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ワグネル、脱フランス‥‥アフリカの今

「ロシア・アフリカ首脳会議」が開かれたことから、アフリカのニュースが国際面を賑わせたこの1週間。深まるアフリカへのロシアの影響を改めて考えてみました。

周知のとおり、ロシアの民間軍事会社ワグネルはかねて、アフリカの人たちが「反フランス、親ロシア」に傾くよう偽の画像や映像をツイッターやティックトックなどで拡散してきました。

この背景にあるのは、アフリカの人たちが抱えるフランスに対する根強い不満です。

もっといえば、これに乗じてロシアがアフリカに食い込み、国際社会で支持を得ること(実際に国連総会でも、ウクライナ侵攻に対する「棄権票」は意外と多い)。

さらにいえば、ロシアは、治安維持という名目のもとで軍事展開し、その国の独裁者を守る見返りに資源を得ること(これが軍資金になる)。

こういった目的からロシアは「偽情報作戦」を展開してきたわけですが、朝日新聞(7月30日付の記事)にわかりやすい地図が載ったのでシェアします。


朝日新聞の7月30日付記事から引用

これをみると、ロシアの偽情報作戦が報告されたのは中央アフリカ、マリ、スーダン、ニジェール、ブルキナファソ、リビア、コートジボアール、ガーナ、ナイジェリア、カメルーン、コンゴ民主共和国、アンゴラ、モザンビーク、ジンバブエ、南アフリカ、マダガスカルの16カ国。アフリカ54カ国のおよそ3割を占めます。

(参考までに挙げると、昨年8月に日本がチュニジアで開催した国際会議「第8回アフリカ開発会議=TICAD8」に出席したアフリカの首脳級は20人でした)

こんなに広く展開していることに驚きつつも、ganasが現地取材プログラム「Global Media Camp」を開催するルワンダはこの中に入っていません。

ただルワンダと言えば、「脱フランス」を進める国の筆頭でもあります。 フランス政府はもともと、フツ系住民を軍事的に援助していました。大虐殺を含むルワンダ紛争の後、フランス政府は、ルワンダのカガメ大統領(ツチ系住民)を「戦争犯罪者」として告発。これを受けてカガメ大統領はフランスと国交断絶に踏み切ります。

それだけではありません。学校で使われていた教授言語をフランス語から英語に変更(これはものすごいことですよね)。また英連邦にも加盟します(ルワンダは英国の旧植民地ではないのに)。

ロシアとの関係はどうなのか? ルワンダは政情・治安も安定しているし、また資源をもたないので、ロシアにとっては入る隙もメリットもないかもしれません‥‥。

ただ西側諸国からすると、カガメ大統領の人権侵害を攻めすぎると、ロシアになびくリスクも。そうなるとロシアの影響が東アフリカ(主に旧英領)へ向かうだけに、なんとしても避けたいところです。

こういったことを頭の片隅に入れながらルワンダで取材してみませんか? 観光やスタディツアーではなかなか深められないことを考えてみる。興味のある方はぜひ! まだ間に合います。開催は決定済みです。

【〆切8/12】大虐殺から「アフリカの奇跡」を遂げた国の今を取材で掘る!『Global Media Camp in ルワンダ』参加者募集