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変幻自在


「平尾台」は半裸出カルスト地形の高台。北九州市、行橋市、香春町、苅田町、みやこ町にまたがり、標高370~710m、南北6km、東西2kmにわたるカルスト台地である。

平尾台の石灰岩は、3憶4千万年の赤道近くの海の海洋生物(サンゴ、フズリナ)の死骸が石灰岩になったもので、地殻の移動で現在の平尾台まで移動してきたと考えられている。

カルストとは、石灰岩で出来た地質が、二酸化炭素を含んだ水(雨水、地中)によって溶食されて出来た地形。
国指定天然記念物(1952年320ha)であり、また北九州国定公園(1972年1,144ha)、県立自然公園(1950年)に指定されている。
また秋吉台(山口県美祢市)、四国カルスト(愛媛・高知県境の四国脊梁山脈)と並ぶ日本三大カルストの一つでもある。

またカルストという名前は、スロベニア西南部からイタリア北東部にかけてのクラス地方(スロベニア語:Kras、イタリア語:Carso)あるいはカルスト地方(ドイツ語:Karst)の典型的な石灰岩台地から、カルスト地形という地理学用語が生まれた。

ゴロゴロと地表に並ぶ石は地表や地中の石灰岩が水に溶かされ様々な形をしているピナクルと呼ばれるもの。地面の上に転がっている訳でなく、地下深く続く石灰岩の頭が地表に出ている状態である。

石灰岩は二酸化炭素を含んだ水(雨水)や、地中の二酸化炭素を含んだ水で溶けていく。
平尾台は、1億年前にマグマの熱で溶かされ再結晶した、結晶質石灰岩すなわち大理石の山である。

平尾台自然観察センター及びニッポン旅マガジンHP参照


この石群は個別ではなく地下では一体となった巨大な大理石の台地の表面。
遥か赤道近くから移動し、マグマに溶け、再結晶化し、雨に打たれ続けて露出し、変形し、樹木が根を張り、割られ、溶けだして、地に浸み込み、地下の空洞で鍾乳石となる。
姿形を変えながら悠久の時の流れに身をゆだね存在し続けるこの台地は変幻自在。
































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