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[やってみよう!]自分たちの「組織課題」を発見する2つのワーク

こんにちは。DONGURIにてデザインシンキング・コンサルをやっています、矢口泰介(@yatomiccafe)です。

前エントリーにて「人事ごった煮会・アンバサダー企画」で行った「組織課題を洗い出すワーク」を紹介しました。
あくまで簡易的なワークではありますが、組織内部でやってみると意外と有効では、と思いましたので、シェアしたいと思います。

「組織課題を発見するワーク」を試す意義

私はDONGURIにおいて「リサーチャー」という肩書を持っています。「組織開発」の性格をもった案件に関わる場合、私は最初の段階で「課題の定性リサーチ」を行うようにしています。

いま目に見えていたり、体感している「組織の課題」は、あくまで表面的に現れた現象で、実は本質的な課題は、構造的な問題が組み合わさった結果であったりします。

そういう性格上、外部の客観的な視点で見ることで、課題が突き止められやすい、という有効性はあります。ただ、組織のメンバーが、自分たちで組織課題を突き止め、当事者として解決に向けて動く、というのも意義が大きいことだと思います。

今回の2つのワークは、1時間ほどあればできますので、メンバーを集めて試しにやってみる、という試みにピッタリのサイズです。

ワーク1. 組織課題想起カード

# やりかた
1テーブルでだいたい4〜5人くらい。

「組織課題想起カード」(大仰な名前がついてますが、質問が書かれた紙です★)を山にして、1枚ずつめくります。そして、1つの質問に対し、順番に全員で答えます。

(課題想起カードの一部)

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カードを3〜4枚まで引き終わったら、今度は、答え方に一工夫していただきます。以下のように、視点を強制的にスイッチしていただきます。

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1.会社の新人の立場で
2.直属の上司の立場で
3.他部署の部長の立場で
4.同僚の立場で

など、強制的に視点を変えて、想像でいいので、質問に答えていきます。

#ワークのねらいと効果
「組織課題」は、多くの場合、階層間の関係性(タテ)、人と人との関係性(ヨコ)に表れるようです。そのため、自分の立場だけで考えていると、なかなか課題が立体的に見えてきません。

強制的に視点を変えることで、目に見えている「課題」は、「あの人」の立場で見るとどうなのか、という点を考え、対話のきっかけにしてもらう、というのがこのワークの狙いです。

ワーク2. ウルリッチの4象限を使った課題分類

これは先日の「人事ごった煮会・アンバサダー企画」で試みたワークです。人事部の働きを表現したウルリッチの4象限がありますが、組織課題をこの4象限を手がかりに洗い出していくワークです。

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この4象限は、人事部がどのように組織に関わっていくかを表した図ですが、組織の進むべき方向に対し、現状つまずいているポイントを洗い出すのにも使えると考えました。

# やりかた① 個人ワーク
(※先の「課題想起カード」を一通りやった後だと課題が発想しやすいかもしれません)

まず個人ワークとして、「課題」として思っていること、気づいていることを5〜10枚ほど書き出していただきます(枚数は問いません)。

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# やりかた② グループワーク
その後、チームにて書いた付せんを発表しながら、大きな4象限シートに、付せんを貼り出し、話し合いながら分類していきます。

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# やりかた③ 優先的に対処したい課題とアクションを決める
先日のイベントでは、出てきた課題への打ち手として、研修プログラムの企画に移りました。
もちろん研修に限らず、課題に対する打ち手・アクションを決める、というところまで、話し合いが進めばベストかと思います。

どのようなときにワークをすると効果的か

いま紹介したワークは、いつでも行っていただくことができますが、「必要性」と「熱」が高まる瞬間にやってみることで、より盛り上がるかと思います。

例えば、その一つが「採用活動」が始まるときなど。
特に「これまでと何かを変えなければいけない」という思い・危機感が組織の中で高まっているとき、「目の前にある課題」の深堀りをしたい、という機運が高まるのではないかと思います。

今回ご紹介する「組織課題を発見するワーク」をやってみることの価値は、大きく3つあるかなと考えています。

1. 日常業務から少し離れた「対話する場」が持てる
2. 自分達だけの視点ではない、客観的な視点が持てる
3. 情報を構造化することで、アクションのヒントが得られる

今回のような、ちょっとした工夫があることで、建設的な話し合いが進むのではないでしょうか。

とはいえ・・・

ただ、往々にして、組織内部にいる人は、自分が当事者であるがゆえに、俯瞰して見ることが難しい場合があります。

外部の視点が入ることによる有効性は、いろいろありますが、一つには、しがらみなく、客観的に組織を見ることができる、というシンプル・かつ・パワフルな理由があります。
議論を活性化する意味でも、外部の視点を取り入れるのも選択肢としては悪くないと思います。

DONGURIでは、

・今回のワークを自社でもやってみたいのでアドバイスがほしい
・とはいえ、ファシリテートだけ頼みたい
・とはいえ、客観的な「組織課題のリサーチ」を体験してみたい

などのご相談を受け付けております★

また、こちらのワークも組織開発の第一歩として有効ですので、ぜひお試しください。


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