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日曜日、おろしたてのワンピースが似合う私になって出かけよう

最近よくワンピースを着るようになった。
クローゼットの奥から昔買ったのを引っ張り出して着てみたり、新しく買ったり。
白色、黒色、グリーン、ワインカラー、ギンガムチェック、総レース。
背中がざっくり開いたもの、ビジューの大きなボタンが付いたもの、ウエストリボンがついたもの。
膝丈、ロング丈、裾がふわっと広がるもの、セクシーなタイトワンピース。
着るのはいろいろ。


昨日、韓国の通販で注文していたワンピースが届いた。
首元が大きく開いたハートネックのデザイン。脇腹の部分が開いていて、肌が少しだけ見えるからちょっとセクシー。ウエストの切り替えから裾にかけてふわっと広がる、ミモレ丈の黒色のワンピース。

韓国通販は注文から到着まで1週間以上かかる。待ち侘びた新しいワンピース。うれしくて早速着てみた。
でも、全然似合わない。首から上とワンピースを着たボディがちぐはぐでダサいと感じた。

焦った。(まあまあ高かったし)
通販の悪いとこだ。試着ができない。
しかも、着用モデルはお人形さんみたいなヨーロッパ系の女の子だった。
自分が着ている姿を想像しきれていなかったのが敗因かと思われた。
だって洋服自体はすごくかわいいから。

鏡に映った自分を見る。髪の毛はノーセットで、化粧っ気もほぼない。
もしかしたら、と思った。


まず、髪の毛をコテで巻いて、プラム色のリップを塗ってみた。
そこそこ様になった。

次に、髪の毛を後ろで束ねてアップにして、さらに後れ毛を巻いてみた。
自分でも見違えるほどだった。ワンピースの良さを生かせている気がした。

そこでやっと付いていたタグを切り、ハンガーにかけてクローゼットに仕舞った。


10代から20代前半の頃、毎日のようにワンピースを着ていた。
あるとき、似合わない気がして、着るのをやめた。
私は長身で、服屋さんで売っているワンピースを着ても、マネキンや店員さんが着ているみたいにベストサイズにはならない。
膝丈のワンピースがミニスカートになるのが恥ずかしくなってきて、着るのをやめた。

近年は流行もあり、ミモレ丈のような長めのワンピースも増えてきて、長さが少し足りなくても着こなせるようなデザインのものが増えてきた。
またワンピースを買ってみた。
私が好きな、柔らかい生地で裾がひらひら揺れるようなデザインのもの。
やっぱり似合わない気がした。
今度は顔と服がちぐはぐになっているように思えた。
年齢のせいかな?と飲み込んだ。


そして冒頭に戻るのだが、また似合うようになってきた気がして、ワンピースを着るようになった。
そして気づいた。
私にとっての似合う、似合わないは、丈がどうとか、年齢がどうとかよりももっと、髪型やメイクに大きく左右されるのだということを。


似合わなくなってきたと感じたとき、私はコテでしっかり巻いた肩より上のボブヘアで、前髪はかき上げていて、髪色は明るめのアッシュ系、リップは濃い色で、いつも大きなピアスを付けていた。
意思が強そうで、夜が似合うような綺麗なひと、という見た目に寄せるのがマイブームだった。
服もハッキリとした色味のものをよく選び、トップスはリブニットなどの体のラインが出るもの、ボトムスはタイトスカートやスキニーパンツを履くことが多かった。

最近は「美人百花」や「andGIRL」に載っているような、華やかで大人っぽくて、きれいな色の洋服を着たいと思うようになった。
暗髪に鎖骨くらいの長さのミディアムヘア、前髪は眉下まで短くして、いわゆるシースルーバングに変えた。
アイシャドウやリップはピンク系のものをよく使うようになった。
このスタイルに変えてから、ワンピースを着ても恥ずかしくなくなった。


「私に似合う洋服を着る」のか「洋服に見合う私になる」のか。
これは悩ましいテーマだ。
ヘアスタイルや服装、「どういう自分になりたいか」というテーマを頻繁に変える私みたいな人間にとっては。

前は「意思が強そうで、夜が似合う綺麗なひと」に似合う服を着ていた。
昨日は、かわいいワンピースに見合う自分になるために、見た目を飾った。
今の私は着たい服を着こなしたいから、服のトンマナに自分を合わせにいくことが、気持ちいい。


最近タイトスカートはあまり履かなくなったけど、髪型やメイクを工夫したら、また似合うようになるのかな?いろんな自分になれるのは楽しい。
日曜日、おろしたての黒いワンピースに似合う私になって、出かけてみよう。

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