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ありがとう役割

2024年製作、99分、日本、配給:Gentle Underground Monkeys Co.,Ltd. (GUM株式会社)、かなた狼 監督「ありがとうモンスター」。
2023年【SENSEI FilmFest】でBEST ASIAN FILMの最優秀賞を受賞作品。

2024年3月12日~14日はお席があるそうなので、ぜひぜひご覧下さい。
上映館なんばパークス https://www.parkscinema.com/site/namba/
映画 https://shinkigeki.yoshimoto.co.jp/news/detail/224
Facebookプライベートグループ 佐藤太一郎の『演劇魂』
Instagram https://www.instagram.com/satotaichiro_shinkigeki/
note https://note.com/satotaichiro/n/neaaf0b89cf2a

物語れる内容はないです。
途中は点と点が離れすぎていて抽象度が高いので、頭の中は『?』です。
でも最後まで見たら、結構グッとくる。
私には、かなた狼 監督解釈のジブリの実写版を観た感がありました。

私の独身時代は「もっと、もっと!」と、予定を詰め込んでいました。
育休後に職場復帰を2回して、『勝ち組』だと調子に乗っていました。
平日はあの急な坂を子と荷物を抱えて駆け上がり、保育園に預けて、
頭も体もフル回転。週末は死人のように休む。
それでも月曜から仕事に行っていたなんて…すごいな、あの時の自分。
昭和の体育会系「ガッツ、気合い、根性」で乗り切っていました。
今なら到底無理です。単純に歳をとっただけという理由の気もします。

実家の時の私の役割は、娘と姉。
そこに新入社員の自分という役割が増えました。
役割が増えたばかりの頃の私は、不満だらけでした。
実家の時の役割の私は、当然社会不適合で、なかなか手強い相手でした。
おそらく私の生活に対し、役割の数がキャパオーバーでした。

そんなことに気付いていない私は、役割を握りしめていました。
全部をうまく演じようとしていました。
さらに周囲の顔色を窺いすぎ、周囲の声を聞き過ぎていました。
 独身でいたら「結婚はまだか?」
 結婚したら「子どもはまだか?」
 一人出産したら「一人は可哀想。二人目は?」
 二人出産したら「子ども三人は多いし、大変だからもういいよね。」
周囲の声で、随分と自分を蔑ろにして、自分を振り回してしまいました。
なんやねん、その価値観。
気が付くと、
「なんで私だけ」
「なんで私ばっかり」
が口癖でした。しかも独り言のようにブツブツと。

家を出てから増えた役割は、妻と母です。
当初からごく最近まで、私は迷走していました。
私の生活習慣や性格に適した良妻賢母像なんて、すぐにはわからない。
学校で、なり方も辞め方も教えてもらっていない。
世間の勝手な価値観を押し付けられていて正直迷惑。
じゃあ、いつでも辞めればいい。その役割が嫌ならば。
それは嫌だ…ではどうすればいいか。
元々あった娘と姉という役割をごく最近に卒業しました。
おかげで、日々を楽しめるようになった方だと思います。

実は、世の中はその役割をあなたに求める事も、押し付ける事もしてない。
たまたまそこに空席があったから「あなた、どうですか」と勧められて
「断る理由もないので、では」と、たまたま腰掛けただけ。
我慢して座り続けたいなら座ってても良いし、
居心地が悪ければ離れて良いし、
改善して座れそうなら座り続ければ良い。
悪気なく、無邪気に、その人が感じた事を独り言のように言っているだけ。
乗っかっても良いし、乗っからなくても良い。

なぜなら、この世界に正解はないし、間違いもない。
自分は何者でもないし、何者かである必要もない。
何者かのフリ(役割)をしてもいいし、しなくてもいい。
混沌と多様性の社会だからこそ、全部を自分で決めていい。
そっか、そうだね。そうだった。忘れていたよ。ありがとう。

私にとって、何か一歩を踏み出すために必要な、
勇気と元気を与える優しい温かい映画でした。
さらに、舞台挨拶付の映画鑑賞だったので、
出演者からの生々しい裏話や想いを聞けたことで、
より心に沁みる映画になりました。

今日も愛のある穏やかな一日となりますように~^^
最後までお読みいただき、ありがとうございます!

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