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【和訳】#Streetsnaps: SUMIN & Slom

2024年8月に公開されたHYPEBEAST Koreaのインタビュー記事「#Streetsnaps: SUMIN & Slom」を日本語に訳してみました。

自己紹介をお願いする。
SUMIN: 歌い、曲を作るSUMIN。
Slom: 曲を作り、曲をかけるSlom。

『MINISERIES 2』をリリースする前に「STOPLIGHT」という曲を先に公開した。その理由とは?
SUMIN: リリースを控える『MINISERIES 2』の収録曲の中で新しさを最も与えられる曲だと思った。そして、人びとが聴いたときに果たして我々がどのような物語を提示するのかについて、答えが見つからない曲でもあると考えた。フルアルバムに対する好奇心を掻き立てるのに最も適切だった。
Slom: 『MINISERIES 2』に収録された全ての曲を前面に出しても良いと思ったが、個人的にはSUMINの声が際立つ曲を一番先に聴かせたいという気持ちが大きかった。そのため、SUMINの声がソロのアカペラで始まる「STOPLIGHT」を選んだ。

アルバムの話は欠かせない。今作『MINISERIES 2』の紹介をお願いする。
SUMIN: 先にリリースしたアルバム『MINISERIES』は愛という感情について甘く、ウィットに富んだ表現で、そしてストレートに語ったアルバムだ。今回のアルバム『MINISERIES 2』は別れの後により大人らしくなった二人を描いた。3年という時間が過ぎただけに成熟していなければならないので。メロディーと歌詞を通してそれを表現したが、Slomのプロダクションからも『MINISERIES』と大きな違いを感じ取ることができる。一層「メロドラマチック」になったところがある反面、ディテールが強化されたと言えば良いのだろうか。そこも成熟したといえるはず(笑)
Slom: SUMINの言う通り『MINISERIES』は恋を始めた二人が自分の言いたいことをいろいろと言う、はじける感じの関係を描いたとすれば『MINISERIES 2』では別れが訪れた後、互いを淡々と手放す大人の恋愛を描くことに集中した。

二人で制作をするとき、仕事の仕方は合う方か。
SUMIN: 合う。
Slom: 我々は離れていても一緒によく音楽を作る。ある程度完成させたファイルをSUMINに送った後、SUMINも作ったものを送り返してくれるが、その過程が繰り返されるほど、だんだんと作品が出来上がっていくのが目に見え始める。アルバムを完成できるという確信が持てると言えば良いのだろうか。制作するときの相性は良い方だと感じる。

今年7月にアルバムリリース前のリスニングパーティーを開いた。『MINISERIES 2』を作ったスタジオで開催するのは異例なことだ。
SUMIN: Slomはテレビにもよく出るので人びとには親近感があるが、私は少し気難しい感じがすると思った。そこでファンと交流できるイベントが必要だと考えた。それに、我々のツーショットを見たがっているファンが多かったので、それを見せたかった。
Slom: 我々がどんなに解像度の良いスピーカーを使ってアルバムを作っても、皆が我々が持っている装備で聴くわけではないはず。そこで我々が制作した機械を使って音楽を聴かせたかった。また、我々にとってスタジオは慣れ親しんだ空間であるが、ファンには簡単に体験することのできない空間であるため、新しい経験をプレゼントしたかった。

リスニングパーティーではRollercoasterに大きな影響を受けたと明かした。最も影響を受けた曲はあるか。
SUMIN: 「습관 (Bye Bye)」。『MINISERIES 2』で表現したこと全てがあの曲から流れ出てきたと考える。テーマ、作り方、コード進行、両義的な何かを表現している感情まで。楽しいけれど悲しく、熱いけれど冷たい何か。SE SO NEONのSoyoonさんが我々のアルバムを聴いてこう表現した。「emo (感傷的)」になる感じだと。その感じがまさに我々が目指していたところだ。
Slom: アシッドジャズのサウンドを持つ全ての曲からインスピレーションを受けたはずだ。ただ、そのようなサウンドを韓国の情緒と歌詞にのせたRollercoaster先輩に最も深く影響を受けた。

イ・サンスン (Rollercoasterのメンバー)にも曲を聴かせたそうだが、どの曲を聴かせたのか。
SUMIN: 「JUST A BREAKUP」から全ての曲を順にお聴かせした。我々がRollercoaster先輩にインスピレーションを受けたということを知った上でアルバムを鑑賞された後、こうおっしゃった。「うーん、(Rollercoasterの)感じがあるね」と。
Slom: 親しい友達の子供を見ながら、友達に「うーん、君に似てるね」と言うような感じでおっしゃっていた (笑)

過去にインタビューでSUMINは「愛の中でまだ唯一分からない感情が『倦怠』だ」と明かしたことがある。今回は倦怠期の恋愛の話を歌詞に入れていたが「倦怠」が分かるようになったのか。
SUMIN: 私は未だに「倦怠」という感情が理解できない。倦怠という概念をどう定義すれば良いのか分からない。
Slom: 「互いへの表現が不十分で、それを認識できていない状態で問題の解決を先延ばしにしている状況」。さっきChatGPTに聞いてみた。

そのインタビューで、『MINISERIES』では「気楽でいられるのはテクノが流れるこの場所だけど、君に会いに君の好きな合井洞のあのクラブに行けるよ」(「THE GONLAN SONG」)という横柄な歌詞が記憶に残っていると言及した。今作『MINISERIES 2』でも印象に残っている歌詞はあるか。
SUMIN: 「빙글빙글 아침이 싫어. 지겹기만 해 나의 이별. 몇 바퀴 돌아도 너는 보이지 않고, 잔을 비우더라도 넌 없네 아직도 (ぐるぐる 朝が嫌だ/別れは疲れるだけ/何周しても君は姿を現さないし/グラスは空になったのにまだ君はいない)」。「WHY WHY WHY」のサビの歌詞だ。一晩中お酒を飲んで天井がぐるぐると回るくらいに酔ったが、隣に君はいないという歌詞が悲しすぎるから。
Slom:「이렇게 흘려보내는 게 사랑일 지도 (こうして忘れ去っていくのが愛なのかもしれない)」(「GOODBYE」)。

そうしたら今回のアルバムで最も好きな曲はあるか。
SUMIN: 今日選ぶとすれば「TIC TOC TIC TOC」。特に強烈な雰囲気の曲だ。確かにメロドラマチックな曲だが、強烈なメロディーを奏でる楽器のサウンドと、自分の声が激しく配置されている。そして「TIC TOC TIC TOC」は『MINISERIES 2』の中間となる、曲同士をつなげる曲でもある。この曲を聴けば、このアルバムの収録曲のどれを聴いても物語がつながる。そのため、タイトル曲にしたいとも思ったが、やめた。むしろ人びとが聴いたとき「どうしてこれがタイトル曲じゃないんだ!」と感じてほしいと思った。我々のような変態的な感性を持っているファンが好むのではないかと考えた。
Slom: 「JUST A BREAKUP」。「アーティストが輝けるプロダクションにしよう」というプロデューサーとしての目標が確実に見える曲だ。

『MINISERIES』から『MINISERIES 2』まで歌詞の中の語り手たちの恋と別れを扱った。SUMINとSlomの考える愛とは何か。
SUMIN: その人が嫌う行動をあえてとらないこと。良いものは誰とでも共有できる。しかし、相手を傷つけないためには努力が必要だ。自発的により良い人になろうと努力することが愛なのではないだろうか。
Slom: 分からない。愛の範囲が広いということもあり、これを狭めるのは難しい。だから愛しているという言葉もあまり使わない。

それならば別れとは何だろうか。
SUMIN:
別れとは再び会うこと。どんな形でも。別れることでまた会う機会が与えられると考える。そのため、私にとって別れとは永遠にさよならという意味ではない。
Slom: 関係の中にいる全ての人びとの幸せのために互いに築き上げてきた愛着を諦める瞬間。

最後の質問だ。このアルバムを一つの単語で定義するなら?
SUMIN: 「出会い」。『MINISERIES』の中の語り手たちが出会ったからこそ『MINISERIES 2』で別れたから。
Slom: こっちが「出会い」?(笑)

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