2021年12月〜僕が今一番夢中になっている事業〜
株式会社福水戸家では、2021年7月に大きな案件を逃し、僕はコンサルティング事業のあり方を見直した。オリンピック開会式の直後だった。それまではコンサルティングに紐づくソリューションを数珠繋ぎで販売するのが成功モデルだった。しかし、世の中の状況が悪化すると、クライアントの要望がより曖昧で頻繁に変化するようになった。顧客満足度を保とうとすると過剰サービスが必要となり生産性が落ちたのだ。気がつくと2019年から2020年に約10倍の売り上げに伸びたコンサルティング事業は赤字経営に転落していた。
同時期に周囲から幾つかのキーワードが聞こえた。「カスタマーサクセス」と「サブスクリプション」である。妻が「サブスクってテレビでやっていたけど良いのかな?」と尋ねてきた。また、女性メンバーの一人が「私はカスタマーサクセス(徹底的にクライアント対応をする役職)になりたいです」と言ってきた。私は彼女達への返答をそっちのけで問いを立てた。
先程の女性メンバーの一人が「ポイント制にするのはどうか?」と更なるアイデアを出してきた。私は「天才だね。」と一言。即決をした。僕はコンサルティング事業の方向性を「ポイント制のサブスクリプション」に固めた。共同経営の河合も完全に意見が一致した。僕たちは新設した株式会社福水戸家ホールディングスの経営理念を「経営支援をカスタマーサクセスに」に変更し、グループ全体の舵を一気に切り始めた。選択と集中である。不採算事業や目的が曖昧な活動を一気に絞った。
加えて、ズルズルと長引いていた案件は思い切ってクライアントと相談をし、場合によっては返金も厭わないスタンスで挑んだ。無論、無責任な対応はしていなく、クライアント第一優先で対応した。また、全ての取引をサブスク型に変更する方針を掲げ、実行に当たり、現在では月額400万円の売り上げを突破した。この間およそ100日である。これほどまでにのめり込んだのには理由がある。その理由を説明する前に、サブスクモデルの概要を記す。
実際にやってみると狙い以上の効果が起きた。その現象は以下の通り。
また、働き手にとってもカスタマーサクセスという役職は非常に魅力的な役職となった。なぜなら、人材派遣モデルのように時間で評価されない。主に粗利と継続率で評価される。既存のお客様は必然的に大事にする必要がある。利用ポイント中で自分で作業できることは自分で行い、必要な外注をコントロースすることを義務付けられている。このことによって、理論上はディレクションが許す限りはクライアント数や売上高を増やしていくことが可能である。お客様の成功、自社(福水戸家)の成功、働き手の成功が三方よしになる労働モデルなのである。これは偶然の産物であり、エグゼクション(売却した一社目の会社)時代から取り組んできた労働モデルの改善が意外な形で解決することには驚いた。
僕は今日描いたこの事業モデルが社会にとって有益なものになることを確信している。凄い自分勝手かもしれないが夢中である。まずは福水戸家自体で事業モデルを確立することを目指している。全ての経営支援を一本化したこのサービスの登場により、権利のようにクライアントから搾取していたビジネスモデルを破壊する。自社だけではなく、方法論の横展開やプラットフォーム化により、自社の利益最大化を目的とするのではなく、広く社会に浸透させ、社会貢献することを目的に活動を広めていきたいと考えている。
闘病生活をしながら、命を懸けて取り組んでいる。自分勝手な判断で周囲を巻き込んでいるかもしれない。もしかしたら、この国ではそういうスタンスは不人気かもしれない。でも、一人だと何も出来ないと最近つくづく実感している。上記に該当する方で、手を差し伸べてくれる方は、遠慮なく磯部宛(i.isobe@fukumitoya.co.jp)に連絡してほしい。
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