創設の前に2ヴィンテージをブルゴーニュで過ごし、ジェラール・ポテルの元、ドメーヌ・プス・ドールでワイン造りを学んだ。
その間に、DRCのオベール・ド・ヴィレーヌやアルマン・ルソーのシャルル・ルソーらと親交を深めている。
そして1968年に4.5haのドメーヌ・グライエを買い取り、自らの名前、ジャックをもじってドメーヌ・デュジャックと名付けたのだ。
現在はジャックの息子、ジェレミーとアレックがそれぞれ醸造と販売を担当し、ドメーヌを実質的に引き継いでいる。
ジャックの妻もジェレミーの妻もアメリカ人で、ジェレミー夫人ダイアナは醸造学を修めたエノローグである。
2000年にジェレミーは父のサポートの元、ネゴシアンビジネスを開始。その名も「デュジャック・フィス・エ・ペール」という。
会社名として「ペール・エ・フィス」(父子)という表記はよく見かけるが、「フィス・エ・ペール」(子父)は珍しい。
中心となるのが息子であることの証である。
このデュジャック・フィス・エ・ペールは、ネゴシアンといっても単に畑が自分たちが所有していないだけ。畑の管理や手入れ、ブドウの収穫までドメーヌのスタッフが行う。
ブドウの購入契約は量に応じてではなく面積単位。したがって収量制限も思い通りとなる。したがって、実質的にはドメーヌものと変わらないものの、ドメーヌとネゴスで重複するアペラシオン(例えば村名モレ・サン・ドニ)があってもそれぞれ別々に醸造、瓶詰めされる。
(前回同ワイナリーの2000ヴィンテージを試飲し、そのサイトと同じ情報↑)
(データはインポーターHPより抜粋)(写真は某フレンチにて)
以下分析。
1.前提
提供温度16度程度。
抜栓直後。
2.外観
オレンジがかったルージュ。
3.香り
驚くほど静か。
閉じた状態でフルーツの香りを取るのは困難。
ほんのり還元と土っぽいキノコっぽい香りが感じられる程度。
しばらくスワリングしながら待ちます。
30分後。
ようやく少し開き始めました。
開いてくるとチャーミングな赤いベリーの香りやバラのような香りが出てきました。
4.味わい
抜栓直後はアタックはアルコールとタンニンが強くフルーツ感や酸は控えめというバランスの悪い状態でしたが
30分後のテイスティングではフレッシュで控えめな果実味とやや強いけどきめ細かいタンニンと穏やかな酸のバランスで徐々にバランスが整っていくのを感じられました。
もう30分後が見たかったのですがここでテイスティングは終了。
5.楽しみ方の提案
このタイプのワインについてはデキャンタージュは必ず効果があるかはわからずともやる価値は十分にあるかと思いました。
料理とのマリアージュ
提供温度15℃
猪のテリーヌ
この日は閉じていてバランスの取れていなかった抜栓直後にワインを楽しむために猪のテリーヌをオーダー。
テリーヌの脂の甘味が閉じたワインの果実味を補いタンニンは脂を流す働きをして
味のマリアージュとしては料理でワインを補った形になりました。
6.雑談(感想)
閉じたワインを美味しく楽しむ為の手段を考えるとても良いきっかけになったと同時にグラスワインでの提供、ボトルワインでの提供について考えさせられる垂直試飲でした。(前回の記事は2000ヴィンテージ。こちらが記事)
グラスワインでのオーダー向きなワインが多いと思われる中で(消費者の需要も)
ゆっくり時間をかけて楽しむシチュエーションとのペアリングを提案するヒントになりとても良い勉強になりました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
山田正道
シェフ、ソムリエ、SAKE Diploma、出張料理人として活動。
現在は主に西麻布の紹介制のBARとオンラインワインショップを運営しています。
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