大森荘蔵/その最深部の問題 増補改訂版
現在執筆中の『形而上学 <私>は0と1の<狭間>で不断に振動している』本論第1章Ⅰの「附論」を転載
先に見たように、図形と数といった数学的存在と「今」は、生成や消滅の過程にはありえず「実体性(実在性)」を持たない「アポリア的存在」として、「可能態(潜勢態)-現実態」というアリストテレス『形而上学』の枠組みにおいては殆ど取り扱い不可能になる。だが、アリストテレスは、プラトンとの対峙においてその哲学的-形而上学的探究の最終段階までこのアポリアと格闘し続けたと思われる。つまり、