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はじめに (全8章)


資産形成のスタンス


 日本ではこれからも人口減少、高齢化が進んでいき、終身雇用の限界、頼れない年金という将来に向かっていきます。日本で起こる人口減少、高齢化は自然の摂理によって起こる現象ともとらえられます。

この人口構成の変化に伴い、生産性が落ち、経済力も落ちることが見込まれますが、私たちが生きていくうえで、生産性が第一、資本が第一、というわけではありません。人それぞれに大切にしたい価値観があります。

 しかしながら日本で暮らしていくことを考えると、日本が直面するこの現象を把握しておかなければなりません。サラリーマンであれば、いつ勤務先からの給与が断たれるのか、減額されるのか、事業主であれば、いつ収益の柱である事業が不調に陥るのか、先行きは読めません。



「逃げ切れない世代」の資産形成

 終身雇用で働き、年金ももらえるであろう世代のことを最近では「逃げ切り世代」ともいいます。一方、終身雇用や年金に頼れない世代を「逃げ切れない世代」ともいえます。


 20〜40代の中には、収入ルートを増やすためにも、副業や不労所得となる投資を検討している方が多くいます。私たちの身の回りには、株式投資やNISA、FX、不動産投資などさまざまな投資手段があります。



トークンへの投資

 まだ認知度は低いですが、近年、新たな投資手段が登場しております。それが「セキュリティトークン(デジタル証券)」と「ネイティブトークン」というものです。本書では総括して「トークン投資」とよびます。トークン投資については初めて耳にする方も多いと思います。


 価値やお金の概念と歴史、構造からわかりやすく説明し、価値交換手段がこれからデジタル化されていく社会をとらえ、トークン化経済について説明します。記事をご覧いただくと、さまざまな組織や企業によるデジタル化社会・トークン化経済に向けた動きがおわかり頂けると思います。ぜひご覧ください。



当noteの想定読者

本書では次のような方を読者として想定しています。

  • 「働く時間を減らしたい」「違う仕事をしたい」を叶えるために投資で副収入を得たい方

  • 「不労所得」を得たい方

  • すでに株式投資や不動産投資などを行なっており、さらなる投資先を検討している方


 まずはじめに本書を通して伝えたい結論となる「トークン化経済15のポイント」を示します。
 1章からは「お金の歴史」や「資本主義社会の構造」という、投資をする前におさえたい大事な背景を説明します。
次に、これからの「社会経済のトレンド」を俯瞰しながら、「デジタル化社会」「デジタルなお金」に向かう社会について説明し、2025年、2030年にむけて世界中で進められている「トークン化経済」を紹介します。

 この大きな流れを知ることで、トークン投資のポイントをおさえることができます。トークンとは何か、どのような役割があるのか、全体像も含めわかりやすく図解します。新しいものごとを学ぶときは全体像から入り、構造や役割をイメージすることが大切です。

 本書を通して多くの方に、トークン投資という「新たな投資の機会」について知るきっかけとしていただければ幸いです。

それでは以下に15のポイントを列挙します。



15のポイント

1. 投資を考える前に「価値交換」の変遷とこれからをおさえること


2. 分散型台帳技術(ブロックチェーン等)の活用により、 さまざまな価値や権利がトークンであらわされ、トークン化経済が進展する


3.脱税やマネロンの主要因は現金。「現金は悪」「デジタルは善」という大方針があり、デジタル化社会に進む


4. 国際決済銀行や各国中央銀行は「デジタルなお金」の計画を進めている


5. 「デジタルなお金」を普及させると共に「デジタルID」「デジタルウォレット」が必要となる


6. 社会のビッグトレンドは「アフリカ人口増」「IoTデバイス増加」「トークン化経済の進展」


7. 日本や海外の株式投資だけでなく、国境なくグローバルに成長するトークン化経済への投資を検討する


8. 各国の法定通貨が暗号資産やトークンに流れてきている


9. セキュリティトークンとは、株式や債券などの有価証券に分散型台帳技術を活用したもの。デジタル証券といい、株式同様に各国証券委員会の認可を経て発行される


10. ネイティブトークンとは、分散型台帳技術の各ネットワークや分散型サービスが発行しているトークンのこと


11. トークンは発行上限数が定義されており、社会的需要が増えれば単価はあがり、需要がなければ単価は下がる


12. トークン投資では、キャピタルゲインだけでなく、インカムゲイン(配当益)も得ることが可能


13. 社会的需要が生じることを見極めてトークンを選定し、バイアンドホールド戦略をとること


14. トークン投資に必要なものは、スマートフォン・PCと、クレジットカード、身分証明書



15. たとえ投資しなくても、デジタル化社会とトークン化経済について概要をおさえることで、知識に対する先行投資となり、株式投資やビジネスシーンでも役立つ



以上が15個のポイントです。

2022年10月からニュースレターを配信し始めました。2010年ごろから、ビットコインやイーサリアムという言葉だけは耳にしていたものの、自分には関係のないデジタル上のコインという認識しかありませんでした。

 年月が経ち、きっかけは忘れてしまったのですが、2021年ごろにブロックチェーンに関心をもつようになりました。ビットコインやイーサリアムを支えているブロックチェーンの仕組みや、ブロックチェーンは分散型台帳技術のひとつの種類であること、他にも優れた技術やネットワークがあることを知りました。

 そしてその分散型台帳技術を活用することで、これまでデジタル上であらわすことができなかった様々な価値や権利がトークン化されていくことを知りました。
 トークン化経済やさまざまなトークンについてリサーチした内容を記事で配信するだけでなく、一連の流れを整理した書物(全8章)として、読者のみなさまへお伝えしたいと思います。


マガジン(全8章)へのリンク

 以下の記事に各章の全体目次を掲載しておりますので参照ください。


以上

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