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インドの弱い人びとの父、アンベードカル博士


ビームラーオ・ラームジー・アンベードカル(1891-1956)は、インドの社会改革運動家・政治家・独立インド初代法務大臣・インド憲法の草案作成者です。ダリット(不可触民)の集団の一つである「マハール」の出身で、ダリット運動に命を懸けた人です。
その思想と行動は現代のインド社会にも広く影響を与え続けています。


アンベードカル博士は、死の2か月前にマハールカーストの人びと約30万人とともに仏教に改宗し、新しい仏教運動の祖となりました。
彼の仏教はカースト制度を否定し、社会貢献を強調しており、彼に従う人たちは自分たちの仏教をNavayāna(नवयान 「新しい乗り物」)と呼びます。
彼がもっと長生きしたなら、インド社会やダリット運動、Navayānaにさらに大きな影響を与えたことでしょう。

ダリットはインドの人口の16.5%にも上ります。約14億人のインド人のうち、およそ2億人がダリットなのです。日本の人口よりも多いです。

インドにおける仏教徒の数は、公式には約 800万人と発表されています。その内訳としては、インド北部のダラムサラを拠点に活動するチベット仏教徒、東インドやバングラデシュに残るベンガル仏教徒、タイ・スリランカ等から移住した上座部仏教徒等が挙げられます。しかし、仏教徒の数はすでに1億人を越えているともいわれており、その大多数を占めるのが1956年にアンベードカル博士と共に改宗宣言を行った仏教徒たちです。

アンベードカル博士は日本ではあまり知名度がありませんが、高野山大学のキャンパス内に彼の銅像が建立され、2015年9月に除幕式が行われました。
https://www.koyasan-u.ac.jp/notice/news/detail/118

アンベードカル博士のことば
"I like the religion that teaches liberty, equality and fraternity."
「私は自由、平等、友愛を教える宗教を好む。」

〔参考〕
『トイビト』
カーストはなぜ続いてきたのか(鈴木 真弥)
https://www.toibito.com/column/social-science/sociology/2149/3

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