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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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映画 変な家の感想

 先日、以前から妹が見たがっていた変な家の映画を観に行きました。
 まだ観ていない方は閲覧注意すると共に、映画館へGo。

 ざっくりとしたあらすじ
(映画) 伸び悩んでいるホラーオカルト系動画投稿者の雨男。
 そのマネージャーがある物件を購入するというので、間取り図を見ると奇妙な空間が空いている事に気付く。
 雨男の知り合いである設計士の栗原氏と、間取りについてを話し合うとそこには闇があるようで……?

 内容
 
 因習村×現代殺人ホラー

 様々な記事からの感想。

 さて、この映画は賛否両論という意見が多く、否定的な意見は特に小説、元動画から来たという方の期待にそぐわなかった、もしくはジャンプスケアに頼ったホラー要素というのが大まかな理由のようです。
 その一方で、賛、肯定的な意見の方を見てみるとこの映画はどうやら推理ほんの少し、ホラー要素のあるサスペンスとして見ると面白いというのが総評らしいです。

 (参考記事 https://eiga.com/movie/99694/review/ https://filmarks.com/movies/110703 ) 

 個人的感想

 映画を観る前に、頼んでいたチリソースドッグ(あらびき胡椒×マジックソルト×ハバネロ粉末×七味)を平らげ、唇を腫らしながらゼロコーラで癒しつついざ鑑賞。
 
 開始数秒でジャンプスケア要素があり、妹がびっくりしてこちらの腕を掴んでは肘掛に投げたりしていました。
 それはさておき、真面目に感想を。

 ストーリーに対して。
 
 終始妄想癖があると書かれていても、大体が当たっている以上それは名探偵なんだよあなたほんとに設計士?
 巨漢だし(いざとなれば肉体的にどんな相手でも勝てる可能性があると考えて)頭脳はキレるしで、栗原さんが付いているパートには謎の安心感がありました。
 ラストは足に怪我を負ってから、何週間経っているのかはわかりませんが、傷の治りも速いように見えます。
 STRもINTも高いし、村民からの襲撃シーンには真っ先に足をやっておくのは、向こうからすれば英断だなとも思いました。

 だって、この人活かそうとすると便利すぎて【ドラえもんの劇場版に限った四次元ポケットの不調、アイデアロールの失敗】みたいな状態にしておかないと、ねぇ?(?)

 とはいえ、大体の物語の流れを視聴者に伝える役割を担っているので重要だったりもする。

 それから、雨男さんがあのへんな間取りに住んでいた前の住民の妹(片淵柚希)だという人に、「動画をまだ作り終えてない」という理由で真相解明に着いて行くのが、なんだか人情のようなものを感じて心身共にイケメンだなぁと感じていましたが。

 喉に切り傷作られても割と激しく首を動かせたりしてるあたり、傷浅いんだろうけどあなたも耐久性大概じゃ……

 片淵柚希さんに関しては、序盤こそホラー要素のある怪しい、なんなら殺人一家の一人かもしれない人物(概ね間違いでもない)だったものの、中盤あたりからとことん救われるべきヒロインとして描かれていて、なんだか序盤の扱いも可哀そうなような、とも思えました。

 左手供養という因習、その古くから伝わる狂気の習わしが、現代の象徴的な場所に逃げ込んだとしても免れることができなかった。
 それこそが呪いであり悲劇の始まりであると同時に、終焉の時だったのかもれません。

 恐怖は呪い、とも片淵一族で猟銃を構えていた柚希のおじさんも言ってましたしね。

 個人的総評

 びっくり要素と血に塗れた場面、暗くも質の良い画質で見ていて少し疲れるものの、場面の一コマ一コマが丁寧に感じ、映画という場所にお出しできるようにという配慮からか、静止的な場所は少なくて派手に動いているところが多かった印象があります。
 邦画ホラーを見るのは初めてなのですが、なんだか薬(幻覚剤、洗脳に使うための薬等)とびっくり要素に頼りすぎているような気もします。
 元にしているのは動画、そこから小説版の一巻らしいですが、そこにあったのはふとした疑問と疑念が、内側から忍び寄っては真相に気付いた瞬間に背筋が少し凍るような生々しくリアリティある恐怖は、まるで【意味が解ると恐い話】を思わせる楽しみ方でした。
 こういう恐怖感を、“受動的恐怖感”と呼びたいと思います。

 対して映画の方は、演者を動かすのと、観客を席に閉じ込める都合上、退屈させるわけにはいかない。
 そこで、恐らくびっくり要素や場面を激しく動かすようなアクション要素がかさましされて今作に至ったのでしょう。
 この恐怖感はどちらかというと、日常的風景から起きた、突飛な事を引き金にずるずると地獄に引き込まれ、あげく災難に見舞われる恐怖感がありました。
 上記に対応するなら、“積極的恐怖感”とでも名付けましょう。

 映画館に来た原作者ファン層の、求めていた恐怖感のすれ違いで、賛否両論という結果に終わったのかな。
 
 確かに脚本の細やかな部分での詰めが甘いような気もします。
 しかし、恐怖感を煽るという目的は最低限果たしているし、ストーリーも小説と動画が良かったからか、映画にしてしまうと前述述べた詰めの甘さのせいで荒唐無稽感は否めないものの、支離滅裂ではない。 
 
 その内ネットフリックスやアマゾンプライム等で配信されると思いますが、私からは2時間の、難しい事を考えず軽く洋画的な演出で邦画ホラーを楽しみたいときの娯楽作品として見るべきかな、と思います。
 
 小説版に関しては、大体の話の流れは同じですが、大きく違うのが殆ど都内を移動したりせず、間取り図や手紙を見て上記の三人+片淵母が話し合って進行するという事です。
 また、ある重要な点も違うし、小説では左手供養を提案した者の正体についても書かれていますが、それは小説版のネタバレを道連れ的にしてしまうので割愛。

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
 興味がありましたら、小説と元動画をぜひご覧ください。

 動画(現在2024/5/18時点で2224万回再生突破中)
 https://youtu.be/CBIL0eAwDs8?si=HPe9r-3uQK3EQSwb
 

 小説
 https://www.amazon.co.jp/変な家-雨穴/dp/4864109931/ref=sr_1_3?__mk_ja_JP=カタカナ&crid=3CSRDA48LK0OM&dib=eyJ2IjoiMSJ9.bHnWVM_MZCl0ycwGvIbuuVXUXXSupIpVKmhQQ2L5h6umZLQ--XNdrxd6sY_yMyTqp-811Lmn3JgUcBnhOpOExPUJtRabcKwfKdq78uK42kEDu1U0Qt5HpCND9T4lKJKmj0qdQ1bcChL8OYlFux6dvS81nXTs0FuVpekrHVAf-eYxthRMlAFEs0wRAkzRFqFM9qGiNQJlWpWwADbiYTY1KvQJusKNi7I0IG4yRfI7JSfsC_Ik49xr4P8BdZhgO9kCvCtoPMRp1EGI0zBZXuCXVBDnwv0BQ58NUbUvEMTUtCw.mJKbCtIgIWeNZfSOxzJTV19QPvx-dvaDMfaB4xnGBBo&dib_tag=se&keywords=変な家&qid=1715962105&sprefix=変な家%2Caps%2C197&sr=8-3
 
 漫画版もあるそうですよ!(こちらは連載中。というか雨欠さんと思しき人物が中性的でかわいい)
 https://www.amazon.co.jp/変な家-1-HOWLコミックス-雨穴(飛鳥新社刊)-ebook/dp/B0C7TKJ5QC/ref=sr_1_4?__mk_ja_JP=カタカナ&crid=3CSRDA48LK0OM&dib=eyJ2IjoiMSJ9.bHnWVM_MZCl0ycwGvIbuuVXUXXSupIpVKmhQQ2L5h6umZLQ--XNdrxd6sY_yMyTqp-811Lmn3JgUcBnhOpOExPUJtRabcKwfKdq78uK42kEDu1U0Qt5HpCND9T4lKJKmj0qdQ1bcChL8OYlFux6dvS81nXTs0FuVpekrHVAf-eYxthRMlAFEs0wRAkzRFqFM9qGiNQJlWpWwADbiYTY1KvQJusKNi7I0IG4yRfI7JSfsC_Ik49xr4P8BdZhgO9kCvCtoPMRp1EGI0zBZXuCXVBDnwv0BQ58NUbUvEMTUtCw.mJKbCtIgIWeNZfSOxzJTV19QPvx-dvaDMfaB4xnGBBo&dib_tag=se&keywords=変な家&qid=1715962105&sprefix=変な家%2Caps%2C197&sr=8-4


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